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The Knowing Way Japan(旧Gary Bonnel Japan)認定インストラクター&プロフェッショナルアカシックリーダー中島志保のブログです

2024年01月

灵合の例(和漢)※たまあひ

【言霊と漢音(または呉音)の灵合】※唐音、明音、呉音、漢音

◎母(❷)p.387
 ・言灵:ハハにして、子宮にをさまるを、発(ラキ)開(ラク)こと。
 ・漢音:にして、産出すの義なり。
  ⇒物を産出すは母故に、ハハの字、漢音にて母()と云。是、灵合なり。 
   
◎発(❷)p.387
 ・言灵:ヒラク
 ・漢音:(発端:ッタン)
  ⇒の言霊、の言霊と灵合している。

★ここから

〇終(❾)p.394
 ・言灵:
 ・漢音:ュウ
  ⇒は水火の灵。は終也。

◎恵(❸)p.398
 ・言灵:メクム
 ・漢音:
  ⇒よく搦(からみ)回(めくり)睦(むつむ)こと。

◎回(❹)p.398
 ・言灵:カイ
 ・漢音:
  ⇒天地の胞衣が弥(いよいよ)搦(からみ)回(めくる)こと。
  ⇒自分が積んだ功徳を他者に分け与えることを回向(こう)という。

◎会(
 ・言灵:カイ
 ・漢音:
  ⇒恵や回と同じ?

◎覆(❻)p.399-400
 ・言灵:オホフ
 ・漢音:フク
  ⇒物の上へをおほへは、大きにふくる也。

◎浮(p.401)
 ・言灵:ウク
 ・漢音:フウ

◎非(p.404)
 ・言灵:アラスアラザル
 ・漢音:
  ⇒は正火の灵にして、真の火なるか故に、真の火は空躰にして、有にして無。

◎否(p.404)
 ・言灵:イナ
 ・漢音:
  ⇒真の火は、空躰のものなれとも、無也。又、無にして有也。有にして無也。

◎髪(p.413)
 ・言霊:カミ
 ・漢音:ハツ

◎栄(p.433)
 ・言霊:サカエ
 ・漢音:エイ

◎ニ(p.443)
 ・言霊:
 ・漢音:

◎流(p.444)
 ・言霊:ナカル
 ・漢音:、リュウ

◎理(p.451)
 ・言霊:コトハリオサメル、スジ
 ・漢音:

◎利(p.451)
 ・言霊:キク、スルドイ
 ・漢音:

◎香(p.454)
 ・言霊:コマカ・ニホヒ
 ・漢音:

◎小(p.455)
 ・言霊:チサキ・チイサキ
 ・漢音:
  ⇒個、子、弧、古、個、粉

◎家(p.478)
 ・言霊:イヘ
 ・漢音:
 
◎始(p.481, p.529)
 ・言霊:ハム(言霊
 ・漢音:

◎死(p.479, p.529)
 ・言霊:ハム(言霊
 ・漢音:

◎己(p.482)
 ・言霊:オノレ
 ・漢音:(一個を意味するコ)
  ⇒漢語で、人に構はす、我独りと僻執するを、一己()という。

◎生、死、始、終、己(p.482)
 ・言霊:
 ・漢音:
 ・漢字にも、始死至止、皆(みな)同じ称(とな)へにして、灵合をなす。
  ⇒皆(みな)同一に、水より水に入の 理(ことはり)と知るへし。

◎始死至止(p.483)
  ・言霊:シシシシ
  ⇒死は始(生)から終(死)に至り、そこで動きが止まる(止)。※荘子の言葉 

◎他(p.482)
 ・言霊:ホカ
 
・漢音:
 ・他…多くのものとして分かれたもの。
  ⇒タレから、レを省くと(他)になる。

◎進(p.486)
  ・言霊:スヽム
  ・漢音:
   ⇒言霊は昇水の灵であり、進むという意味。

◎細(p.489)
 ・言霊:コマカホソイ
 ・漢音:サイ
  ⇒言霊は昇水の灵であり、割別(サキワカルゝ)という意味。

◎大(p.491)
 ・言霊:オホイ
 ・漢音:

◎多大(p.491)
 ・言霊:オホイ
 ・漢音:

◎馬(p.509)
 ・言霊:ウマ
 ・漢音:

◎無(p.510)
 ・言霊:ナキ
 ・漢音:

◎本(p.529)
 ・言霊:モト
 ・漢音:
  ⇒の言霊と灵合している。

◎子・始・死(p.529)
 ・言霊:
 ・漢音:
 ・始めに終りを備へ、終りに始めを備へるの法則。
  ⇒生死同体の義(p.529)

◎砂
 ・言霊:スナ
 ・漢音:、シャ
  ⇒の言霊と灵合している。

◎至
 ・言霊:イタ(ル)
 ・漢音:

◎馬(p.509)
 ・言霊:
 ・漢音:


〈メモ〉
◎言霊秘書p.85


天地開闢


記事更新日:2026/09/16

水氣(右)と火垂(左)

人も亦(また)然り。胎中の胞衣に寒暖ありて、其寒暖の胞衣か首を手足の肢に出す。五躰のタ(肢)に、上下左右の差別出来る。此右は水の氣故に、胞衣の寒なる所より出る。左(ひだ)りは火の氣故に、胞衣の暖なる所より出る。右は水にして、昇るもの故つかひ易(やす)し。左は火にして、重く降る故につかひ難し。此道理を以(もて)、肢の前後、頭尾の上下、手足の左右、皆是(みなこれ)胞衣の寒暖より差別するなり。其差別はあれとも、皆一つのの胞衣の灵故に、五躰の肢を惣(すべ)てと云なり。
(山口志道「言霊秘書」p.396)

万物一滴の胞衣の、ふとりふとりて昇らんとするは、是ア行のウ也。一粒の籾より芽さして生するは、此浮昇るの※(図形)、水氣(右)のア行のウなり。又、後に降らんとするは、即ち渦巻降る、火垂(左)のワ行のウなり。
(山口志道「言霊秘書」p.401-402)







記事投稿日:2024/12/11

五十音と下知(げぢ)の法則

下知(げぢ)とは、上(かみ)より下(しも)へ下(くだす)語。五十音には軽い音と重い音があり、重い音を下にすることを下知(げぢ)といいます。下知(げぢ)という漢字の仮名は耳障りがあり聞きにくいため、令(れい)と言い換えることもできます。



(1)下知(ヨ❺)

下知也とは、下へ降す語也。惣(すべ)て、重き語は下にして、アカサタナの五行は、天の方に付て、音かろし。ハマヤラ迄の四行は、地に付て、音尤(もっとも)重し。其一行宛(づつ)の中にも、此第五の音は地を宰りて、ことに重し。故に、下知をなす。

アカサタナ の五行は、の方に付て、音かろし。
ハマヤラ 迄の四行は、に付て、音もっとも重し。
其一行宛(づつ)の中にも、此第五の音はを宰りて、ことに重し。

地 ◎◎◎◎◎ ◎◎◎◎◎ 天
◎ ヤマハ ナタサカア 
◎ リイミヒ ニチシキイ 
◎ ルユムフ ヌツスクウ 
◎ レエメヘ ネテセケエ 
地 モホ ノトソコオ 


モロの三言、共に同義をなして、下知を宰さとる。又、三言の中にも、中間にありて、尤(もっとも)すくるゝ。モロの二言も下知なれとも、俗言にして、雅言の哥にはよまれす。

