下知(げぢ)とは、上(かみ)より下(しも)へ下(くだす)語。五十音には軽い音と重い音があり、重い音を下にすることを下知(げぢ)といいます。下知(げぢ)という漢字の仮名は耳障りがあり聞きにくいため、令(れい)と言い換えることもできます。
(1)下知ヨ(ヨ❺)
下知也とは、下へ降す語也。惣(すべ)て、重き語は下にして、アカサタナの五行は、天の方に付て、音かろし。ハマヤラ迄の四行は、地に付て、音尤(もっとも)重し。其一行宛(づつ)の中にも、此第五の音は地を宰りて、ことに重し。故に、下知をなす。
◎ 井リイミヒ ニチシキイ ◎
◎ ウルユムフ ヌツスクウ ◎
◎ ヱレエメヘ ネテセケエ ◎
地 ヲロヨモホ ノトソコオ 地
ヨモロの三言、共に同義をなして、下知を宰さとる。又、三言の中にも、ヨは中間にありて、尤(もっとも)すくるゝ。モロの二言も下知なれとも、俗言にして、雅言の哥にはよまれす。
哥によむ下知のことばは、ケセテ子ヘメレの七言に、此ヨの音のみ也。
故に、ヨモロの三言、共に同義はなせとも、モロの二音には、下知の法則なし。今、ヨの音にのみ、下知なりとあるを思ふて知へし。顕云。下知と漢字を仮るは、耳につきて聞にくし。顕は、令也と書てもがとこそ思へ。
(2)下知ナ(ナ❹)
下知(げぢ)とは、上(かみ)より下(しも)へ下(くだ)す語にして、至て重き語也。故に、ケセテネヘメレの七言、ヨモロの三言、是等は中(ナカ)にありて、重くして地を宰る音の故に、下知をなす。此ナの音は、和らき並ひ、與み凝の音にして、年に合すれは七月、今日に合すれは七つ時にして、天に在乍(ありながら)地を呼ひて與むのとき也。故に、重くして下知をなす。
しかれとも、ヨモロの三言の下知よりは、自ら軽しと可レ知。此一行の中にも、中言のネヌニの三言は、下知をなさす。上のナの音と、下のノの音と、此二言下知をなす。しかれとも、ナの音は軽くして、雅(みやひやか)にして、貴人の詞になる。しかるを、鄙に住める俗、こゝにノ、かしこにノのと、ノ一言にて下知をなす故に、詞拙(ことばつた)なし。故に、今此五十連の法則にも、ノの音にて、下知の法則なし。ナの音にのみ、下知をなすの法則あり。是、天にありて、能(よく)地を呼(よぶ)のナの音にして、火水和らきの用(はたらき)の音なる故に、ヨモロ等の下知よりは、天に位するか故に、下知の心軽き也と知へし。
(3)下知ナ(メ❿)
〔引用〕
◎言霊秘書p.436-437(ヨの言霊)
◎言霊秘書p.444-445(ナの言霊)
◎言霊秘書p.509-510(メの言霊)

記事投稿日:2026/09/10
(1)下知ヨ(ヨ❺)
下知也とは、下へ降す語也。惣(すべ)て、重き語は下にして、アカサタナの五行は、天の方に付て、音かろし。ハマヤラ迄の四行は、地に付て、音尤(もっとも)重し。其一行宛(づつ)の中にも、此第五の音は地を宰りて、ことに重し。故に、下知をなす。
アカサタナ の五行は、天の方に付て、音かろし。
ハマヤラ 迄の四行は、地に付て、音もっとも重し。
其一行宛(づつ)の中にも、此第五の音は地を宰りて、ことに重し。
地 ◎◎◎◎◎ ◎◎◎◎◎ 天
ハマヤラ 迄の四行は、地に付て、音もっとも重し。
其一行宛(づつ)の中にも、此第五の音は地を宰りて、ことに重し。
地 ◎◎◎◎◎ ◎◎◎◎◎ 天
◎ ワラヤマハ ナタサカア ◎
◎ ウルユムフ ヌツスクウ ◎
◎ ヱレエメヘ ネテセケエ ◎
地 ヲロヨモホ ノトソコオ 地
ヨモロの三言、共に同義をなして、下知を宰さとる。又、三言の中にも、ヨは中間にありて、尤(もっとも)すくるゝ。モロの二言も下知なれとも、俗言にして、雅言の哥にはよまれす。
ワラヤマハ ナタサカア
井リイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメヘ ネテセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ
哥によむ下知のことばは、ケセテ子ヘメレの七言に、此ヨの音のみ也。
ワラヤマハ ナタサカア
井リイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメヘ 子テセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ
故に、ヨモロの三言、共に同義はなせとも、モロの二音には、下知の法則なし。今、ヨの音にのみ、下知なりとあるを思ふて知へし。顕云。下知と漢字を仮るは、耳につきて聞にくし。顕は、令也と書てもがとこそ思へ。
(2)下知ナ(ナ❹)
下知(げぢ)とは、上(かみ)より下(しも)へ下(くだ)す語にして、至て重き語也。故に、ケセテネヘメレの七言、ヨモロの三言、是等は中(ナカ)にありて、重くして地を宰る音の故に、下知をなす。此ナの音は、和らき並ひ、與み凝の音にして、年に合すれは七月、今日に合すれは七つ時にして、天に在乍(ありながら)地を呼ひて與むのとき也。故に、重くして下知をなす。
ワラヤマハ ナタサカア
井リイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメヘ ネテセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ
しかれとも、ヨモロの三言の下知よりは、自ら軽しと可レ知。此一行の中にも、中言のネヌニの三言は、下知をなさす。上のナの音と、下のノの音と、此二言下知をなす。しかれとも、ナの音は軽くして、雅(みやひやか)にして、貴人の詞になる。しかるを、鄙に住める俗、こゝにノ、かしこにノのと、ノ一言にて下知をなす故に、詞拙(ことばつた)なし。故に、今此五十連の法則にも、ノの音にて、下知の法則なし。ナの音にのみ、下知をなすの法則あり。是、天にありて、能(よく)地を呼(よぶ)のナの音にして、火水和らきの用(はたらき)の音なる故に、ヨモロ等の下知よりは、天に位するか故に、下知の心軽き也と知へし。
(3)下知ナ(メ❿)
惣て、下知の音は、ケセテ子ヘメレの七音は、みな下知なり。是、ヱナのヱの重き音より、つゝくゆゑと知るへし。古今集に、植し植(うゑ)は秋無時や咲かさらん花こそ散らめ根さへ枯めや。下の句の留に、カレメヤのメは、子メナの三言相通にして、枯無きやの心なれとも、上の花コソチラメのメは、下知の言也。一首の心は、植てさへ置なれは、秋にてなくとも咲てあろふ、たとへ秋になりても、よしや花こそちらめと下知をなして、根さへ枯れめやと、ヤは文(あや)をなす言にして、いや、花は散るとも根は枯れぬと云哥也。凡(すべ)て、下知は、上より下へ回らすの音ゆゑに、哥を他に読むときは、惣て下知をなす。今、メの音は、マ行の中に有て、本(も)と渾沌の一物より天地と開けて、其天地又(また)渾沌のまとかをなす。顕れしより、又(また)本元降るの今のマ行なる故に、惣(すべ)て上より下へ降すの義あり。其一行の中にても、メの音は、天地の胞衣を宰りて、殊に回るの義をなすの音故に、一行のうちにも、別して此一音下知也と有。ケセテ子ヘメレの七音は、凡(すべ)て下知のことなれとも、勝れたるに法則(のり)を譲りて、此一音にのみ、下知也と云法則ありと知へし。
ワラヤマハ ナタサカア
井リイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメヘ ネテセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ
〔引用〕
◎言霊秘書p.436-437(ヨの言霊)
◎言霊秘書p.444-445(ナの言霊)
◎言霊秘書p.509-510(メの言霊)

記事投稿日:2026/09/10














































































