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The Knowing Way Japan(旧Gary Bonnel Japan)認定インストラクター&プロフェッショナルアカシックリーダー中島志保のブログです

2024年11月

ツルキ(剣)とカヽミ(鏡)のチキリ(契)

◎言霊
剣(ツルキ)の反にして、は剣の灵なり。三種の神器の中にて、宝剣は主上の徳を表す。神鏡は后(きさ)きの徳を顕す。皇后の鏡の水の中へ、主上の火の剣(つる)き和するか故に、是をツルキと云。解かは、は連なること。は助音の省け。イキにして、息連と云名也。故に、剣は人を殺害する器には非。氣(イキ)を連る具也。君臣のイキ連らさるときは、国乱る。其乱(みだれ)し国を治めて、君臣のイキ連ねん為に、剣を以(もて)和平せしめ、国家を安んする。是を、ツルキの徳と云。しかるに、後世に至て、唯(ただ)剣は殺害を用(はたらき)て、反(かへり)て国を乱すの器とす。如此の穢れたる器を、何そ神器を祟るへきや。漢字にも、武士の武は戈(ほこ)を止むと書て、君臣のイキ連るに依(より)て、剣に依(より)て氣(イキ)連り、国を和平するか故に、ホコに剣の名をなす。ツルキは息をツヽクと云こと也。文王一たひ怒りて、天下平(たひら)かなりと言ふ如し。上下の氣(き)連(つら)なるの天下の法(の)りを、主上后宮に有て、神器を以て(もて)是を表する也。故に、男の魂を顕すときは、剣を用ゆ。女の魂を顕すときは、鏡を用ゆ。統(すべ)て、チキリと云も、主上の剣と后皇の鏡と、婚嫁(ミトノマクハイ)するに名をなす。ツルキの反也。カヽミの反。則(すなはち)、是をチキと云。は助言なり。国家安全に治るは、上下の和平にあり。其和平せしむる本(もと)は、諸(もろも)ろ人の契り也。チギリの本(もと)は、ツルキカヽミと、二の徳に収る。今、の音は、水中の火灵にして、母の鏡の水中へ、父の剣の火和らき睦むの音故に、ツルキ也とある。是、イキツルム(本語ツルクム也)のこと也。
(山口志道「言霊秘書」p.494-495)


三種の神器

記事更新日:2026/08/17

タヽシ(正)

◎言霊
正(タヽシ)とは、タヽの反にして、は補言也。タヽの二音、灵と灵と合せたること。則(すなはち)、灵と灵と合して違はさるを、タヽと云。君臣と云も、乃至(ないし)夫婦朋友と云も、灵と灵と合されは、臣其君を欺き、子其父を欺く等の如し。灵と灵と契り合はするを、タヽシと云。臣 其君に忠し、子其父に孝するは、是タヽシ也。其形ばかりにして、意と意と合されは、巧言令新鮮矣仁(顕云此語を引は何事そや文盲甚し)。灵と灵の合ふをと云。このの音は、水中の火灵にして、万物の灵也。種也。万物、一つの灵の種より開けたるものにして、万物本(モト)一つの灵(タマ)にして、違はさるもの也。故に、は正(タヽシキ)也と有。若(もしくは)、意と意と合ふかゆゑに、正しと云也。
(山口志道「言霊秘書」p.492-493)


田畑


記事更新日:2026/08/14

オホイ(大)とオホイ(多)

◎言霊
は暉火灵にして、陽の昇る相(すが)た也。陽の昇るときは大きく、潜まるときは少(チヒサ)し。例せは、火昇りては、百丈の殿舎も一時に滅す。潜まるときは、爈中に埋みて、掌を以(もて)覆ふ。今、は暉く火の灵にして、火の昇る音也。故に、大(オホヒ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.476)


◎言霊
大(オホイ)也。此の音は、水中の火灵にして、万物の灵也。種也。故に、是より大いなる物なし。今、天地と開け、万物と広かるも、其本(モト)は伊弉諾、伊弉冊の二柱の火水(カミ)與玉へる、一滴のタマより生る。一滴の灵(タマ)、割別れて天地万物となり、子々孫々となりて、永世尽ることなし。故に、大(オホイ)なるものは、水中の火灵の一滴にすきたるものなし。
(山口志道「言霊秘書」p.491)


◎言霊
多(オホイ)也。オホイオホキと活用(はたらき)て、は起ること。は火也。火を起したるは、此の灵なれは、オホ也。一滴の種子は、少きやうなれとも、開けは天となり、地となる。人及ひ鳥獣草木となる。多きこと、是にすきたるもの無し。上の大いなると、此多きなると、少しく語意に差別あり。大と云ときは、形より云語にして、又多也と云ときは、類より云の語也。
(山口志道「言霊秘書」p.491-492)


◎言霊
の音は、五十連の終の音にして、初めより起て、五十連に顕れ、其五十連の終りに、又初めのに反る。其オホヒなる理を備えて有ことは、此一音に過たるはなし。故に、オホヒ也と有。


田んぼ



記事更新日:2026/08/13

タネ(種)とタマ(灵)

◎言霊
種(タ子)とは、は正しきこと。は息の根也。正しき息の根は、種と云こと也。今、此の音は、水中の火灵にして、父の火、母の胎内の水中に垂(タリ)て、灵(タマ)をなすの音也。故に、息の根なり。タリチ根の一滴の灵は、是の根の故に、水中の火灵のの音に、種(タ子)也と有。此灵と種子は、差別ありや。答曰。少しくけぢめ有。灵(タマ)と云ときは、いきの連り、まろかれるより云(いふ)の語。又、種子(タ子)とは、息の本をなすの語也。故に、躰は一つなれと云語の意(こころ)は、少しく差別あり。其いきの本(モト)は、即(すなはち)父母のいきのまろかれたるたまなるか故に、種は即(すなはち)灵(タマ)のこと也。其躰、別(べ)つなるに非。灵に二種あり。則(すなはち)、形の灵心の灵と也。躰は息にして、灵と云語の義は同しこと也と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.491)


植物の種と発芽




記事更新日:2026/08/12

タマ(灵)とタマシイ(灵)

◎言霊
灵(タマ)とは、伊弉諾のいき、伊弉冊の水中に降りて灵をなす。故に、水中の火灵とある。此の字の形を見て知るへし。火氣、水中に入(いら)されは、灵をなすこと不能。水の性は凝る物にあらされは、火、水中に和して凝らぬか故に、灵をなす。タマとは、は連なること。は円きこと。水火連り、円にまろがるを灵と云。今、は水中の火灵なるか故に、灵也と有。偖(さて)、カラタの如きは、カラミ カラムなり。は灵也。タマカラミカラムの故に、カラタと云。五体は搦む也。タマシイは、也。タマシイカラミカラムを、骸(カラタ)と云。顕云。タマシイとは、タマは灵也。は印也。は息也。魂の有(ある)印(しるし)は、なりと云心也。
(山口志道「言霊秘書」p.490-491)


伊邪那岐伊邪那美



記事更新日:2026/08/11

サソフ(誘)