ラヤマハ ナタサカア
リイミヒ ニチシキイ
ルユムフ ヌツスクウ
レエメヘ ネテセケエ
ホ ノトソコオ


哥によむ下知のことばは、ケセテ子ヘメレの七言に、此の音のみ也。

ラヤマハ ナタサカア
リイミヒ ニチシキイ
ルユムフ ヌツスクウ
メヘ 子テセケ
ホ ノトソコオ


故に、モロの三言、共に同義はなせとも、モロの二音には、下知の法則なし。今、の音にのみ、下知なりとあるを思ふて知へし。顕云。下知と漢字を仮るは、耳につきて聞にくし。顕は、也と書てもがとこそ思へ。



(2)下知(ナ❹)

下知(げぢ)とは、上(かみ)より下(しも)へ下(くだ)す語にして、至て重き語也。故に、ケセテネヘメレの七言、ヨモロの三言、是等は中()にありて、重くして地を宰る音の故に、下知をなす。此の音は、和らき並ひ、與み凝の音にして、年に合すれは七月、今日に合すれは七つ時にして、天に在乍(ありながら)地を呼ひて與むのとき也。故に、重くして下知をなす。

ラヤマハ タサカア
リイミヒ ニチシキイ
ルユムフ ヌツスクウ
メヘ ネテセケ
ロヨモホ トソコオ


しかれとも、ヨモロの三言の下知よりは、自ら軽しと可知。此一行の中にも、中言のネヌニの三言は、下知をなさす。上のの音と、下のの音と、此二言下知をなす。しかれとも、の音は軽くして、雅(みやひやか)にして、貴人の詞になる。しかるを、鄙に住める俗、こゝに、かしこにのと、一言にて下知をなす故に、詞拙(ことばつた)なし。故に、今此五十連の法則にも、の音にて、下知の法則なし。の音にのみ、下知をなすの法則あり。是、天にありて、能(よく)地を呼(よぶ)のの音にして、火水和らきの用(はたらき)の音なる故に、ヨモロ等の下知よりは、天に位するか故に、下知の心軽き也と知へし。



(3)下知(メ❿)
惣て、下知の音は、ケセテ子ヘメレの七音は、みな下知なり。是、ヱナの重き音より、つゝくゆゑと知るへし。古今集に、植し植(う)は秋無時や咲かさらん花こそ散ら根さへ。下の句の留に、カレメヤは、子メナの三言相通にして、枯無きやの心なれとも、上の花コソチラメは、下知の言也。一首の心は、植てさへ置なれは、秋にてなくとも咲てあろふ、たとへ秋になりても、よしや花こそちらと下知をなして、根さへ枯れやと、は文(あや)をなす言にして、いや、花は散るとも根は枯れぬと云哥也。凡(すべ)て、下知は、上より下へ回らすの音ゆゑに、哥を他に読むときは、惣て下知をなす。今、の音は、の中に有て、本(も)と渾沌の一物より天地と開けて、其天地又(また)渾沌のまとかをなす。顕れしより、又(また)本元降るの今のなる故に、惣(すべ)て上より下へ降すの義あり。其一行の中にても、の音は、天地の胞衣を宰りて、殊に回るの義をなすの音故に、一行のうちにも、別して此一音下知也と有。ケセテ子ヘメレの七音は、凡(すべ)て下知のことなれとも、勝れたるに法則(のり)を譲りて、此一音にのみ、下知也と云法則ありと知へし。

ワラヤマハ タサカア
井リイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
メヘ ネテセケ
ロヨモホ ノトソコオ


〔引用〕
◎言霊秘書p.436-437(ヨの言霊)
◎言霊秘書p.444-445(ナの言霊)
◎言霊秘書p.509-510(メの言霊)


鳳凰と龍



記事投稿日:2026/09/10

言灵返し(たまかえし)

五十連(イツラ)の十行は、天地の音なり。人間(ヒト)、此灵を動て、言(モノイフ)なり。水火(イキ)は天地に在て、音(コヱ)は人に在(あり)。故に己が口中に低(ヒキク)唱るといへとも、願(子キ)ことを天地の神明に通し、吾国に唱る仏経、天竺の音にあらされとも、仏心に通る。本(モト)、氣(イキ)と氣(イキ)の通るにして、声の通るにはあらす。人間(ヒト)の音(コヱ)は耳の外に在て消、神明の氣(イキ)は天地に在て消す。四海万国の人、言(モノイフ)こと異(コトナリ)といへとも、天より是を聞ときは、皆同一なり。故に天竺悉曇(テンチクノシツタン)、漢国の易(エキ)、皇国の水火の伝(イキノツタヘ)、各人(オノオノ)のイ(モノイフ)ことを、天地の神灵(ミタマ)に反(カヘシ)て、天心を得るの法則なり。
(言霊秘書p.29)

アメノトコタチ音につづめ、クニノトコタチ音につづめて観るといった仮名反之法則(カナカヘシノノリ)、一言一言の深義を略述した言霊一言之法則(コトタマ一言ノノリ)、また仮名反之法則を用いて、カスミの反なり、キリの反なり、クモリの反なり、ケフリの反なりとして、詞は別であっても反して霊の同一なるものは同義をなすとする霊合之法則など、五十連の法則は、総て此巻中に在。是を煉磨(れんま)するときは、耳に聞て仮名以(もて)てしるさるゝほとのこと、松吹風、岸によする波の音まても、其のことわり知れすといふことはあらしと本巻末に志道が記しているがごとくであって、神霊に依怙(えこ)なく、志道も人、我も人であって、小天地であり、宇宙の玄微を知れるか知れざるかは、ただ磨くと磨かざるかによるものである。
(言霊秘書p.590-591)



1.霊反(たまかえし)の原理
霊反(たまかえし)とは、一音の言霊(コトタマ)を開(ヒラク)ことで派生した詞を、もとの一音の言霊(コトタマ)に反(かえす)ことを意味します。

 (例)ムシ(虫)の反、ゆへに、開きてムシと云。p.406



2.靈反しの例(水穂伝重解誌一言法則:ホ~マ)
フクロ(反p.388
 ・袋…物を収め、物を出すをフクロと云。袋の物、不定也。(茶袋、米袋など)
  ⇒五十言の出入する故に、袋(フクロ)と云。

フクロ(反p.388
 ・梟…漢字の梟は象形文字である。

ハト(反p.388-389
 ・鳩

ホソ(反p.389 
 ・臍…
の在(ま)す所。一心の在(ま)す所。
 ・イキの元也。呼吸のイキ、此所より出る。
  ⇒出入の息の顕る所故に、臍()にの音あり。

ウテ(反p.396
 ・腕…腕(ウテ)と云は手()のことと極まる。
  ⇒すくれたるものに名を蒙(こうむ)らしめたるもの也。

◎アラザル(反p.405
 ・非…空躰にして、有かと云へは無し。非ず(アラス)。

ムシ(反p.406
 ・虫(ムシ)の返、ゆへに、開きてムシ(虫)と云。
 ・とは虫の惣名なり。

◎ノムシ(反p.406
 ・野虫(ノムシ)の反、ゆへに、開きてノミ(蚤)と云。 
 
◎シラムシ(反p.406
 ・白虫(シラムシ)の反、シラゆへに、開きてシラミ(虱)と云。 

ハヘムシ(反p.406

 ・這虫(ハヘムシ)の返、ゆへに、開きてヘミ(蛇)と云。  
  ⇒四段を一段へ上て、ハミと云。

ワラヤマ ナタサカア
井リイヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメ ネテセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ

ナヘシロ(反?)p.406
 ・苗代…ナハシロ
  ⇒四段を一段へ上てナハシロと云。

ワラヤマ タサカア
井リイミヒ ニチ
キイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメ ネテセケエ
ヨモホ ノトソコオ

ヒクレ(反p.409
 ・日暮

◎ア井(反p.409
 ・合

ヒクレ ヌア井(反ヘニp.409
 ・日暮れの合…空の水の、夕陽に暉きて赤きを、クレナ井と云。
 ・ヘニ⇒紅(ベニ)

◎カシラ(反p.413, p.132, p.593
 ・首・頭…水火の息昇り極る処。

アミタ(反p.420
 ・阿弥陀…阿(ア)の仏
 ・諸神諸仏も阿弥陀一躰の分身にして、恒沙の万徳、此御名にをさめたり。

ヌマ(反p.426
 ・沼…は和らくこと。水と土と和らく処の名也。
 ・沼は、土と水の差別(けぢめ)正しからす。
 ・練り和らくより、水と土との差別(けぢめ)正しからす。

◎シツマル(反p.439
 ・鎮…昇るものを、本(もと)へ押し下すこと。
  ⇒マル(延ばすこと)

シロ(反p.458
 ・白…は昇る水の灵の義にして、昇れは水は必(かならず)澄み、清きなり。
 ・の音は昇る水の故に、清して、白也の法則出る也。
  ⇒シロ(白)

ソコ(反p.458-459
 ・底…水中の火凝(コリ)て、火の垂るゝに順ふて、出る法則。

コメ(反p.463
 ・五穀…は五穀の灵。

スケ(反p.464-465
 ・助…異なるものか、一つに力(チカラ)を與み合すること。
  ⇒弱き者に強き者、力(チカラ)を與み合すること。

◎スメル(反p.468
 ・澄…は、水中の火灵。
 ・火は水の底に入りて、形を隠して、水斗(ばか)り昇りて、きよらかなる音。
  ⇒メルは、メルの反にして、(澄)

スグ(反p.468
 ・直…言行飾り無きを、直()と云。

カスミ(反p.470、p.367
 ・霞…スミ(反)=水火()凝()て霞(スミ)となる。

キリ(反p.470、p.367
 ・霧…(反)=水火()凝()て霧()となる。

クモリ(反)p.367
 ・曇…モリ(反)=水火()凝()て雲(モリ)となる。

メノトコタ(反p.471
 ・天之常立神 …天ノ常立の反なり。
 ・空中の水灵のイキ(天神=隠神)

ニノトコタ(反p.471
 ・国之常立神 …国ノ常立の反也。
 ・影の火の灵のイキ(地神=顕神)

◎カナラス(反p.475
 ・必…暉き暉く物を並ふ。

シロクロ(反
 ・黒…カ行のコ(凝)
 ・白…サ行のソ(初)

◎カクアル(反カル)p.478
 ・是有…クア反カにしてカヽル

サキ(反p.483
 ・幸…サキとは、本語サイハイなり。約めてサキと云。

イキ(反p.483
 ・息…天を回る日

ツヽキカサヌ(反p.485
 ・司…ツカサの語は、ツヽキカサヌを約たる語也。
 ・ツヽの反は、と用て省く。カサヌは、両(フ)のヌにして、司(つかさ)。

スヽム(反p.487
 ・進…澄()⇒澄昇ること。

タヽ(反p.492
 ・正…タヽの二音、灵と灵と合せたること。灵と灵と合して違はさるを、タヽと云。
  ⇒灵と灵の合ふをと云。

ツルキ(反p.494
カヽミ(反p.494
 ・ルキ(反)…剣の灵。宝剣、火の剣、男の魂、主上の徳を表す。
 ・カヽミ(反)…鏡の灵。神鏡、水の鏡、女の魂、皇后の徳を表す。
 ・チキ(契)…皇后の鏡の水の中へ、主上の火の剣(つる)き和すること。

トリ(反p.496
 ・鳥…鳥は一に百千幷(なら)ひ集るもの故に、の音に鳥の灵と有。
  ⇒は鳥の灵である。

ヒトツ(反p.496-497
 ・一…ヒト+ツ(助言)=ホツ(
  ⇒の音は、水中の火灵にして、一つの物の)の最初なり。

トシ(反p.497
 ・年…天地のいき與みて、水切(シキリ)をなすを年(トシ)と云。

ツキ(反p.497
 ・月…三十日を月という。其三十日を惣(そう)して、つゝめて月と云。

トキ(反p.497
 ・時…割別(サキワカ)れて息を與みて、昼夜十二時になる也。

トヽム(反ム)p.503
 ・止…水の中に火與み睦みて、玉をなして、更に変ことなく、永世尽ることなし。

トヽマル(反トヽp.503
 ・止…人のこゝに止マルマルの反)と云も、能(よく)睦みて動かさるを云。

(反p.504
 ・前…マヘの反にして、ミル也。見る方を前と云。
 ・然れとも、マヘの語は、ムカヒ搦むと云か本義也。

シロ(反p.504
 ・後…シロの反にして、後(ウシロ也。山に向ひ、又山を背にするの名也。
 ・又、山城(ヤマシロ)の名あり。

マカ(反p.518
 ・曲…間(アヒタ)に一重搦みて、間(アヒタ)か合(アハサ)らさるやうになること。



3.靈反しの例(水穂伝その他)

ウウル(反p.110
 ・植
  ⇒弥生に生たる苗を植(ウウル)月と云義なり。卯は仮字。

ウタ(反p.246
 ・歌…は五十連(イツラ)の総名なり。

タテ(反p.248
 ・縦…辞(テニヲハ)の説明より。

ヌキ(反p.247
 ・緯…辞(テニヲハ)の説明より。

オキ(反p.363
 ・隠伎…はイキ(息・氣)也。
  ⇒隠伎三子島

フト マニ(反 p.378

マニ(反p.378
 ・布斗麻邇…は正火の火の灵、は火中の水の灵也。
  ⇒火水の形を顕はすの御灵なることを顕はすの御名。


クニ(反 p.380
 ・国…クニ(反
 ・は影の火の灵にして、火を産玉へりと云こと也。

ナリ(反 p.384
 ・出入の息の二つならぶ。

タハム(反
 ・戯れる
 ・タハムの三言を反すとにして、たはむれて人を迷はすの名になる。
  ⇒イナリ(稲荷)とキツネ

スナ(反p.367
 ・砂…和漢灵合


天地開闢



記事投稿日:2026/09/01

言灵の躰と用

◎天地の間に眼に見えざるの火水(ヒミツ)あり。是を火水(カミ)といふ。水火(イキ)ともいふ。神(カミ)と唱(トナフ)るは(タイ )にして、水火(イキ)と唱るは(ヨウ)なり。故に、陰陽(イキ)と陰陽(イキ)と與(クミ)て万物を産(ウム)なり。
(山口志道「言霊秘書」p.8)


