◎言霊ハ❺
初(ハシメ)也。ハシメは、ハは開くこと。昇水の灵にして、シはすゝむこと。メは、芽かひを開くの初めゆへに、ハの音に初也と有。

◎言霊ハ❻❼
発(ヒラク)也。ヒラクとは、上(うへ)初めの義と同義なれとも、少し差別あるなり。ヒラクと云ときは、けぢめの方を宰る。又、初めと云ときは、けぢめに非す。進む方を宰る故に、初めの義は終りに対し、ヒラクの義はふくむに対す。先(まづ)、開くの語は、ヒラキ、ヒラクと用(はたらき)て、水は昇、火は降りて、一物のヽ(ホチ)の火水となり、上下左右へ分るゝことを、開くと云。戸を開くと云(いふ)、左右へ別るゝこと也。器を開くと云(いふ)、蓋と盆と上下に分つこと。今、此ハは、渾沌の一滴のヽ(ホチ)、正しくア行ワ行の胞衣にあるときは、天の氣を直に受さる故に、出入の息を備へす。胞衣を始て破り出て、自らの息と天地の息と合して定る、出入の息をなす。渾沌の一滴、左(ひだ)りへ開きて地となり、右へ開きて天となる。其形は、ハの音の形也。知へし。これにて、ハはイキの二つを宰也と有。故に、草木の葉(ハ)も云も、芽ざし、二つに放れたるをハと云。箸と云も、橋と云も、羽と云も、皆、出入りのイキの二つを宰るものは、皆ハと云。
(山口志道「言霊秘書」p.412-413)


扉



記事更新日:2026/07/31