形をなす物は、皆(みな)天地の火水の躰より生(ウマ)るゝ氣(イキ)なれとも、目前に甚しく其理を現す物は、草(クサ)也。草ほと早く、天地のいきを知るはなし。或は四時の常を能(よく)知る故に、草に木の名を負(おはす)と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.473)
◎言霊カ⓱
草の灵はキの音也と有。今、此カの音に、又草也と云は如何と云に、草木の灵は元(もと)同物也。しかれとも、水を宰(つかさど)る物を艸(くさ)と云(いひ)、火を宰(つかさど)る物を木と云(いふ)。少し差別あれとも、元来同物故に、草をも木(キ)と云(いひ)、木(キ)をもまた草と云(いふ)。松をいつまて草と云(いひ)、或は草を木(キ)と云(いふ)。アツキ(赤小豆)、ネキ(葱)、スヽキ(薄)の如し。是を、草の木と称へるの例故に、キの音に草也と有。総(すべ)て、草木の灵をキと云。今、カの音に草とあるのは、カは暉の火にして、木のことを云と知るへし。木は火のいきの形。今、此カの音は、形無き火の形を現(あらは)したる木にして、暉(かがや)く火のカの音に、草也と有。松なとを、草と云ときの草(キ)也。タマハヾキ、是も亦(また)松のこと也。
◎言霊チ❸
統(すべ)て草木の灵は氣(キ)なり。天地も、元(もと)氣より開けて、万物をなす。必(かならず)草木を先にする也。其草木は、天地のキより開くか故に、草木の灵はキ也。其キは何物そや。一物のヽ(ホチ)也。其一物のヽ(ホチ)は、水中の火。火、水に與(ク)みて形現はすキの音なれは、水中の火の血の顕れし処なり。又、タ行は水中の火にして、暉く火の灵の現るへき氣の隠れたる処也。隠顕異なれとも、躰は一也と知へし。故に、キの音も草也とあり。又、チの音にも、草也と有と知へし。
〔補足〕
天地は氣より開き、そこから万物が生まれる。その最初のものは草木であることから、すべての草木の灵は氣(キ)である。また、灵(レイ)であることから、草木の灵もキとなります。キより水火(イキ)が開き、火を取り仕切るものを木、水を取り仕切るものを草といいます。このように、草木はもとは同じもの、すなわち灵(レイ)であります。
◎灵(レイ):
・灵の異体字は靈、新字体は霊で、「たましい」や「みたま」を意味する。
◎灵草(レイソウ):
・新字体で霊草と書き、不思議な効能のある尊い草を意味する。
・めでたいしるしとされる草を意味する。
記事更新日:2026/08/16















































































































































































































































































