◎人間(ヒト)の胎内(タイナイ)に火水(ヒミツ)あり。是を灵水火(タマシヒ)といふ。氣(イキ)ともいふ。魂(タマシヒ)と唱るはにして、息(イキ)と唱るはなり。故に、息と息と與(クミ)て言(モノイヒ)、氣(イキ)と氣(イキ)と與(クミ)て人を産むなり。
(山口志道「言霊秘書」p.8-9)


◎実(マコト)の火は象(カタチ)なし。是を火の(タイ)といふ。象を見する時は火中に水有。故に燃(モユル)。是を火の活用(ハタラキ)といふ。実の水は象なし。是を水のといふ。象を見する時は水中に火有。故に流(ナガル)。是を火の活用といふ。
(山口志道「言霊秘書」p.9)


◎火はにして水を動かす。水はにして火に動かさる。火は動かずして音(こゑ)なし。水は動きて音(こゑ)をなす。総て動かざるものは火にして、動くものは水なり。故に水に名をなすというも、動かざるときは火なり。火に名をなすというも、動くときは水なり。譬(タトヘ)ていはゞ、水氣(ミキ)は水の名なり。火垂(ヒタリ)は火の名なり。然といへとも、右の手をもて左を打ときは、右の水は火となり、左の火は水となりて音(オト)をなす。亦云、木は水なり。鐘(カ子)は火なり。木をもて鐘を打ときは、鐘(カ子)は水となりて音(オト)をなし、鐘をもて木を打つときは、木は本の水となりて音(オト)をなす。火水躰用(ヒミツタイヨウ)は活物(クワツブツ)にして相対して動。天地の水火(イキ)回(めぐる)ことかくのことし。
(山口志道「言霊秘書」p.9)


◎天地の水火(イキ)に躰用(タイヨウ)あり。躰より現たる氣(イキ)の日月は天に伝て彊(カキリ)なく、用(ヨウ)より現たる陰陽(イキ)の万物をなしたるは限あり。
(言霊秘書p.119)


◎神代の学ひの法
と称する布斗麻邇の御灵、幷(
ならびに)稲荷の古伝と称するもの、如何なる物そと申すに、先(まづ)初めに布斗麻邇の御灵のを弁し、次に稲荷の古伝を弁すへし。初めに、其(その)布斗麻邇の御灵のを弁し、後に御名を弁すへし。先(まづ)、此布斗麻邇の御灵は、天地自然の神にして、自邇(ジニ)なる神の教へなる事を説。さて、其と云は、目に見えさるの水火を神(火水)と云、目に見ゆるの火水を、是をヒミヅとも、ヒトとも号(なづ)くる也。其(その)目に見えさるのを、目に見せしむるの教えは、此御灵の形也。一円形にして、八に割(さき)わかれて、一けた毎に五十言の五字一行を書て合するときは、一円の灵となり、開くときは大八嶋の形となる。是を、と号(なづく)る。是、一円形の御灵、ヒフミヨイムナと七度開合変化して、是竟(つひ)に大八嶋の形となる所か、天地万物発り、終りを顕はすか、此五十音の根元と。是則、御灵のと略して、この御灵のと知。
(山口志道「言霊秘書」p.375)


◎天地の父母、交合して、粟稗等のの火をなす。其と云。何故にと云なれは、天地の父母、水と水と與てをなす故に、そのの種(たね)を実(ホチ)、と云。五穀は皆、実()也。と凝ると云よりは、にして真(まこと)のと云。是は、より云こと。今、より云(いひ)て、水は水と與て種(たね)の形をなすと云ときは、は水にしてミと云。如此、躰用の法則より、語は付けたるものなり。
(山口志道「言霊秘書」p.407)


◎父母の水と水と與み與みて、其凝はの火に動かさるゝ故に、火中の水灵とある火も、焚るときは鼎(かなえ)の中の水の回るか如く、惣(すべ)てこのの音は真の水にあらす。水の用なり。真の火の為に動されて、水用(はたらき)なして、月()となり、虫()となり、五穀()となる。火の為に鼎(かなえ)の水の形をなして回るか故に、の音に渦巻なりとあり。
(山口志道「言霊秘書」p.407-408)



【言灵の躰と用】

◎母(❷)p.387
 ・言灵:ハハにして、子宮にをさまるを、発(ラキ)開(ラク)こと。
 ・漢音:にして、産出すの義なり。
  ⇒物を産出すは母故に、ハハの字、漢音にて母()と云。是、灵合なり。 

★ここから

◎ミ(p.407)
 ・実…天地の父母(火水)が交合し、(ホチ)が実(ミ)となる。(五穀)
  ⇒ホチ()は、躰では火(ヒ)、用では水(ミ)となる。

◎命(p.409)
 ・命…息のイは命のイ。
  ⇒命が躰、息が用。


天地開闢



記事投稿日:2026/09/16

水火伝 水之巻二

p.131
〇解
息(イキ)は神の御灵(ミタマ)なり。言(モノイフ)は吾なり。故に、吾(ワカ)詞を天(アメ)の御灵に反(カヘシ)て、詞に教(ヲシヘ)有(ある)ことを知なり。茲(ここ)に解所(トクトコロ)は、御灵に占相(ウラヘ)て雅俗(ガゾク)を撰(エラ)はす。朔日二日及西東のことまてもいふは、其日数のこと、方角(ハウカク)のことを云には非(あらず)。イタチツカと云音(コヱ)に、教有(アル)ことをいふなり。総て、巻中にいはすしても知るゝことやらの事まても解分(トキワクル)といふは、文字を離(ハナレ)て仮名(カナ)に教有ことを専(モハラ)とするの故なり。日数方角等のことは、人として知らさるはなし。是を通俗(ツウソク)といふ。仮名もて詞の原(モト)を知る、是を学者(モノシリ)といふ。後世は雅俗混雑(ガソクコンサツ)にして、既に学者(モノシリ)といはるゝ人まても、日数のみ知(しり)、方角のみを知り、譬(タトヘ)は月を見て月とのみ知、雪を見て雪とのみ覚(おぼゆ)。是にても事は足(たる)と心得、吾既に俗なることを知らす。仮名は何の為に正す。詞の原(モト)を知るの為なり。今の人は何(ナン)の為(タメ)に正(タタス)といふ訣(ワケ)も知らす、只(ただ)古書を穿鑿(センサク)して、違(タカハ)さるをよしとするのみ。故に、家国を治(をさむる)の教は、遠(トホキ)漢国(カラクニ)の書籍(フミ)にのみ有と覚て、近(チカク)吾言音(モノイフコヱ)に教有ことを知らす。吾竊(ヒソカ)に思。今の国学といふものは俗学にして、只徒(イタツラ)に弄(モテアソフ)ことのみにて、家国の治の用をなさす。𪫧憐神国の大道、人に絶たり。上(アカレルヨ)の神の御心と、下代(タタレルヨ)の人間(ヒト)の心と、其位を隔(ヘタツ)の故なるへし。吾茲(ここ)に詞を詳(ツマヒラカニ)す。若(モン)百に一も法則(ノリ)に違(タカフ)ことあらは、未(マタ)花に一輪の莟(ツホミ)ありと免されを蒙らむ。

※ここから




山口志道


記事更新日:2026/02/28

水穂伝重解誌一言法則(ホ~マ)

巻き物

水穂伝言灵(コトタマ)一言之法則(ノリ)


