◎言霊
人(ヒト)の語は、は火也。は與こと。火と水と和らき與みて、火水のいきのを能(よ)く行ふ者を人と云。人と云名は、只(ただ)我等に限るに非(あらず)。万物みな人(ヒト)なり。水火の二(ふたつ)のを備ふるが故に、其そなへたるを行はさるときは、人もひとに非(あらず)。此人間は、身に此息息(いい)のを備ふるか故に、能(よく)五十連の音をなす。此五十連の音は、我身の息のイキ也。又、教也。此故に、鳥獣に勝れて能(よく)言語の差別をなす故に、能(よく)人の名をおはす。人と云は、水火和らき與と云語にして、万物皆人なれとも、火水のいきを備へなから、いきの道をしらす。いきのを全く行はさる、虫か魚かと云(いひ)て、人と云(いは)ず。古人は、此五十連の息のを備へて、能(よく)此を知り、の如く是を行ふ。故に、人と名付る也。故に、父母兄弟貴賤上下等の差別を知り、礼をなす。若(もし)、此備へたる息のに違ふて、貴賤の差別なく、父子兄弟の信義を失へは、鳥獣に同しくして、人に非す。鳥獣といへとも、此を備る。故に、鳩(は)とに三枝の礼あり。鳩に反哺の孝あり。これ自然のなり。しかれとも、其全(まつた)からさる故に、行ふことも又全からす。故に、人の名をおはず。人の名は形に非す。其備たると、行ひの全き故に人と云に、今五十連のいきのの音に、ひと也と有。ト子(ね)リ抔(など)と云か如し。
(山口志道「言霊秘書」p.450-451)


◎言霊
人(ヒト)は、天地の水氣、火垂より生るゝか故に、ヒトと云。天の水氣斗(ばかり)にて、地の火垂なけれは、緒生の縁かけて、人生せす。又、地の火たり斗(ばかり)にて、天の水氣なけれは、能生の縁なくして生せす。天地の水氣、火垂有か故に、人を手()と云。故に、の音、人(ヒト)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.500-501)


◎言霊
火の水に與むの、水中の火灵なるか故に、人(ヒト)也と有。火水の與むを、ヒトと云か故に、の音に人(ヒト)也と有。白ふ人、黒ふ人、仲ふ人なとのは、皆人(ヒト)のことと思ふへし。
(山口志道「言霊秘書」p.503)

ちぎり

 
記事更新日:2026/08/27