◎言霊
誘(サソフ)とは、は割別(サキワカルゝ)こと。は揃(ソロフ)ことにして、躰は別にして有乍(ありながら)、セスシと昇る迄は、只(ただ)一にして別れぬに、今は其一に昇る水の、割分るゝの音也。しかれとも、割分るゝなれとも、揃(ソロ)ふて乱れす。是を、誘(サソ)と云。友を誘ふなとも、彼れと是と躰は別なれとも、揃へ行くを誘ふと云。如此、水は物を睦むの故に、割分るゝと云も、又離れすして誘ふ故に、さそふ水に有。小町の哥に、さそふ水あらはいなんとそ思ふ、と詠也なとは、能(よ)く詠得たる名哥也。今、昇水の灵のの音なる故に、誘ふ也と有。顕云。イサナフと云は、は息也。は割別(サキワカルゝ)こと。は双(ナラフ)こと。イサナヒイサナフと、ヒフの活用(はたらき)にて省け、割別れたる息をならへると云ことにて、他人とならふと云ふことにて、誘(サソフ)なり。
(山口志道「言霊秘書」p.489)


イザナギとイザナミ



記事更新日:2026/08/10

シルシ(印)

◎言霊
印(シルシ)は、シルシシルスと活用(はたらき)て、昇水の灵なれは、水明に住む形を現して、朧ろにあらす。故に、形を現して、其躰明になるを印(シルシ)と云。忝(かたじけなく)も、三種の神器の其中に、印し(玉璽又神璽)の御灵と云も、明に国の印しなることにして、印しの御灵と云。宝剣は主上の御灵。神鏡は后宮の御灵。印しの御灵は太子の御灵なり。主上、后宮のいきを結ひ玉ひて、其いき御印しと云ことを、御灵と称し奉る。総て、十種の神に宝(タカラ)有(ある)中(なか)に、御灵と称する物四つ。これを(神祇伯白川公の御伝)、一には印しの御灵、二つには宇賀の御灵、三には生灵、四つには布斗麻邇の御灵、如此の御灵は、皆いきを知るの神宝(かむたか)らなり。しかれは、シルシとは、形現れ明に定ることを云。是、形無きいき凝りて、水は明に形を現して、昇る音の故に、印し也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.486)

三種の神器



記事更新日:2026/08/06

イシ(石)

◎言霊
石(イシ)とは、は息のこと。は印(シルシ)のこと。イキシルシと云語也。故に、天地の息(いき)凝(こる)処(ところ)には、必(かならず)石あり。天地のいき開けたる所には、石少(すくな)し。山林及ひ幽谷海底は、いき凝たる処ゆへ、石多し。高原 陸地等は、天地のいき開く処のゆへに、石少(すくな)し。いき凝りたるシルシ現るゝ。是を、石と云。人の歯、是石なり。故に、いき盛んなるときは、歯も盛んなり。いき衰るときは、歯も亦おとろふる也。火水のいき凝りて、火は形を隠し、水は形を現して、昇るのシルシなり。故に、の音に石也とある。惣(すべ)て、石ある山には水多し。水出る所には、必(かならず)石多し。故に、の音に石(イシ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.486)


渓流

記事更新日:2026/08/06

ソタツ(育)

◎言霊

育(ソタツ)とは、は揃ふこと。は大なること。は続くこと。離れぬやうに延し、太らすことを、育(ソタツ)と云。今、は昇水の灵にして、水は能(よく)物を育つる用(はたらき)あり。火は物を損する物なり。草木の花を火の中に入るれは、惣(たちま)ちにしほむ。水に止むるときは、永く育つ。父の火、能(よく)息の本はなせとも、育つは母の水にあり。第一義、是也。故に、今は水灵の音のゆへに、育つなりとある。しかも、同し水なれとも、濁水なれは、火か交るゆへに能(よく)は育()たたず。ラリルレロは延(ヨタレ)にて、草木の花を止ること能(あた)はす。これ、何を以の故に。水火二凝が故也。今、昇る水は、清き水也。清き水にあらされは、能(よく)育つることは能(あた)はす。たとへは、濁水に住む魚と、清水に住む魚の如し。能々(よくよく)可謹こと也。今、の音は昇水の灵にして、濁れるは降り、スメルは昇る音の故に、育(ソタツ)也とあり。
(山口志道「言霊秘書」p.485-486)
国生み

記事更新日:2026/08/05

ツカサ(司)

◎言霊
司(ツカサ)とは、は続こと。は昇こと。は割分こと。上に居て、事を割分るを、司(ツカサトル)と云也。今、は昇水灵にして、進み昇り、割分んとする故に、司ると有。実は、司サの語は、ツヽキカサヌを約たる語也。心は同し。ツヽの反は、ツツキツツクと用(はたらき)て省く。カサヌは、両()のにして、つかさと云心になる也。昇水灵は、ツカサなることと知るへし。上のの音は、暉く火にして、昇ることなれとも、かゝやくと迄はいはるれとも、昇るとは云はす。たかき也とあれとも、司とはなし。是、火は物を凝し、水は物を育つ母の義にして、物を育つるの義よりは、物を凝すの義は重くして、これ左(ひたり)は右(みき)より重し。是は、伊弉諾の尊は左の眼をそゝき玉ふ、月読の命と顕る。月夜見命より勝れて、天照太神は天地の司サにならせらるゝ。故に、左大臣、左大将、左少弁等は、命令を宰(つかさどる)の官にして、右大臣、右大将、右少弁より重し。今、此五十言のは、火を司りて、左に在て高し。は右に在て、水を宰る。天地自然の法則、王法、全く此五十連(いつら)に有こと知へし。臣よりも左右と云(いひ)、君よりも左右と云(いふ)。是、王法の伝へなり。
(山口志道「言霊秘書」p.484-485)
国生み

記事更新日:2026/08/04

サイハイ(幸)とワサハイ(災)

◎言霊
幸(サイハイ)とは、サキの反にして、即サキ也。サキとは、本語サイハイなり。約めてサキと云。幸(サイハイ)と云は、割別こと。は、イキの反にして、は天を回る日也。天の息を回り開いて、万物を割別け、生せしむるを幸いと云。惣て、一百千に及ふを、幸いと云(いふ)。一より多きに及ふと云。父母のいきより割別るの義より、成す語(こと)はなり。ワサワイとは、とは也。天より割分れしいきを、天に逆ふて、いきを割分ずして、一つにまろがれるをワサハイと云。一粒を万倍になさゝるを、ワサハイと云。幸い不成と云。一百千を損して、唯一つにておほすの語也。故に、漢文にも不幸三つあり。後(あと)無きを大也とす。(顕云不幸の幸は孝也。文盲の甚しきこと可笑)。いきを子孫に割分けさる程の災は無し。故に、百千の物を、只一つに及ぼすを、ワサハイと云。又、一より百千をなすを、幸(サイハイ)いと云。今、サキと有は、サキサクとあるとつゝめし語也。一を百千に割分くる語にして、是(これ)幸(さいは)いの語と同義也。夫に、カサヽキ
(山口志道「言霊秘書」p.482-483)