此一言の法則(のり)は天地自然の氣(イキ)なり。人間の詞を此一言の灵に反て言(コト)の心を知るなり。


(九)
 ❶正火の灵
 ❷母(ハハ)
 ❸火浮(ホノメク) 
 ❹尖(トカル)
 ◎天地万物ノ初
 ❺矛(ホコ)
 ❻陰門、隠門(ホト)
 ❼袋(フクロ)
 ❽(ホチ、ホシ)
 ❾臍(ホソ)
 ◎日の灵


(四)※ア行のオ
 ❶起(オコル)
 ❷貴(タフトキ)
 ❸高(タカキ)
 ❹於(ウヘ)

(十)※ワ行のヲ
 ❶終(ヲハル)
 ❷折(ヲル)
 ❸居(ヲル)
 ❹小(チイサキ)
 ❺少(スクナキ)
 ❻苧(ヲ)
 ❼低(タルル)
 ❽縦(タテ)※稲荷古伝(p.12)
 ❾賤(マスシキ・イヤシキ)
 ❿男(ヲトコ)

(四)
 ❶隔(ヘタツ)
 ❷経(ヘル)
 ❸脹(フクルル)
 ❹緯(ヌキ)
 
(三)※ア行のエ
 ❶天地の胞衣(エナ)
 ❷肢(エタ)
 ❸枝(エ)

(四)※ワ行のヲ
 ❶搦(カラム)
 ❷胞衣(エナ)
 ❸恵(メクム)
 ❹回(メクル)

(六)
 ❶火水の両(フタツ)を宰(ツカサトル)
 ❷経(ヘル・フル)
 ❸含(フクム)
 ❹太(フトル)
 ❺吹(フク)
 ❻覆(オホフ)

(四)※ア行
 ❶浮昇(ウキノホル・ウカミノホル)
 ❷動(ウコク)
 ❸生(ウマル)
 ❹暗(クラキ)

(五)※ワ行
 ❶渦巻の水
 ❷動(ウコク)
 ❸沈(シツム)
 ❹暗(クラキ)
 ❺黒(クロキ)※カ行で解く

(八)
 ❶天を回る火
 ❷日(ヒ)
 ❸出入息の本
 ◎穴
 ❹空
 ❺米(コメ)
 ❻非(アラス)
 ❼否(イナ)
 ❽氷(コホリ)

(八)
 ❶潤水
 ❷正中を宰(ツカサトル)
 ❸月の灵
 ❹貴
 ❺虫
 ❻五穀
 ❼渦巻(ウツマク)
 ❽暗(クラキ)

(二)※ア行
 ❶出息
 ❷命(イノチ)

(五)※ワ行
 ❶蒼空(アヲソラ)
 ❷潮水(シホミツ)
 ❸引汐
 ❹天地万物を搦て備たる井(シホミツ)の灵
 ❺居

(十一)
 ❶地の方(ケタ)を宰(ツカサトル)
 ❷端(ハシ)
 ❸角(スミ)
 ❹実(サネ)
 ❺初(ハシメ)
 ❻発(ヒラク)
 ❼出入息の水火(イキ)の両(フタツ)を宰(ツカサトル)もの。
 ❽土(ツチ)
 ❾髪
 ❿広
 ⓫ワに唱るときは、〇(ワ)の心をなす

(七)
 ❶無にして有
 ❷五十連(イツラ)の総名
 ❸天(アメ)
 ❹海(アマ)
 ❺吾(ア)
 ❻自然(オノツカラ)
 ❼〇

(四)
 ❶国土
 ❷水火水(シホミツ)
 ❸水の〇(ワ)をなす
 ❹万物の形を宰(ツカサトル)

(七)
 ❶文(アヤ)
 ❷和(ヤハラク)
 ❸沼(ヌマ)
 ❹家(ヤ)
 ❺否(イナヤ)
 ❻水火(イキ)の両(フタツ)を宰(ツカサトル)
 ❼反(ウラハラ)

(二)※ヤ行
 ❶入息
 ❷命(イノチ)

(三)
 ❶寛(ユルヤカ)
 ❷火水の和
 ❸流水
 ◎従(ヨリ)の通音
 ◎爾(ニ)の通音

(五)
 ❶溜水
 ❷夜の胞衣(エナ)
 ❸眠の胞衣(エナ)
 ❹栄(サカエ)
 ❺枝(エ)

(五)
 ❶與(クム・ト)
 ❷女男の契(チキリ)
 ❸淀(ヨトム)
 ❹齢(ヨハイ・ヨハヒ)
 ❺下知(げぢ)

(六)
 ❶回水(メクルミズ)
 ❷如(コトク)
 ❸差別を宰(ツカサトル)
 ❹切
 ❺割別(サキワカル)
 ❻〇

(四)
 ❶水火(イキ)の根
 ❷母の灵
 ❸土(ツチ)
 ❹鎮(シツム)

(七)
 ❶黒(クロ)
 ❷暗
 ❸終
 ❹潤(ウルオフ)
 ❺緯(ヌキ)
 ❻出入息の間(正中)に位す
 ❼〇

(六)
 ❶天地
 ❷日月
 ❸水火(イキ)の凝
 ❹丹(アカキ)
 ❺非(アラズ・アラス)
 ❻従(ヨリ

(十五)
 ❶和(ヤハラキ)
 ❷女(ヲミナ)
 ❸流(ナカル)
 ❹下知
 ❺正中(マナカ)の灵
 ❻凝(コル)
 ❼雙(双)
 ❽頭(カシラ)
 ❾無(ナキ)
 ❿生(ナル)
 ⓫鳴(ナク)
 ⓬汝(ナンチ)
 ⓭柔(ナコキ)
 ⓮過去、現在、未来にわたる灵
 ⓯納(イルル)

(三)
 ❶降
 ❷涎(ヨタレ)
 ❸唾(ツハ)

(五)
 ❶息息(イイ)の両(フタツ)
 ❷人
 ❸割別(サキワクル)
 ❹涎(ヨタレ)
 ❺唾(ツハ)

(二)
 ❶涎(ヨタレ)
 ❷唾(ツハ)

(二)
 ❶涎(ヨタレ)
 ❷唾(ツハ)

(一)
 ❶大濁の

(九)
 ❶男(ヲトコ)
 ❷女(ヲナコ)
 ❸凝(コリ)
 ❹器(ウツハ)
 ❺囲(カコム)
 ❻処(トコロ)
 ❼細(コマカ)
 ❽香(コマカ)
 ❾小(チサキ)

(十五)
 ❶形の無なり
 ❷遅(オソシ)
 ❸揃(ソロフ)
 ❹塩(シホ)
 ❺白(シロキ)
 ❻底(ソコ)
 ❼背(ウシロ)
 ❽初(ソモ)・始(ソモ)
 ❾山(ヤマ)
 ❿磯(イソ)
 ⓫所(ソ)

(七)
 ❶異(コトナル)
 ❷差別(ケチメ、ケヂメ)
 ❸正(タタシ)
 ❹香(コマカ)
 ❺器(ウツハ)
 ❻五穀(コメ)
 ❼家(イヘ)

(六)
 ❶與(クム)
 ❷助(スケ)
 ❸瀬(セ)
 ❹背(ウシロ)
 ❺為(スル、ナス)
 ❻甲(ヨロヒ)

(六)
 ❶氣の降(イキノクタル)
 ❷與(クム)
 ❸土(ツチ)
 ❹黒(クロ)※カ行で解く
 ❺香(コマカ)
 ❻濁(ニコリ)

