◎言霊
誘(サソフ)とは、は割別(サキワカルゝ)こと。は揃(ソロフ)ことにして、躰は別にして有乍(ありながら)、セスシと昇る迄は、只(ただ)一にして別れぬに、今は其一に昇る水の、割分るゝの音也。しかれとも、割分るゝなれとも、揃(ソロ)ふて乱れす。是を、誘(サソ)と云。友を誘ふなとも、彼れと是と躰は別なれとも、揃へ行くを誘ふと云。如此、水は物を睦むの故に、割分るゝと云も、又離れすして誘ふ故に、さそふ水に有。小町の哥に、さそふ水あらはいなんとそ思ふ、と詠也なとは、能(よ)く詠得たる名哥也。今、昇水の灵のの音なる故に、誘ふ也と有。顕云。イサナフと云は、は息也。は割別(サキワカルゝ)こと。は双(ナラフ)こと。イサナヒイサナフと、ヒフの活用(はたらき)にて省け、割別れたる息をならへると云ことにて、他人とならふと云ふことにて、誘(サソフ)なり。
(山口志道「言霊秘書」p.489)


イザナギとイザナミ



記事更新日:2026/08/10