マナ



記事更新日:2026/08/03

オノレ(己)とタレ(誰)

◎言霊
己(オノレ)とは、は起ること。)也。は助言。一つに円(まろか)れたること故に、誰(タレ)と云ときは、は多きこと也。何れ共、定めて指語に非。居へ、からみて云語。今、己(オノレ)と云ときは、独りと指こと故に、漢語にも一己()なとゝと云て、人に構はす。我独(ヒトリ)と癖執(ヘキシウ)するを、一己と云。神代巻の、オノコロジマと云も、オノレトコルと云語にして、一粒の籾の形をなせしことなり。 是、オノレと起り、まろかれたることにして起り、円(まろか)れるは是形をなす始也。故に、今(いま)昇水の灵の始めをなすの音故に、オノレ也有。如此、一音 始也 終也 死也 己也と。生も 死も 始めも 終わりも、皆(みな)同一に、水より水に入の 理(ことはり)と知るへし。偖(さて)、漢字にも、始死▢(虫損)至止、皆(みな)同じ称(とな)へにして、灵合をなす。こゝに、己れと云は助言にして、顕れ隠るゝ故に、を省てオノと云。又、省かすして、オノレと云。鄙言に、オレと云。此ときは、は省け、の一音以(も)て義をなす、の字と見るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.482-483)


国生み



記事更新日:2026/08/02

カサゝキとミサゝキ

◎言霊
死()すれは水を宰る故に、天子の御尊骸の在(ましま)す所を、ミサヽキと云。水にサキ、サクと云詞なり。水に幸(さいは)ひをなすより、付しもの也。紫震殿の御階は、カサヽキ橋と云。息にては、火に幸ひをなす御名にして、今(いま)行は火を宰る。此は、水を宰る。左右前後をなす水火のいき、天照太神、月夜見の命と生れ玉ふ法則は、こゝより出る。是、の音は、昇水の灵にして、終りの義なるか故に、死()也と有也。
(山口志道「言霊秘書」p.482)


◎言霊
カサヽキは暉火灵にして、火にさきさきて、幸(サイハイ)をなすと云語也。日出れは光り暉き、天地万物の差別を分て、照して、幸(サイハイ)をすると云語也。故に、八隅知之(ヤスミシシ)と有て、大君(オホキミ)の四海を治(シロシメス)徳を崇(アガメ)てと云こと。又、紫震殿の御階を、カサゝキノハシ(暉幸乃階)と云。天皇の在(ましま)す所。在乍(さりながら)、朝日の出るか如くなる故に、カサゝキと云。漢語にも、是を朝廷と云。或は、朝臣と云。光徳万民に及ひて、幸いならすと云ことなし。故に、天子の御坐を、漢には朝と云。又、御幸と云。幸の字を仮字にするも、此心なり。天皇行玉ふ処は、闇夜にても燎火(りょうか・かがりび)を挑(か)けし如し。是を、御幸と云。如此、一十百千に割別れて、物に及ぼすを、サキと云。の音は、昇水の灵にして、初めソセスと水中に火與()みて、火の為に水今(いま)動き、進み昇りて、正しく割分らんとする音の故、幸也と有。是は、割分れんとする始め也。は正しく割分れのとき也と当知。顕云。サイハイとは、は割分こと。は息のこと。は発のこと。心は今近苦しみし息をサキワケ、又(また)息を発くを云如是して発解す。
(山口志道「言霊秘書」p.483-484)

〈補足〉
◎八隅知之とは国の隅々まで知らす(広く天下を治める)という意味で、大君や天皇にかかる枕詞。


雲海


記事更新日:2026/08/03

ハシメ(始)とヲハル(終)

◎言霊
の音は、昇水の灵にして、万物の初めを宰る。先に解か如く、動く物は水にして、動かしむる物は火なり。火の為に水動されて、始めて形を現して昇る。故に、今(いま)昇水の灵のの音に始也と有。これ私の解にあらす。古事記神代の巻の神秘なり。二た柱の神、みとのまくはいの条に、女神先(まづ)あやにやしえ男(ヲトコ)をと、男神に先達て勅(ノリゴチ)玉ふ。是、女神は水にして、水始めをなすの法則を知らせ玉ふ神秘なり。故に、日本紀神代の巻には、其法則に違はすして、女男分(わか)たすと、女の水先(まづ)挙て、男の火を後に出して有。漢書にも、陽陰とはなし。陰陽と有。是、自然の法則也。故に、をみなは十三才にして其血氣定り、男は十五才にして全く血氣とゝなふ。是、女の水は、男の火より先達と知るへし。故に、往古(いにし)へは、婚姻を結ふにも、先(まづ)女の家へ男行て契りをなし、而後に男の家へ女をともなふ。是を、よばひと云。今、其礼儀残りて、女より先き酒をくみ始て、次に男に献するも、此法則の違はさると知るへし。草木の芽を生して延ひ行(ゆく)も、水気先達故也。ヨハヨハシイ。解の如く延すは、水にしてこらすは、火也。人も生まれて弱々しきは、水の先達か故に、水氣増りて時々剋々に成長する。俗に是を、水子と云。如此、万物の始めは皆(みな)水也。故に、昇水の灵のの音に、始め也と有。しかし爰(ここ)に心得の有は、形をなす始めは、今の解の如く水也。しかれとも、形なき所に形なさしむるは火也。是より云はゝ、火を始めとも云へし。しかれとも、なさしむる物は形なし。なすは形有。なす形よりいへは、水は始めなり。混沌と形別(わか)らさる時は、何れを水とも、火とも、別ち難し。しかし、天地と別るゝ中に、先(まづ)天(てん)先(さき)に成りて、地(ち)後(のち)になる。天は空水にして、此ときは水。地は濁りて、此ときは火。其空水のあめは、つちより先になる。此水は、火より先達つと知るへし。夫を教ゆるか、神代の巻の神秘故、古事記には女神先(まづ)勅(ノリコチ)玉ふと有。日本紀には、女男と列ねて有。天地万物は、水先達(さきだ)つことを教ゆるの神秘ゆゑに、今(いま)昇水の灵のの音に始也と有。