(十)
 ❶澄(スメル、スム)
 ❷洲(ス)
 ❸直(スグ)
 ❹鳥の灵
 ❺穴(ヒを参照)
 ❻差別
 ❼黒(クロ)※カ行で解く
 ❽文(カサリ)なき
 ❾ス一
 ❿住

(九)
 ❶氣(イキ)
 ❷正中(マナカ)
 ❸限(カキリ)
 ❹生(ウマルゝ)
 ❺草(クサ)
 ❻貴(キ)
 ❼来(キタル)
 ❽香(コマカ)
 ❾土(ツチ)

(十九)
 ❶影(カゲ)
 ❷別(ワカツ)
 ❸香(コマヤカ)
 ❹香(コマカ)
 ❺必(カナラス)
 ❻黒(クロキ)
 ❼暗(クラキ)
 ❽大(オホヒ)
 ❾上(カミ)
 ❿数(カス)
 ⓫疑(ウタカヒ)
 ⓬高(タカヒ)
 ⓭限(カキル)
 ⓮如是(かくのごとく?)
 ⓯陽の昇
 ⓰家(カ)
 ⓱草
 ⓲是有(カクアル)
 ⓳搦(カラム)

(十三)
 ❶始(シ)
 ❷終(シ)
 ❸死(シ)
 ❹己(オノレ)
 ❺幸(サキ)
 ❻司(ツカサ)
 ❼育(ソタツ)
 ❽石(イシ)
 ❾出水
 ❿印(シルシ)
 ⓫進(ススム)
 ⓬繁(シケル)
 ⓭為限(シキル)

(八)
 ❶割別(サキワクル)
 ❷細(コマヤカ)
 ❸小(チイサキ)
 ❹少(スクナキ)
 ❺短(ミシカキ)
 ❻誘(サソフ))
 ❼放(ハナツ)
 ❽去(サル)

(九)
 ❶灵(タマ)
 ❷種(タネ)
 ❸大(オホイ)
 ❹多(オホイ)
 ❺連(ツラナル)
 ❻胎(タイ)
 ❼縦(タテ)
 ❽溜水(タマリ)
 ❾正(タタシ)

(十三)
 ❶胎内の火灵
 ❷血(チ)
 ❸地中の火
 ❹草(クサ)
 ❺剣(ツルキ)
 ❻風(カセ)
 ❼父の灵
 ❽息の本
 ❾五穀
 ❿鳥の灵
 ⓫一(ヒトツ)
 ⓬年月日時の灵
 ⓭隔限(隔て限る)

(五)
 ❶渦巻(ウツマク)
 ❷列(ツラナル)
 ❸続(ツヽク)
 ❹積(ツム)
 ❺約(ツヽム)

(六)
 ❶右左
 ❷掌(タナココロ)
 ❸風(カセ)
 ❹人(ヒト)
 ❺発(オコル)
 ❻児の灵

(十二)
 ❶男(ヲトコ)
 ❷轟(トヽロク)
 ❸解(トクル)
 ❹飛(トフ)
 ❺基(モト)
 ❻人(ヒト)
 ❼與(クム)
 ❽止(トヽム)
 ❾昇(ノホル)
 ❿速(ハヤキ)
 ⓫前(マヘ)
 ⓬所(トコロ)

(七)
 ❶潤水(ウルホフ水)
 ❷舫(モヤフ)
 ❸(カタマリ)
 ❹亦(マタ)
 ❺者(モノ)
 ❻累(カサヌル)
 ❼與(クム)

(十)
 ❶潤水※ヌの音にあり
 ❷回(メクル)
 ❸芽(メ)
 ❹正中(マナカ)を宰
 ❺女(ヲミナ)
 ❻米(コメ)
 ❼海草
 ❽馬(ウマ)
 ❾群(ムラカル))
 ❿下知(げぢ)

(九)
 ❶潤水※ヌの音にあり
 ❷無(ナキ・ム)
 ❸空(ムナシ)
 ❹息の終
 ❺暗(クラキ)
 ❻結(ムスフ)
 ❼睦(ムツム)
 ❽渦巻
 ❾黒(クロキ)

(十四)
 ❶潤水
 ❷向(ムカフ)
 ❸眼(マナコ)
 ❹回(メクル)
 ❺間(マ)
 ❻曲(マカル)
 ❼大(オホヒ)
 ❽広(ヒロシ)
 ❾円(マトカ)
 ❿甚(ハナハタシ)
 ⓫狗(コマイヌ)
 ⓬多(オホキ)
 ⓭女
 ⓮男

--------------------------------------
【漢字】
(ホチ)


◎灵(タマ)
◎渾(コン)…渾沌
暉(カカヤク)隔たる
◎與(クム)=組、与p.434
◎脹(フクルル)
◎搦(カラム)=絡
◎玆(ココニ)
◎随(シタガフ)
◎夫(ソレ)
◎暈(カサ)=太陽や月の周りに現れる光輪
◎舫(モヤフ)=二隻の船を繋ぎ留めること…
◎尤(もっとも)
◎茲(ここ)
(かたまる?)解説ページロ(モ)
◎尤(もっとも)
◎爰(ここ)
◎偖(さて)
◎委(くはしく)
◎竟(つひ)


天地開闢


記事更新日:2026/04/25

水穂伝重解誌一言法則(まえがき)

22110048

p.373
元来、吾国には書(フミ)なく、文字なく、唯(ただ)言灵の外に教へなく、五列十行の形仮名は、即(すなはち)神代の御書(みふみ)にして、天地及万物の発り終りを知に、一として足さる事なし。然(しか)るに、人皇十六代応神天皇八丁酉(398年?)、百済(クタラ)より来朝して多くの漢書(カラフミ)を奉つる。それより、漢国の学ひ代々行はれて、神代の古言既(すでに)亡ひんとす。故、人皇四十代天武天皇、此事を深く憂ひ給ひ、稗田の阿礼に勅有て(阿礼二十八時也)、神代の古言を大御口から仰置(おほせおか)せらるゝ。人皇四十三代元明天皇の御宇に至りて、和銅四年辛亥(711年?)、太(フト)の朝臣安麿(おおのやすまろ)に勅命ありて、阿礼学ひたる御伝へを書(フミ)にしるさせ(時に阿礼六十六歳)、是を古事記と号(なづ)くる。皇国の道を此書に残し置玉へとも、下れる御代となりて、文字に驚かされて、言灵の学ひは自(おのづから)をろそかに成ぬ。寛弘(1004年~1012年)長和(1012年~1017年)の頃まては、世々行はるゝ。それより後に至りては、唯(ただ)言灵の名のみ有て、其法則を知者(しるもの)もなく、浪華津(なにわづ)の契仲(けいちゅう)巳来、国学者と称する者、打続きて五、六輩あれとも、唯(ただ)俗学に流れて、広く書を見、徒(いたづら)に識を労して、尚(なほ)言灵の法則を知す。

p.374

故に、此事を以(もて)、彼の言に見合せ、唯(ただ)押計りて解事(とくこと)とはなりぬ。依(より)て、万葉古今及ひ諸(もろもろ)の古き撰集に、猥(みだり)に註を加ふれとも、依所(よりどころ)ある事は解(トキ)、拠(ヨリトコロ)なき事は説こと不能(あたはず)。故に、是は古言に無(なき)の、或は中古書写の訛りと、己か則を知す、智の及はさる所を忘れて、猥(みだり)に古人の詞をさつする事とはなりぬ。彼(かの)長水か言(いへ)る、と思へるか如し。是、人の咎にあらす。全く言灵の法則の廃れたる故也。豈(あに)、悲しまさるへけんや。しかるに、時至る哉、此に安房国杉菴志道、其家に古くより伝はれる、布斗麻邇(フトマニ)の御灵と云神宝有て、古事記神代巻に是を照し、布斗麻邇の灵は天地の水火(イキ)の御伝にして、形仮名は神の御名より顕はるゝ事を悟り、つらつら古今の言(コト)を集め、天地万(アメツチよろづ)の物に対するに、彼に会(あひ)、此に合(あは)すと云ことなし。

