《アイウエオ五十音表:十の父声と五の母韻》
ラワヤマハナタサカア
リヰイミヒニチシキイ
ルウユムフヌツスクウ
レヱエメヘネテセケエ
ロヲヨモホノトソコオ
ン
ン
◎母韻の発生
・初声としての「ウア」
❶五十音の元声(モトツコエ)としてウ声が生じる。
❷ウ声に続き、すぐさまア声が生じる。
⇒開いた口のア声は軽く天に上昇し、閉じた口のウ声は重く地に下降する。
・ウ声から生じた「オ」
❸ウ声がさらに重く垂れ下がりオ声が生じる。
⇒オ声は地の底にある黄泉の国となる。
⇒❶❷❸のプロセスで、アオウという〈天・地・泉〉が形成される。
・ウ声から生じた「イエ」
❹ウ声がさらに分かれてイ声とエ声が生じる。
⇒イ声は上昇して天衢(あまつみち)、エ声は下降して泉坂(ヨモツサカ)となる。
⇒❶❷❸❹のプロセスで、天地初発の道理が示される。
◎母韻の順番
・天地が生み出された順番
❶ウ…大地
❷ア…天上
❸オ…黄泉
❹イ…大地から天上への道
❺エ…大地から黄泉への道
・天地泉の上下の位相
❶ア…天津国(あまつくに)…天(アマ)
❷イ…天八衢(あめのやちまた)…天地をつなぐ
❸ウ…顕国 (うつしくに)…地
❹エ…泉平坂(よもつひらさか)…地泉をつなぐ
❺オ…泉津国(よもつくに)…泉(ヨミ)
◎母韻の系列
・ア…初(言初むる声)…開音の初め
・イ…体(言動かぬ声)
・ウ…用(言動く声)
・エ…令(言令する声)
・オ…助(言助くる声)
◎五十音表の特徴
・ラ行とワ行が入れ替わっている。
・音素記号を使用している。(ヰ、ヱ、ヲ)
◎言語神授観における天地泉の宇宙軸
・宇宙自然の階梯と言語声音の発生とが関連づけられたもの。
・天地初発の道理と五十音図の体系が符号することは、奇霊(クシビ)である。
〈補足〉
◎顕国(うつしくに)である中津国の大地から黄泉国(よみのくに)が分化し、重く垂れていくようにウ声からオ声が分化する。こうしてウ→オ→アと、天・地・泉が分化して、はじめて上昇するイ声と下降するエ声とが分出する。そして、この五母韻の発生の様態は、天地泉の事を成し覚ませる神等のその神態に幽契しており、その大神たちの惟神(カムナガラ)なる語言語(ミコトゞヒ)に始まる。つまりこの五母韻の発生は、天地初発の道理に符号し、照応するものである。
◎宇音から拡大・展開して成立する五十音は、それ自身が今度は五母音と十父声へと還元され、最終的には宇音に戻っていく。
〈参考文献〉
◎鎌田東二「言霊の思想」p.178-181

記事更新日:2026/02/07

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