◎言霊
の一音に、始メ終ルと有は何そや。是、千早振(ちはやふる)神代の学にして、更に凡慮の斗(はか)る処に非。唯(ただ)、自然の理を以(も)て解くへし。先に解く如く、形をなす物は水にして、形なさしむる物は火也。形の始は、水氣勝て、火氣盛んならす。故に、惣(すべ)て春の若草の如く弱し。竟(ツヒ)に、大氣盛なるときは、又(また)其形も亦(また)盛なり。是、夏草(ナツクサ)の如く茂る。又、其火氣衰ふれは、形も亦衰へて、秋の草木の如く散崩る。即ち、元の水氣に帰る。是、盛なるは火、衰ふるは水。小児の力の柔弱なるは、火氣小きか故に、常に冷るも、全く老て火氣衰へて寒(さむき)か如く、老児同しことなり。是、水より起りて、水に帰る。日月はむば玉の暗より出て、同しく闇(くら)きに入。朝に露をなして、又夕部につゆをなす。是、初めも終りも皆(みな)水なり。始に離れて終なし。始終同一なることを知るへし。神代の巻に、始めにひるこを生みて、葦の葉の舟に入て流す。是、始めに終りを備ふるの神秘なり。次に、伊弉冉(いざなみ)の火水(カミ)神去(かむさり)在(ま)して後に、天照大神を生み玉ふは、母なくして生れ玉ふ。是、初めに終りを備ふるの神秘なり。母は死して後(のち)生るゝは、始に終りを備ふる神秘なり。始終同一の王法の教、王宮に有ても、初春に六朝より七日まては、神事あり。八日より十四日まては、仏事経営し玉ふは、始終同一の王法の法則なり。是、神代の神秘あるか故に、稲荷の古伝、天地自然の音を以(もて)教ゆ。古事記神代の巻の法則に違はさる、王法の規矩となるへき本元なる故に、の一音に起るのと、終るのと備へ、より起てに反る。始めに離れて、終りなし。終りに離れて、始めなし。今日の始は、昨日の終り。今日の終りは、翌日の始め。実に、始めに終りを備へ、終りに始めを備るの法則。是、皇国神代の法則。天地自然の規矩を現するか故に、今の音に始也、終也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.481-482)


◎イロハ口伝
何ゆへならば、生をはなれて死もなく、死をはなれて生もなく、本(もと)の一音に起るのと、終(をはり)のを含み、天地開闢の時、はやをわるの義備(そなは)る。をわりに又(ま)た始めを備ふ。一をはなれて十なし。十をはなれて又(また)一もなし。唐の文字にすら、子始死共に音を同(おなじく)して、始(はじむ)るにも、終るにも又(ま)た、漢和自(おのづ)から灵合(たまあひ)と云(いひ)つべし。然れば、生死を知るの、このイロハ文也。
(山口志道「言霊秘書」p.529)


夫婦岩



記事更新日:2026/08/09

カナラス(必)とウタカフ(疑)

◎言霊
疑(ウタカヒ)とは、は浮ひ動くこと。タカヒタカヒタカフと用(はたらき)て、動き違ふと云語にして、物のうこき、其理に違ふを、ウタカヒと云。則、定まらぬこと。教へは明らかなれとも、其教を明らかならすと思ふ。これを、ウタカフと云。惣ては、暉く火の灵にして、火の用(はたらき)也。火の躰には非。火の躰は形なく、又暉くものに非す。其かゝやかさる火の躰に、うごき違ふて水に與みて、暉くの音故に、疑(ウタカヒ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.477)


◎言霊
必(カナラス)とは、は暉(カゝヤク)こと。は並(ナラフ)こと。ラスの反にして、助言也。暉き暉く物を、並ふと云語にして、慥(たしか)に見分け、朧(おぼろ)成さること也。今、は暉く火の灵故に、必と有。おほろに非すして、明らかに見分ると云より、語伝用して、は疑ふことならすと云語になる。是を、必(カナラス)と云。しかし、是は伝用の法則(のり)と知へし。其訳は、下の疑(ウタカヒ)也と云(いふ)法則条下に解へし。
(山口志道「言霊秘書」p.473-474)




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記事更新日:2026/07/28

キタル(来)・キタル(氣垂)

◎言霊
の音は、形無の真の火、真の水に與みて、形をなすの氣()の音故に、氣垂るの意をなして来ルとある。タルとはタルタリと用(はたらき)て、父母のいき本(もと)形なし。其形無のいき舫て、いきの形をなすを、来(氣垂るゝ)と云。北()抔(など)と云も、此心なり。夫の氣、垂るゝと云ことなり。今、人の来(タル)なとゝと云も、遠き彼方にありて見へぬ人も、こゝに近付、顕(あらは)るゝを来(タル)と云。其近付現るゝものは、彼処の人の氣、こゝに垂(た)るゝ故なり。故に、歩み近付、若(も)し彼方の人の氣のこゝにたれされは、譬(たとへ)あゆみ進むとも、爰(ここ)に形見えす。其、こゝにたれさる故也。有朋自遠来なと云も、若(もし)其人徳なけれは、近き人も近付親ます。是を、氣垂らすと云。今、形なきの真(まこと)の火水、初めて形顕すのの音故に、氣垂る(タル)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.473-474)

女性


記事更新日:2026/07/19

キとチ(草木の灵)

◎言霊
形をなす物は、皆(みな)天地の火水の躰より生(ウマ)るゝ氣(イキ)なれとも、目前に甚しく其理を現す物は、草(クサ)也。草ほと早く、天地のいきを知るはなし。或は四時の常を能(よく)知る故に、草に木の名を負(おはす)と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.473)


◎言霊
草の灵はの音也と有。今、此の音に、又草也と云は如何と云に、草木の灵は元(もと)同物也。しかれとも、水を宰(つかさど)る物を艸(くさ)と云(いひ)、火を宰(つかさど)る物を木と云(いふ)。少し差別あれとも、元来同物故に、草をも木()と云(いひ)、木()をもまた草と云(いふ)。松をいつまて草と云(いひ)、或は草を木()と云(いふ)。アツキ(赤小豆)、ネキ(葱)、スヽキ(薄)の如し。是を、草の木と称へるの例故に、の音に草也と有。総(すべ)て、草木の灵をと云。今、の音に草とあるのは、は暉の火にして、木のことを云と知るへし。木は火のいきの形。今、此の音は、形無き火の形を現(あらは)したる木にして、暉(かがや)く火のの音に、草也と有。松なとを、草と云ときの草()也。タマハヾキ、是も亦(また)松のこと也。
(山口志道「言霊秘書」p.478)


◎言霊
統(すべ)て草木の灵は氣()なり。天地も、元(もと)氣より開けて、万物をなす。必(かならず)草木を先にする也。其草木は、天地のより開くか故に、草木の灵は也。其は何物そや。一物のホチ)也。其一物のホチ)は、水中の火。火、水に與()みて形現はすの音なれは、水中の火の血の顕れし処なり。又、行は水中の火にして、暉く火の灵の現るへき氣の隠れたる処也。隠顕異なれとも、躰は一也と知へし。故に、の音も草也とあり。又、の音にも、草也と有と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.494)


〔補足〕
天地は氣より開き、そこから万物が生まれる。その最初のものは草木であることから、すべての草木の灵は氣()である。また、灵(レイ)であることから、草木の灵もとなります。より水火(イキ)が開き、火を取り仕切るものを木、水を取り仕切るものを草といいます。このように、草木はもとは同じもの、すなわち灵(レイ)であります。

(レイ):
 ・灵の異体字は靈、新字体は霊で、「たましい」や「みたま」を意味する。

灵草(レイソウ):
 ・新字体で霊草と書き、不思議な効能のある尊い草を意味する。
 ・めでたいしるしとされる草を意味する。


森林


記事更新日:2026/08/16

シキリ(水切)とカキリ(火切)