布斗麻邇の御灵


三十年余り年を経て、いよいよ布斗麻邇の御灵は、神宝なることを得たり。

時に、下総国古河の産、荷田の訓之と云(いふ)者、文化十二年(1815年)十月の末、不図(ふと)志道の家を尋ねて、稲荷の古伝てふもの、是神宝なりとて、志道に授けたり。遂に、訓之越後に下りて、其住所を不知なりぬ。

稲荷古伝


後、天保二年(1831年)、志道 都に登り、水火(イキ)の御伝を弘むるに、忝(かたじけな)くも天聴に達し、叡感にあつかり、同く天保七年(1836年)二月二日、御階(ミハシ)の紅梅の枝を下し給はり、幷(ならびに)勅印に神代の学ひと云て、天覧之地聴之の刻みそへて、勅許に預かられたり。

p.375
今、水穂巻第一に是を押て、世人知所也。前代未聞の事にして、雲上地下迄、あはれかけまくも神代の古に帰れりと。風に草木の如く、豈(あに)奇ならすや。さて、神代の学ひの法と称する布斗麻邇の御灵、幷(ならびに)稲荷の古伝と称するもの、如何なる物そと申すに、先(まづ)初めに布斗麻邇の御灵の躰、相、用を弁し、次に稲荷の古伝を弁すへし。



1.布斗麻邇の御灵(躰、用、相)

初めに、其(その)布斗麻邇の御灵を弁し、後に御名を弁すへし。先(まづ)、此布斗麻邇の御灵は、天地自然の神にして、自邇(ジニ)なる神の教へなる事を説。さて、其と云は、目に見えさるの水火を神(火水)と云、目に見ゆるの火水を、是をヒミヅとも、ヒトとも号(なづ)くる也。其(その)目に見えさるのを、目に見せしむるの教えは、此御灵の形也。一円形にして、八に割(さき)わかれて、一けた毎に五十言の五字一行を書て合するときは、一円の灵となり、開くときは大八嶋の形となる。是を、と号(なづく)る。然るに、今此御灵の神宝をは、何れの処にか鎮坐し玉ふや。答て云く。丹波国桑田郡上佐伯村、御灵大明神是(これ)也。年々七月十四日、神事にして、禁裡御所より御献燈これあり。

p.376
又、下佐伯村に稗田八幡宮有(あり)。是は、彼(かの)古事記を書故を以(もて)、阿礼か灵を此(ここ)に祭り玉ふ。其外、大阪生玉明神、是等(これら)はいまた志道の拝せさる処也。次に、名を解(とか)は、先(まづ)布斗麻邇の名の出る所は、古事記神代巻に一、二ヶ所あり。初めに、イサナキ、イサナミの二柱の神、みとのまくはいし玉ふ所に、天つ神に申し玉ひて、布斗麻邇の御灵に占(ウラ)へての玉ふと云事有。又、押穂耳(ヲシホニ)の尊、此国に下り玉ふ時、諸(もろもろ)の神の臣達添て降らるゝ時、天津小屋根の尊は神業の元(モト)を能(よく)しれりとて、布斗麻邇の占(ウラヘ)ことを以(もて)、つかへて降り玉ふとあり。今一ヶ所、中巻三十九右、伊久米伊理毘古(イクメイリヒコ)、伊佐知(イサチ)の命、沙本毘売(サホヒメ)の命、娶合(ミアヒ)有て、王本牟知和氣(ミコホムチワケ)の命を産。是(この)御子、八拳鬚(ヤツカヒケ)心前(むなさき)に至るまで、真事(まこと)とはす。かれ、ここに高行(たかゆく)鵠(カサヽキ)の言をきゝ、初めてあきとひし玉ふへき。其鳥もちて奉りき。其鳥を見玉へは、ものいはんとおもほして、おもほすか如くいひ玉ふことなかりき。こゝに、すめらかみと憂ひ玉ひて、み子(ね)ませるとき、夢にさとしたまはり、あかみやをおふきみのみあらかのこと作り玉はゝ、みこ必(かならず)まこととはん。こゝに、すめらかみと憂ひ玉ひて、み子(ね)ませるとき、夢にさとしたまはり、あかみやをおふきみのみあらかのこと作り玉はゝ、みこ必(かならず)まこととはん。かくさとし玉ふとき、ふとまにの御灵にうらへて、うつけかみのみこゝろそともとむるに、そのたゝりは、いつものおほかみのみこゝろなりき、等とあり。しかれは、天津児屋根の命とは、布斗麻邇の占(ウラ)へことを宰とる役をもて、藤原氏の祖にして、水火の伝への御先祖なり。

p.377
然れは、布斗麻邇の御灵は、万物のおこりをはりの神業を知の御灵なること明也。水火は即、天地の躰のいき也。万物の主のいきなり。天地のいき順還する時は、国土安穏也。呼吸の息順還するときは、其人病なし。其息の動くに随ふて、自然に音を発す。是即、五列十行の五十言也。五十言と差別(ケチメ)するは、いき開合する故也。今、此布斗麻邇の御灵は、いき開合の根元を知(しる)の神宝ゆへに、此御灵を以(もて)推量るときは、儒仏はさら也、天地の間に教ふへき道に響かさる事なし。文字(フミ)なき時の教へなれは、更に文字に依(よら)ねとも、天より是を見る如く、地より是を聞如く、彼に闇(くら)く、是に明なりと云(いふ)差別(ケチメ)なし。是、人の教にあらす。人の業にあらす。神業にして、神の学ひなる故也。彼(カレ)に明なれとも、是に闇しと云は、文字(フミ)に依(よら)されは知す、依所(よりどころ)なけれは明ならすと。是と彼とを見合せて、押量るものは、人の業、人の学ひたる故也。今、仰いて以(もて)みれは、布斗麻邇の占(ウラ)へことは、久堅の天にしては、イサナキ、イサナミの御代に始まり、あらかねの地にしては、天津児屋根の尊、是を宰とる。然るに、人の代なりては、布斗麻邇の御名を知人(しるひと)も稀(まれ)也しか、此度杉菴志道、御灵の理(ことはり)を悟りて、万物の理を尽す故に、神代の学ひと云(いふ)を学へり。

