星


1.天と地を結ぶ木のシンボル

木は地に根を張り、天に枝を伸ばします。このことから木は古来、天と地という二つの世界に属し、その上下を結びつける存在とされてきました。多くの古代文明では、特定の木や森全体が神々や聖霊などの超自然的な存在のすみかとして崇められたのにとどまらず、その周囲において宇宙全体が秩序づけられている宇宙軸とみなされることもありました。たとえば、北欧神話における宇宙樹ユグドラシルや、ユカタン半島のマヤにおける聖なるカポック(ヤシュチェ)などが挙げられます。

マヤの聖なる木は世界の中心に立ち、天の各層とつながっているとされていました。そして世界には四隅があり、それぞれの方位を帯びた同種の木が柱としてそびえ、天を支えていたといわれています。

宇宙樹ユグドラシル
ユグドラジル



2.エデンの園に生えている2本の木

旧約聖書には、エデンの園の中央に生えている2本の木が登場します。

主なる神が地と天を造られたとき、地上にはまだ野の木も、野の草も生えていなかった。主なる神が地上に雨をお送りにならなかったからである。また土を耕す人もいなかった。

しかし、水が地下から湧き出て、土の面(おもて)をすべて潤した。主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。

主なる神は、東の方のエデンに園を設け、自ら形づくった人をそこに置かれた。主なる神は、見るからに好ましく、食べるのに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。

エデンから一つの川が流れ出ていた。園を潤し、そこで分かれて、四つの川となっていた。

主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。主なる神は人に命じて言われた。「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」
(旧約聖書 創世記 第2章4-17より)


主なる神が男(アダム)をつくり、エデンの園に置いたとき、園にはあらゆる種類の木があり、さらにその中央には、命の木と善悪の知識の木という2本の木が生えていました。主なる神はアダムに対して、園にある木の実をすべて取って食べてもいいが、善悪の知識の木になっている実だけは食べてはならないと戒めました。

神はその後、女(エバ)をつくります。そして、主なる神がつくった野の生き物のなかで最も賢い生き物である蛇がエバに近づき、いかにもおいしそうな善悪の知識の木の実を食べるようにそそのかしたところ、エバがその実を食べてしまい、エバから実を渡されたアダムも食べることとなりました。

これにより、アダムとエバの目が開いて知識を持つようになると、主なる神が罰を与えます。アダム(אָדָם=土という意味)をめぐっては、土が呪われてしまい、労働をしなければ食べ物を得られないようになりました。エバ(חַוָּה=命という意味)には、生命を生み育てるための痛みと苦痛が与えられました。蛇は生涯這いまわり続け、塵を食べることしかできなくなります。

主なる神は、アダムとエバを楽園から追放したあと、命の木に至る道を守るために、エデンの東にケルビムと、きらめく剣の炎を置きました。

アダムとエバが善悪の知識の木の実を食べることで楽園を追放され、地上で生きることとなり、食べたり命を生み育てたりする苦しみを背負うこととなりました。これは、人間が意識や知識を持ったことにより、無意識(楽園という比喩で示される完全なる世界)にアクセスする方法を喪失したことを意味しています。
アダムとイブ



2.星のカードとエデンの園

マルセイユタロット大アルカナの星のカードは、エデンの園を描写しています。このカードには、旧約聖書に登場する2本の木が描かれており、1本は善悪の知識の木、もう1本は命の木を表しています。エデンの園を流れる川も表現されています。そして女神が右手に持つ壺は(壺の底を見ると)自然の豊かさという恵みにつながり、左手に持つ壺は(壺の底を見ると)金の鉱脈につながっている・・・。

星


カードの著作権:
CBD Tarot de Marseille by Dr. Yoav Ben-Dov, www.cbdtarot.com


記事更新日:2024/03/06