◎言霊
の音は、形(カタチ)をなすの火水(イキ)にして、形をなすのいきは、火水の凝(コリ)極(キワマル)也。故に、限(カキリ也とある。偖(さて)、語を解かは、は搦むこと、イキのことにして、搦むいきと云語也。物に搦み極まれは、又離るゝ。故に、限り極れは、物凝(モノ・コル)のつまりを云。先きに解か如きの音は、形をなすの息にして、形をなす物は必(かならず)限り有と知へし。形をなさゝる真のいきは、常住不変にして、限り無き故に、古事記神代巻に、天神七代は形なき息にして、隠身とある。形なき神なれは、不去不来也。神代の神は遠きに非。必(かならず)、今日に有(あり)。国常立より下(し)もの神は、形を現すのいき故に、有去有来故に形を現すのいき盛者必衰にして、必す限り有。形なきのいきは、不去不来にして、限り無きか故に、上ののい音のいきは、空中の水灵にして、御身(みみ)を現(あらは)さるゝる。天津神の故に、限也の法則なし。今、此のの音は、形現すの地神のいきにして、来る有、去る有。故に、限也と有。実に、神仏の法(の)りは、理(コトハリ)一にして、形なきの本来の真如のいきは、四相のうつさゝる処。形なすの凡情の波浪の息は、有為にして、四相うつされ来る有、去る有。今、此稲荷の古伝に占るに、無生より現るゝ生、無形より顕すの形、いきは、盛者必衰会者定離は、神仏の二道 寛狭の異あれとも、其法則(のり)違(たがは)さること、古伝にて有て明か也。今、の音は、形なきの火水凝て、形を現すの息のの音故に、限(火切)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.472-473)


◎言霊
限(カキル)は、物の極るを云詞也。今、は暉く火の灵にして、古事記神代の巻の、天照大神也。は月読の尊にして、是(これ)を地神の部に入(いれ)、形をなし、初にして終りをなす。隠身(シヲ)在(まします)天神の如くには非。形をなす物は、必(かならず)初め有。又、終り有。朝 東に暉て、夕べに西へ入。是(これ)、形有の相(すがた)也。故に、今(いま)形顕すの、暉火灵の音に限ると也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.477)


◎言霊
為限(シキル)。シキリシキルと活用(はたらき)て、は印(シルシ)のこと。は根のこと。形なきの水灵は、本来寂然(せきぜん)として為限(シキリ:水切)なし。形なす昇水は、火限(カキリ:火切)有。故に、空水は形無故に、かぎりをなさす。鳥は形無き空水をかける故に、水切なけれは、又無礙(むげ=とどこおらせる障害がないこと)なり。形現すの水は、水限なす故に、物に障へられて、舟に乗らされは渡られす。形現はすの水のゆゑ也。有所あり、無き所あり。古今集恋の部に、流れては妹背の川の中に落る吉野の川のよしやよの中、と読たる如きは、水は水切をなして、物を隔る。故に、シキルと云は、襖屏風に至るまても、水の流るゝ如くにする。是を、シキリと云う。俗に、水際(キハ)を立ると云。形現すの水は、必(かならず)しきり有。必(かならず)かきりをなす。今、の音は昇水の灵にして、形現はすの水故に、今シキリなりと有。形現す物は、神か自在の日月すら、雲霧に覆はるゝ。况(いは)んや、余の物に於ておや。形無き本来の水火には、去るも無く、来るも無く、生もなく、滅もなく、只(ただ)自然たるのみ。既に、上のは形現するの火なるか故に、火切(カキリ)也と有。今、此は、形現すの水なるか故に、水切(シキリ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.487-488)

丸窓と満月


記事更新日:2026/08/08

キ(氣)とイキ(息)

◎言霊
氣()、則(すなはち)、水火(イキ)也とは、水火すてに凝て、浮ひ出るのいき也。今にて云は、日輪太神宮の出玉ふ処故に、雲霞も霧も晴()るゝなり。雲(くも)霞(かすみ)霧(きり)と云も、理(ことはり)は同くして、いき凝て雲となり、かすみとなる。是、天地のいき也。ゆゑに、カスミの反キリの反クモの反。総(すべ)て、日月もいき、又雲霧も氣。そこは同じ理なれとも、日月と雲霞霧と同しやうに扱ふへからす。同じ天地の氣なれとも、神灵の在(ある)と不在(あらざる)とあり。氣は天地の氣同しけれとも、非情有情の差別あり。神灵の在(ある)と不在(あらざる)とを能(よく)知り、能(よく)教るには、神道と仏道なり。儒はしからす。顕伝。更に、儒道を学すして盲説を吐。実に笑ふへし。聖人の一罪人なり。兎角、其道の蘊奥(うんのう)を極めすして、其道を論すへからず。又或曰。今(いま)此の音は、影の火の灵と有て、真(まこと)の火に非す。夫(それ)を何そ日輪と云や。答曰。前に数々解くか如く、真の火に形見へす。形をなす火は、火の用にして、則(すなはち)影也。其形なすときは、火水二つ與みされは、形をなさす。今、此の音は、火水凝て形をなす音の故に、影の火の灵にして、氣なり。こゝに心得のあるは、氣に又(また)二種あり。形(かたち)なき真(まこと)の水火の躰を、氣(イキ)と云。又、形をなす火水の用(はたらき)をも、イキと云。しかれとも、火水のイキと云ときは、只と云て、を云(いは)す。又、形をなす火水の(はたらき)を氣と云。たゞと云て、をいはず。爰(ここ)を以(もて)差別を知るへし。今は、影の火にして、火水の用(はたらき)の氣(イキ)の故に、只の音に氣也とあり。の音には命也、息也と有て、形無きのいきのを云。万物、イキならさるはなし。人も、草木も、皆イキ也。故に、天ノ常立の反なり。国ノ常立の反也。天ノ常立の神は、古事記に顕して、隠身(ミヲカクシ)玉へりと。是、無きイキ(水火)なり。又、国の常立の神は、日本紀の最初に挙て、形を顕す。イキの神の本となす故に、形無き天ノ常立は、空中の水灵のイキ也。形有の国ノ常立は、暉く火のイキ也。形無きもイキ、形有も共にイキなれとも、形無きをと云(いひ)、形有をと云(いふ)。其れを合せて、又イキと云の語をなす故に、の音に息の字を仮る。の音に、氣に字仮り用ゆ。仮字するにも、素(もと)より其心得有りと知るへし。前に云通り、万葉集の歌の仮字とは異なると知るへし。偖(さて)、今此の音は暉く火の一行にして形無、天地のいきより形現せる氣なりと知るへし。故に、今の音に氣也と有。又、影と云に二種あり。正火より出る影と、影より出る影有と知るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.470-472)


