1.宇宙の創造とそこから生み出されたもの
16世紀半ばに始まった西洋の自然科学の諸体系である近代科学(modern science)において、数学と実験による経験界の探求により、ある一定の法則を基本にした物理学(physics)や有機化学(organic chemistry)、微生物学(microbiology)という学問を通じて、地球上の生命の構造について非常に詳細なところまで解明されるようになりました。現在、人類が太陽系の外にある別世界へと理解を広げようとしているなか、近代科学は地球外にどういった種類の生命が存在しているかについてもヒントを与えてくれています。私たちはすでに、すべての生命体や非生命体が原子や分子のレベルでどのように構成されているか、特定の状況に対して個別に、または集合的にどのように反応するかについての深い知識を持つようになりました。そして遂に進化の力学(dynamics)という見地から、地球上のすべての物質に知性があると認識し始めるところまできています。宇宙に関する知識は、創造とはもともとどのように起こったのか、数千年、数万年後にはどうなっているのかについて拡大した見解を提示することで、西洋の宗教の強固な枠組みを過去のものとしつつあります。そして、拡大し続ける大宇宙の中にあるこの比類なき場所としての地球について、人類が与える非常に広範囲にわたる深遠な影響をも理解し始めるようになってきています。
しかし私たちは、自信をもって事実だとしている科学的研究やその仮説を超えたところにある、いまだ解明されていない生命の構造を理解しているでしょうか。五感で感知できる以上の生命の構造は果たしてあるのでしょうか。そのような物理的に観察できない構造は、何らかのかたちで私たちに影響するのでしょうか。
宇宙の始まりであるビッグバンは約138億年前、極端な高温高密度の火の玉が急膨張(inflation)を始めたことによるもので、この約38万年後に放たれた宇宙マイクロ波背景放射(CMB; Cosmic Microwave Background)はビッグバンの残光として宇宙最古の光と呼ばれています。科学者たちはいま、この宇宙最古の光を観測することで、宇宙空間が一瞬にして何兆倍もの大きさに拡大したという急速な膨張の概念を支持する証拠を得ています。宇宙の年齢が1兆分の1のさらに1兆分の1秒にも満たないときに、エネルギーの基本的構造に変化が起きました。そしてそこから数億年後に星々や銀河が創造されるようになったのです。
ビッグバンの後、宇宙は膨張し、銀河はそれに乗って互いに離れている

ここ数百年を振り返ると、私たちはその始まりのエネルギーの性質をようやく次のように理解し始めています。すべての物質は同一の基本エネルギーからできていて、そのエネルギーはひも状の素粒子であり、引力によって互いに連結し、その互いに引き合う動き自体が物質の基本的な力である電磁気を生み出します。そして基本的な構造が複雑になるにつれ、それらは類似した形態を引き寄せ、さらに複雑な構造を作り出すための気体や固形の粒子、基礎となる化学物質を形成していきます。これらの複合形態によって物質はありとあらゆる形となって現れ、最終的に私たちが宇宙と呼ぶものを創造します。科学的見地から言うところの、ある瞬間に起きたビッグバンが生み出した宇宙のことです。
2.始まりの瞬間に生み出された二つの生命形態
アカシックレコードには生命の起源に関する基本情報がいくつかあります。それは、始まりの瞬間に二つの生命形態が生み出され、虚空(viod)の中に完全に自由に解き放たれたというものです。
一つ目に生み出された生命形態は意識(consciousness)です。単体の分子である意識は、純粋なエネルギー場に包み込まれていることから、創造主から独立して存在することができます。この純粋なエネルギーを思考エネルギー(thought energy)と呼びます。意識と純粋な思考エネルギーが合わさると、そこに第三の特性である聖なる衝動(Devine Urge)が生じます。アカシックレコードでは、この「意識、思考エネルギー、聖なる衝動」が組み合わさったものを第一次存在(first state being)またはトライアードソウル(triad soul)と呼んでいます。第一次存在またはトライアードソウルは永遠不変のもので、それを創造した力(force, power)によっても修正したり変更したりすることはできません。また、個々のトライアードソウル(魂)は創造主の一つの分子と考えられています。創造主が自らの最初の創造物として、自身の無数の分子を、虚空(void)の中へと解き放ったのです。
二つ目に生み出された生命形態は、進化するエネルギーの基本形態です。それは、最終的に物質を形成するひも状のエネルギーの構成要素である素粒子よりも小さなエネルギーです。これらの粒子は非常に小さいため、現代の科学技術では検出することができません。この単体の粒子は、意識エネルギーの単一分子から成るものですが、思考エネルギー場に包み込まれていないことから、絶えず変化するハーモニクスの特性に適応していきます。この二つ目の生命形態をアカシックレコードではダイアード(dyad)、または進化する感覚意識(dyad awareness)と呼んでいます。人間存在とは第一次存在(トライアードソウル)と進化する感覚意識であるダイアードという二つの形態が一つになったものです。
始まりの瞬間において、第一次存在の目的は、それを包み込んでいる思考エネルギーによって定義されており、そのハーモニクスは固定されています。一方、進化するエネルギーは、意識の単一分子が思考エネルギーに包まれていないという点において第一次存在とは異なり、個々の分子のハーモニクスは、常に変化する定義を取り入れることができます(常に変化する定義に左右されます)。始まりの瞬間からその目的を定義づけている組み込まれた衝動を備えていない分、それぞれのダイアード、あるいは進化する粒子の目的は、絶えず変化するハーモニクスの特性に適応していきます。変化し続ける進化する物質には、創造主の始まりのヴィジョンが内包する詳細のすべてを埋めるという総体的な目的があるのです。
(補足)
これまでの地球における文明の多くは、ダイアード感覚意識(=身体感覚意識)に人間のスピリットという呼び名を与えてきました。これは正確ですが、残念なことにスピリットという用語がスピリチュアリティを学ぶにあたり、文化によっては否定的な意味を含んでいることも事実です。ダイアード感覚意識、つまり人間のスピリットは、その最初の形態からその都度宿った形態の死を超えて存続してきました。
3.創造の影と生命の影
物理次元において物質の無数の形態はすべて、創造の縁(ふち)の外側にゆらめいている次元的なもの、つまり創造の影に過ぎません。電磁気や重力という基本的な力もまた生命の影に過ぎないのです。マクロの視点から見れば、物質の存在を促す力は科学の理解を超えていると述べるのは当然のことです。なぜならマクロの視点は知性の境界(証明可能な範囲)の外側にあるからです。私たちはそのような視点を持つことを可能にする、創造における私たちの位置関係をようやく理解し始めたばかりなのです。

記事更新日:2025/12/20















































































