◎言霊
背(ウシロ)とは、は起言にして省き、は水の灵、(カタマル)こと。則、水の凝()る処也。此の音は、火の為に水凝()らされて昇る音の故に、ウシロ也とある。其水の(カタマル)処をウシロと云て、後(シリヘ)のことにするは何如ん。先(まづ)、五躰に当てゝ云はゝ、腹は前にして火、背は後にして水故に、暑氣を凌(しの)かん為に風を受けるときは、必(かならず)背に受る。又、寒氣を除かん為に火を受るときは、腹に受る。これ自然の天理なり。山城の国と云も、山をシリヘにするより付けたる名也。故に、此一音に限らす、惣(すべ)て此一行は昇水の灵にして、水を宰る故に、ウシロ(背)をと云と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.459)


◎言霊
背(ウシロ)の語は、の音の所に解き終る。顕云。背は也。腹と與むの名也。
(山口志道「言霊秘書」p.465)


◎言霊
天地の中に、万物右左なき物なし。其右左有は、手()に有らさるものなし。天子の四隅を、左青龍、右白虎、前朱雀、後玄武と右左有(あり)。
(山口志道「言霊秘書」p.501)

四聖神


◎言霊
前(マエ)也。行は、惣(すべ)て前の義なりと。行は、後ろを宰るとある。先(まづ)、前(マヘ)とは、は向也。は、を移せし音也。実は、也。は搦ことにして、向ひ搦む処を前(マヘ)と云。衣の前と云は、右と左との搦む所を云。家の前と云も、戸扉二枚向ひ搦む処を云。君、南面にして日に向ひ、搦み玉ふ故に、南を前とし、大和(ヤマト)の名ありとは、向ふ也。又、山城(ヤマシロ)の名あり。シロの反にして、ウシロ也。山に向ひ、又山を背にするの名也。又、マヘの反にして、ミル也。見る方を前と云。然れとも、マヘの語は、ムカヒ搦むと云か本義也。今の音は、火の水中に搦むの音故に、マヘ也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.504)


◎言霊
所(トコロ)とは、與み褐むと云語にして、動かす、そこに止るを、トコロと云。今、此の音は、水中に火與みて、與み褐る故に、所(トコロ)也と有。上来、は、統(すべ)て水中の火灵にして、一より百千に及ふ父の灵なり。行は、昇水の灵にして、背(うし)ろを宰りて母の灵也。故に、育つの義をなす。上のの音に、育つ也と有。今、行は前を宰りて、父の灵なり。故に、一物のホチ)、種(タネ)を宰りて、百千の数をなす。是、父の灵なるか故に、梵語に父をタヽと云。皇国にては、父と云。又、ツヽと云。又、テヽと云。又、トヽと云。は、皆父の灵也。皆父の灵也。故に、一より百千に及ふの義をなす。天竺と皇国と共に、音の国なるゆへに、同し天地のうちなれは、自然と灵合有と知るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.504-505)


衣の前(エ)とは、右と左との搦むところ

着物の衿


家の前(エ)とは、左右の扉搦むところ
家の門


事更新日:2026/09/01