◎言霊
形をなさゝる真のいきは、常住不変にして、限り無き故に、古事記神代巻に、天神七代は形なき息にして、隠身とある。形なき神なれは、不去不来也。神代の神は遠きに非。必(かならず)、今日に有(あり)。国常立より下(し)もの神は、形を現すのいき故に、有去有来故に形を現すのいき盛者必衰にして、必す限り有。形なきのいきは、不去不来にして、限り無きか故に、上ののい音のいきは、空中の水灵にして、御身(みみ)を現(あらは)さるゝる。天津神の故に、限也の法則なし。今、此のの音は、形現すの地神のいきにして、来る有、去る有。故に、限也と有。実に、神仏の法(の)りは、理(コトハリ)一にして、形なきの本来の真如のいきは、四相のうつさゝる処。形なすの凡情の波浪の息は、有為にして、四相うつされ来る有、去る有。今、此稲荷の古伝に占るに、無生より現るゝ生、無形より顕すの形、いきは、盛者必衰会者定離は、神仏の二道 寛狭の異あれとも、其法則(のり)違(たがは)さること、古伝にて有て明か也。
(山口志道「言霊秘書」p.472-473)


◎言霊
息の終也。このの音は、無(ナキ)こと故に、出入のイキ、終りは消へ去って無に至る。是を、無き灵と云。上に解か如し。本来のイキは、終るものに有らされとも、形(カタチ)顕(アラハス)処(トコロ)のイキの終り也。日月、朝夕に出入するか如しと知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.512)



新緑



記事更新日:2026/09/13

オニ(鬼)とカミ(神)

鬼(オニ)は、オニの反にして、出息なり。陰(ミツ)なり。カミの反にして、入息なり。陽()なり。ニ、ミは呼吸の水火(イキ)にあり。出息は己か息(イキ)にして悪なり。是を鬼(オニ)と云。入息は天地の氣(イキ)にして善なり。是を神といふ。鬼神、原(モト)一にして両義に別る。鬼神は遠にはあらす。常に己か呼吸(コキフ)の中に有といふ御伝なり。
(山口志道「言霊秘書」p.145-146)


太極図


記事更新日:2026/07/12

ホノメク(火浮)とトカル(尖)

◎言霊
火浮を、ホノメクと訓(よむ)なり。朝日の正(まさ)に出(いで)んとするとき、東天暉(かかや)き初(そむ)るをと云。開けは、ホノメクと云。只、開合にあり。天の日の廻ること、メクは草木芽をふかんと欲て、自然にふくるゝを芽與(メクム)と云。又、日の出んとして暉きめくむことを、ホノメクと云。故に、俗に日のめかさすと云。天の火(日)の発する始めゆえに、ホノメクことをと云也。
(山口志道「言霊秘書」p.387)


◎言霊
尖は、トカルと訓(よみ)て、ホノメクと同義にして、暉(かかや)き初(そむ)ることなれとも、これは長するとなることにして、月輪の初て出んとするとき、天の暉くこと故に、月のことをスルト云。同しく、暉き初ることなれとも、ホノメクと云は、火の暉き初ること。トカルと云は、水を宰りてかゝやくことなり。然し今、正火の灵に在て、は火の灵なるを、水を宰て、かゝやくの、尖(トカル)のと云は、水火にかゝはりて云には非す。物の初をと云より、月の出るときに、東天のトカルと云こと也。
(山口志道「言霊秘書」p.388)


朝日



記事更新日:2026/07/11

コメ(米)

◎言霊
は五穀也。コメの反にして、五穀の灵と有。総(すべ)て、此の音は、朝より暮に至るの義と有て、火の灵にして、物を明に分る。水を以(もて)物を煉り束子(たばね)、火を以(もて)物を開き分つ。五穀は冬の陰にひそまりて、春の陽より開き、夏に至て花咲、秋になりて実を結ふ。其ときは、一粒万倍にして、年々其種を分る。故に、は五穀の灵と有。コメと云も、は凝こと。は回ことにして、一つのこりより、万倍と回るより付(つけ)し名なり。
(山口志道「言霊秘書」p.459)


稲穂


記事更新日:2026/07/07

ホチ(ヽ)

◎言霊
天地も万物も、其始はみなホチ也。天地の始を、日本紀神代の巻に、渾沌たること鶏の卵()の如しと、一物のホチより天地と顕るゝ。ハハの胎内に一物のホチこりて、其ホチより分て五躰となる。又、一粒の籾のホチより花さき、実()のる故に、此のの音は、万物の始に起る。故に、五十音の起りにて、最初に位す。
(山口志道「言霊秘書」p.387)


卵



記事更新日:2026/09/13

マエ(前)とウシロ(後)

◎言霊
背(ウシロ)とは、は起言にして省き、は水の灵、(カタマル)こと。則、水の凝()る処也。此の音は、火の為に水凝()らされて昇る音の故に、ウシロ也とある。其水の(カタマル)処をウシロと云て、後(シリヘ)のことにするは何如ん。先(まづ)、五躰に当てゝ云はゝ、腹は前にして火、背は後にして水故に、暑氣を凌(しの)かん為に風を受けるときは、必(かならず)背に受る。又、寒氣を除かん為に火を受るときは、腹に受る。これ自然の天理なり。山城の国と云も、山をシリヘにするより付けたる名也。故に、此一音に限らす、惣(すべ)て此一行は昇水の灵にして、水を宰る故に、ウシロ(背)をと云と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.459)


◎言霊
背(ウシロ)の語は、の音の所に解き終る。顕云。背は也。腹と與むの名也。
(山口志道「言霊秘書」p.465)


◎言霊
天地の中に、万物右左なき物なし。其右左有は、手()に有らさるものなし。天子の四隅を、左青龍、右白虎、前朱雀、後玄武と右左有(あり)。
(山口志道「言霊秘書」p.501)

四聖神


◎言霊
前(マエ)也。行は、惣(すべ)て前の義なりと。行は、後ろを宰るとある。先(まづ)、前(マヘ)とは、は向也。は、を移せし音也。実は、也。は搦ことにして、向ひ搦む処を前(マヘ)と云。衣の前と云は、右と左との搦む所を云。家の前と云も、戸扉二枚向ひ搦む処を云。君、南面にして日に向ひ、搦み玉ふ故に、南を前とし、大和(ヤマト)の名ありとは、向ふ也。又、山城(ヤマシロ)の名あり。シロの反にして、ウシロ也。山に向ひ、又山を背にするの名也。又、マヘの反にして、ミル也。見る方を前と云。然れとも、マヘの語は、ムカヒ搦むと云か本義也。今の音は、火の水中に搦むの音故に、マヘ也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.504)


◎言霊
所(トコロ)とは、與み褐むと云語にして、動かす、そこに止るを、トコロと云。今、此の音は、水中に火與みて、與み褐る故に、所(トコロ)也と有。上来、は、統(すべ)て水中の火灵にして、一より百千に及ふ父の灵なり。行は、昇水の灵にして、背(うし)ろを宰りて母の灵也。故に、育つの義をなす。上のの音に、育つ也と有。今、行は前を宰りて、父の灵なり。故に、一物のホチ)、種(タネ)を宰りて、百千の数をなす。是、父の灵なるか故に、梵語に父をタヽと云。皇国にては、父と云。又、ツヽと云。又、テヽと云。又、トヽと云。は、皆父の灵也。皆父の灵也。故に、一より百千に及ふの義をなす。天竺と皇国と共に、音の国なるゆへに、同し天地のうちなれは、自然と灵合有と知るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.504-505)


