◎言霊
幸(サイハイ)とは、サキの反にして、即サキ也。サキとは、本語サイハイなり。約めてサキと云。幸(サイハイ)と云は、割別こと。は、イキの反にして、は天を回る日也。天の息を回り開いて、万物を割別け、生せしむるを幸いと云。惣て、一百千に及ふを、幸いと云(いふ)。一より多きに及ふと云。父母のいきより割別るの義より、成す語(こと)はなり。ワサワイとは、とは也。天より割分れしいきを、天に逆ふて、いきを割分ずして、一つにまろがれるをワサハイと云。一粒を万倍になさゝるを、ワサハイと云。幸い不成と云。一百千を損して、唯一つにておほすの語也。故に、漢文にも不幸三つあり。後(あと)無きを大也とす。(顕云不幸の幸は孝也。文盲の甚しきこと可笑)。いきを子孫に割分けさる程の災は無し。故に、百千の物を、只一つに及ぼすを、ワサハイと云。又、一より百千をなすを、幸(サイハイ)いと云。今、サキと有は、サキサクとあるとつゝめし語也。一を百千に割分くる語にして、是(これ)幸(さいは)いの語と同義也。夫に、カサヽキ
(山口志道「言霊秘書」p.482-483)


マナ



記事更新日:2026/08/03