衣の前(エ)とは、右と左との搦むところ

着物の衿


家の前(エ)とは、左右の扉搦むところ
家の門


事更新日:2026/09/01

シロ(白)

◎言霊
の音は白(シロ)也。総て、此五十連の音を解くに、其音々々に盾(したご)ふて、能(よく)音の全躰を定めて解くことにして、先(ま)つの音なれは、おこると云か全躰也。今此の音は、上のの音の火と、の音の水と與て、火、水中に隠れて、昇水と共にのほる水の音なれは、昇ると云か全躰也。昇ると云に付て、出る法則あり。の音の火との音の水と與みて、の火、の濁水の中に隠れて、昇水と水の昇ると云音なれは、昇る水に付て、出る法則あり。又、火の隠るゝと云に付て、出る法則あり。又、火は入、水は昇るの両義をかねて、出る法則あり。上に形無也とあるは、火の形隠れたるによりて、出る法則なり。又、揃(ソロフ)と有は、火は水の為に水中に入と、水は火の為に昇ると、両義に付て出る法則なり。如此、の一音の本躰に付て云こと故に、其差別の有と知るへし。已下の法則も、如此。今、白キ也とある法則は、昇る水の灵の義にして、昇れは水は必(かならず)澄み、清きなり。上のラリルレロの濁水の音は、濁(ニコル)故に降(クタル)水也。今、の音は昇る水の故に、清して、白(シロ)也の法則出る也。ハハソバ(柞素葉)などゝ云ときは、は白きことにして、(葉)の白(シロ)きと云こと。
(山口志道「言霊秘書」p.458)


雲



記事更新日:2026/07/03

ソロフ(揃)

◎言霊
揃(ソロフ)と云は、左右有(ある)語にして、此の音は、火、水中に降りて火垂(左)をなし、水は昇水にして水氣(右)なり。其形を見て知へし。此火垂と水氣と有故に、の音に揃(ソロフ)也と有。水は水氣にして昇り、火は火垂にして降るへきもの。此左右あるにあらされは、揃(ソロフ)とは云れす。主は左(火垂)にして、能(よく)臣の水に入て動かす。臣は君の火の為に動かされて動く故に、君は舩(ふね)、臣は水と云。夫(ヲツト)は左(火垂)にして、妻の水に入て動かす。妻は夫の火の為に動て働く。是、左右ありて揃(ソロフ)と云(いふ)物也。もし、君の火動いて、臣の水動かさるときは、君臣の道違ふて失ふ。夫(ヲツト)の火動きて、妻の水動かさるときは、夫婦の道欠けて、右左の理を失ふ。しかる時は、国家治らず。是を揃はぬ(ソロハヌ)と云。惣(すべ)て、火は動さるもの、水は動流るゝもの、是天地開闢の法則なり。若(も)し、火の動くときは、必ず損失あり。もし、水動き流れさるときは、無益也。火、水に垂りて動かし、水は火の為に動き昇る。是を右左揃ソロフ)と云なりの音は、火水の灵にして、火、水中に降りて形を隠して動かす。水は昇る水にして、動きて形を顕すのの音故に、揃ふソロフ)也とある。
(山口志道「言霊秘書」p.456-457)


ひな人形



 空海は右手に五鈷杵(ごこしょ)、左手に数珠を持っている。

空海



記事更新日:2026/07/01

ヒタリ(火垂)とミキ(水氣)

◎言霊
揃(ソロフ)と云は、左右有(ある)語にして、此の音は、火、水中に降りて火垂(左)をなし、水は昇水にして水氣(右)なり。其形を見て知へし。此火垂と水氣と有故に、の音に揃(ソロフ)也と有。水は水氣にして昇り、火は火垂にして降るへきもの。此左右あるにあらされは、揃(ソロフ)とは云れす。主は左(火垂)にして、能(よく)臣の水に入て動かす。臣は君の火の為に動かされて動く故に、君は舩(ふね)、臣は水と云。夫(ヲツト)は左(火垂)にして、妻の水に入て動かす。妻は夫の火の為に動て働く。是、左右ありて揃(ソロフ)と云(いふ)物也。もし、君の火動いて、臣の水動かさるときは、君臣の道違ふて失ふ。夫(ヲツト)の火動きて、妻の水動かさるときは、夫婦の道欠けて、右左の理を失ふ。しかる時は、国家治らず。是を揃はぬ(ソロハヌ)と云。惣(すべ)て、火は動さるもの、水は動流るゝもの、是天地開闢の法則なり。若(も)し、火の動くときは、必ず損失あり。もし、水動き流れさるときは、無益也。火、水に垂りて動かし、水は火の為に動き昇る。是を右左揃ソロフ)と云なりの音は、火水の灵にして、火、水中に降りて形を隠して動かす。水は昇る水にして、動きて形を顕すのの音故に、揃ふソロフ)也とある。
(山口志道「言霊秘書」p.456-457)


◎言霊
の音は、火水の灵にして、右(みき)左(ひたり)を備ふミキとは水の氣と云こと。ヒタリとは火の垂るゝこと。此火水の二つ有物を、と云。今、人の手と云も、ミキ(右)ヒタリ(左)有故に、付し名なり。尤、本語はウテは起言にして省、たゞと云。惣て、右左有物は、足も皆(みな)手なり。上のアイウエの処にて、解か如し。然れとも、勝れたるに名を負すか国風なり。兎も角も、此右左(みき・ひだ)り有物は、惣てと云。故に、此の音を扱にも、右に有て左(ひだ)りへ反り、左に有て右に反り、左右共に用(はたら)きをなす。或は、有りと云て無きに反る。或は、語の中間に居て、上を奉て下を起し、又下の留に居て、上の語に反る。新古今の哥に、逢坂の関に流るゝ岩清水いはて心に思ひこそすれ、と。此イハテは、有ることを無きに反る辞にて、いはす心に思ひこそすれと云格になる也。又、古今集に、古へになを立帰る心哉恋しきことに物わすれせで。此セテは、下の留に在て、上の句に反る格也。君を恋しきことに、忘するゝこともなくて、昔逢し心地からすると、物忘れせて、古へになを立反ると云心也。如是、上の語を奉て、下を起し、下に在を上に反る。有ると云て、無きに反るの格をなす。是、の音に、右左有か故也。故に、今の音に、右左と有。
(山口志道「言霊秘書」p.499-500)


◎言霊
児の灵也。父母の水氣、火垂あるか故に、物こと育つ。故に、に児の灵有也。如是、惣(すべ)て右左有ものは、皆也。天地の中に、万物右左なき物なし。其右左有は、手()に有らさるものなし。天子の四隅を、左青龍、右白虎、前朱雀、後玄武と右左有(あり)。又(また)、軍事にも、追手、搦手の左右備はる。碁将棋等にも、右左の備あるときは堅固也。其れを、手()と云。然れとも、右左乱れて、全(まつ)たからざるをの無きと云。又、手習(テナラヒ)と云も、右左に幷(なら)ふこと。今は父にならび、母にならふ故に、児と云。父の火垂にならはす、母の水氣に並はさるときは、非(あらざる)故(ゆゑ)に、児にも非す。人の児としては、能(よく)父母に幷(なら)ふへし。父母の水氣、火垂に幷(なら)はさる時は、譬へ肉身を分つとも、児にはあらす。能(よく)父母の右左に幷(なら)ふの謂(いひ)あるか故に、児と云。故に、火水の灵のの音は、則水氣、火垂なるか故に、児の灵也とある。今、の音は一つにして、水氣、火垂ありて、合せて百千の数をなす。所謂(いはゆる)孝は、百行の本と云か如と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.501-502)


ひな人形



 空海は右手に五鈷杵(ごこしょ)、左手に数珠を持っている。

空海



記事更新日:2026/08/25

コマカ(香)とニホヒ(香)

◎言霊
香(コマカ)とは、水火の凝搦より付し名也。故に、草木の躰に火水の二つこるか故なり。若(もし)、水火離れたる朽木には、香()まかなることなし。コマカとは、香(ニホヒ)のこと也。ニホヒとは、二つのオヒオフと云こと也。故に、オヒオフと云ゆへに、水火離れたるものに、香(にほ)ひ有ことなし。花に香(ひほ)ひ有も、火水のいきニコルのゆゑなり。枯たる木には、火水のニコルこと無きか故に、香(にほ)ひ有も、火水のいきニコルのゆゑなり。枯たる木には、火水のニコルこと無きか故に、香(にほ)ひ有ること無也。如此、同しコマカと云語(コトノ)はなれとも、上のコマカは数の多きこと、此コマカは香(にほ)ひのこと。差別替るやふなれとも、基本は皆(みな)水火の二凝(ニコルと云より外の法則なし。故に、同し一音に細かなり。又香(こま)か也と有る。実に奇々妙々たること也。天地自然の水火の與み離れより、其謂(いは)れをなすと思ふへし。
(山口志道「言霊秘書」p.454-455)


ジャスミン


記事更新日:2026/06/29

コマカ(細)とコマカ(香)

◎言霊
コマカ)とは、は凝ること。は円(まど)かのこと。は数のこと。一切の物こるときは、必(かならず)数多くなるもの也。基(もと)、天地水火の二つなれとも、子(こ)は五人十人となる。孫彦となると、大壮の人数になる。一粒のもみも、水火こりて百千に及ひ、濁るものは必(かならず)数をなす。粉()と云も、細かなること故に、此凝るの義より、コマカ也とあり。
(山口志道「言霊秘書」p.454)


◎言霊
香(コマカ)とは、水火の凝搦より付し名也。故に、草木の躰に火水の二つこるか故なり。若(もし)、水火離れたる朽木には、香()まかなることなし。コマカとは、香(ニホヒ)のこと也。ニホヒとは、二つのオヒオフと云こと也。故に、オヒオフと云ゆへに、水火離れたるものに、香(にほ)ひ有ことなし。花に香(ひほ)ひ有も、火水のいきニコルのゆゑなり。枯たる木には、火水のニコルこと無きか故に、香(にほ)ひ有も、火水のいきニコルのゆゑなり。枯たる木には、火水のニコルこと無きか故に、香(にほ)ひ有ること無也。如此、同しコマカと云
語(コトノ)はなれとも、上のコマカは数の多きこと、此コマカは香(にほ)ひのこと。差別替るやふなれとも、基本は皆(みな)水火の二凝(ニコルと云より外の法則なし。故に、同し一音に細かなり。又香(こま)か也と有る。実に奇々妙々たること也。天地自然の水火の與み離れより、其謂(いは)れをなすと思ふへし。
(山口志道「言霊秘書」p.454-455)


◎言霊❸❹
香(コマヤカ)と香(コマカ)。先に解か如く、こゝに、コマヤカコマカと、二つの法則は別義に非す。アヤに、の音加ふると加へさるとの違ひと知るへし。後選集に、蝉丸の歌、是このと、の音を加へたるは、只(ただ)語(ことば)を文(あや)にかさるのみ。別に、心得あるに非。唯(ただ)、語の文(あや)なすと、文(あや)なさゝるの違ひと知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.475)

籾

記事更新日:2026/07/20

トコロ(処と所)

◎言霊
トコロ)とは、與み凝りることにして、外へ移らす凝ること也。故に、文字を仮るにも、今の字と、御所なとのの字と、扱ひか違ふなり。の字は、方所連続して、あて所のこと。此当り、爰(ここ)の当り、と云ことになる。今此処と云。仮字の扱は、住む処と連続して外へ移らす、しかと定めたるときにつかふ語故に、今住処の字を仮り用ひて、処なりと有。これ凝りるの音の故に、此音に処なりと有。
(山口志道「言霊秘書」p.454)


◎言霊
所(トコロ)。の音は、火水の灵にして、水の動きて形をなすもの。其水中に火の與故也。其故に、今所なりとあるトコロとは、水火與み凝りることなり。しかるに、こゝに心得あり。同し水火の與み凝りるなれとも、の音の水火の凝りは、火、水中に與み凝りて動ざること。の音の火水の凝りと云は、胎内に凝りてあれとも、表に見へず。表は只(ただ)、昇水の灵にして、水の用(はたらき)ばかり。火は胎中に隠れて、水を宰る。同し火水の凝ることなれとも、の音は凝りて動かざる義より、処(トコロ)と云(いふ)法則出る故に、仮字するにも、住処の処字を借る。今、の音は、火、水中に凝れとも、火は見えす。水の用(はたらき)ばかりに故に、トコロと云(いふ)法則有て、方所の所の字を借る。当て所とする位(くらひ)の時は、火水の凝ると云より外なし。
(山口志道「言霊秘書」p.461)


◎言霊
所(トコロ)とは、與み褐むと云語にして、動かす、そこに止るを、トコロと云。今、此の音は、水中に火與みて、與み褐る故に、所(トコロ)也と有。上来、は、統(すべ)て水中の火灵にして、一より百千に及ふ父の灵なり。行は、昇水の灵にして、背(うし)ろを宰りて母の灵也。故に、育つの義をなす。上のの音に、育つ也と有。今、行は前を宰りて、父の灵なり。故に、一物のホチ)、種(タネ)を宰りて、百千の数をなす。是、父の灵なるか故に、梵語に父をタヽと云。皇国にては、父と云。又、ツヽと云。又、テヽと云。又、トヽと云。は、皆父の灵也。皆父の灵也。故に、一より百千に及ふの義をなす。天竺と皇国と共に、音の国なるゆへに、同し天地のうちなれは、自然と灵合有と知るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.504-505)


日本家屋


記事更新日:2026/09/01
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