p.378

右を勅許ありしも、宜(むべ)なるかな。時に、御灵の名義は、布斗麻邇のは吹くこと。は與むこと。はまとかのこと。は水火の二つのこと。右の心は、火ふきて、水にくみて、まとかにいきこると云御名也。水火陰陽與合(クミアヒ)しを、教ふるの御名也。又、フトの反マニの反は正火の火の灵にして、は水中の水の灵也。即、火水の形を顕はすの御灵なる事を顕すの御名也。又、布斗麻邇の御名を、数(カス)の御伝へに会するとき、ヒフミヨイムナの七言、是(これ)自(おのづから)数(カス)の御灵と、其理(ことはり)自然と契当する也。先(まづ)ヒフミヨ。是は御灵ては、布斗(フト)の事也。イムナとは、御灵てはマニの事。それは如何と云に、ヒフミヨとは、は火也。は吹こと也。は水也。は與事。是、火を吹て水に與(クム)と云こと。員(カス)の御灵ては、ヒフミヨと云教へ也。イムナと云は、イキのこと。ムツムこと。は幷(なら)ふことにして、即(すなはち)火吹て、水に與(クミ)、いきむつみならぶと云ことなれは、即布斗麻邇(フトマニ)の御灵の四言の御名を、七言に開きたる也。同く、いきの離合(クミハナレ)を教ふる御名也。御灵と数の御伝へとは、唯(ただ)開合の異なるのみ。先(まづ)、一粒の籾(モミ)、自(オノツカラ)春になると籾の胎内に火ふき、ふくれて夏になり、苗代に蒔て水に浸すか、是(これ)火水與(クム)所也。

p.379
是、與(クム)の始め也。又、員(かす)の御伝ては、ヒフミヨの四言に当る月に配しては、正月より四月なり。それより、正しく随かひて、地に與(クム)か水火(イキ)のむつむ所也。員の御伝ては、五六(イム)に当る。月に当れは、五月、六月に当る。それより、弥(いよいよ)いきむつみて花開(サキ)幷(ナラ)ふか、員の御伝へては七()に当たる。月に配すれば七月に当る。七月は、一切の万物始めて実を結ひ始むる時也。二つのいき、始めて一つのホチ)の中に入なり。故に、七月七日に星合する。是(これ)、空に星と云者(いふもの)別に有て、相逢と云事には非す。ホシと云ことを解は、は正火の灵。は昇水の水の灵也。六月まては、陽の火盛りにして、七月に至り、始めて陰の水氣に與(クミ)凝(こ)りて、土一つになるをホシ(星)と云。又、七夕(タナハタ)と云は灵也。は幷ふ也。は火水(イキ)の二つのこと。は列なること。二つの火水(イキ)の灵、幷ひつらなると云詞(ことば)にして、水火(イキ)の二つに與(クミ)て、竟にホチ)になる所をと云。幷ふと云こと、水は女、火は男、一夜の契(ちぎ)り也。終りた所に寄(よせ)て、設けた祭也。実は形なきを、形ある物に寄て設けて祭る也。自然のホチ)より天地開け、天地和合して、万物を生する理を顕はして、即(すなはち)天地を祭る也。人は小天地なり。小を以(もて)大を知(しら)しむる祭りにして、必しも私に祭るとは惑ふへからす。又(また)生れての後(のち)七夜を祝ひ、又(また)七歳を祝ひ、正月の七日七草、七月の七日は秋の七夕也。其(その)春の七草の言を解は、は與(クム)こと、は少なき也。

p.380

万物のイキ(火水)、與(クミ)そめの兆しを祝(イワフ)の名也。七夕は、既(すでに)とく。知へし。如此(かのごとく)名をなして、万物のみのりの数は、七つの数に極まる也。故に、七草はイキの與(クミ)そめ也。七つの数を以(もて)與(クミ)そめ、與(クミ)終りを顕はすゆへ、今此(この)布斗麻邇の御灵の名は、ヒフミヨイムナヤの七つの員(かず)に充(アテ)て、陰陽(イキ)與(くみ)て万物を生する事を教ふることの神宝故に、神代の巻には、彼二柱の神ミトノマクハイし玉ふ時に、イキ與(クム)の法(ノリ)をたかひて、女神よりアナニヤシエヲトコヲとの玉ふゆへに、ミコふさわず。ミコとは、水の凝也。これ、ヲミナ(女)の水、ヲトコの火に先たちしゆへ也。故に、天つ神申して、布斗麻邇にうらへて其法則(ノリ)改めて、先(まづ)男の火、水に入か故に、目出度(めでたく)国を産玉へり。国の詞は、クニの反也。は影の火の灵にして、火を産玉へりと云こと也。是フトマニとは、火ふくれふきて、水に與(クム)と云教へなる故也。水より火に與(クム)にあらす。火より水に與(クミ)て、万物起さしむるの御名也。一切諸(もろもろ)、この法則に違(タガ)ふ時は物ならす。君臣父子夫婦兄弟、皆(みな)火水のいきの理也。君臣即(すなはち)火水の理、乃至(ないし)子孫又(また)父子にして、火水の理也。君臣火水の理に違(たが)ふときは、国不治。父子夫婦兄弟、同しく理に違(たが)ふ時は、家不治。皆、布斗麻邇の御灵に占(うら)へさるの故也。今、此五列十行の音も、水火離合動静によりて出る所の音の故に、此布斗麻邇の御灵に占へるときは、言々の根本を尽し、万物の音、何れのイキなること知れず云ことなし。

p.381
問曰。神代の巻の布斗麻邇の御灵と、今(いま)志道か家に崇めて伝へる御灵と同しきや、異なりや。答曰。意味深趣あり。曰、一にあらす、異にあらす。神代の巻の布斗麻邇の御灵と称するは、今志道か家に崇むる御灵の如き形をなしたる物にあらす。直に、天地陰陽の火水のイキの理をさして、御灵と号(なず)け玉ふ。即、上に云(いふ)御灵の開合、即(すなはち)離合動静にして、万物を生するの理にして、形ありて目に見る物にあらす。然れは、是を見聞ものは、千早振神の業にして、今人の代となりては、天地(イキ)万物を生するの理はあれとも、たゞ天地(カミ)のみ是を聞玉ふ。人は唯(ただ)、神の御伝へを聞て信するのみ。凡(おおよそ)人々を見ることあたはさるの神秘を、形をかりて見せ玉ふか、志道の家に伝はる御灵也。幷(ならひ)に、中に列子(つらね)たる五十言の形仮名は、もと五十言の音も、音にのみ有て形なし。依(より)て、形なき音を目に見せるか形仮名なり。故に、神代の巻の布斗麻邇の御灵に占(うら)へてとあるは、形ある物には非す。直に其灵、理をさす。其理に占へたる也。御灵の理をは、形あるやうに布斗麻邇の御灵に占へてとあるのは、是か神代巻の神秘也。更に、神代巻の一切に、二柱の神まくはいの法則を知玉はさりし時、せきれい鳥来りて、其尾を動かして教へしとある。此せきれいと云も、実の鳥と思ふは非也。如何と云に、二柱の神みとのまくはい玉ひて、諸有(アラユル)国々山々鳥獣草木まで産玉ふ。

p.382
それをは、いまたまくはいしたまはぬ先に、せきれいの鳥あるへきや知へし。せきれいとは何物そや。是、漢名也。和名は、トツキヲシヘと云。此名を解は、は與(クム)こと。は連なること。は水火(イキ)のこと。是、水火のいき、くみつらなることを教ふると云名也。そこを、トツキと云たもの也。水火(イキ)と男女與(ヲメクミ)つらなるか、トツキ也。水火與(イキクミ)連なるは、是(これ)即(すなはち)布斗麻邇也。別のものに非す。既(すでに)説(とく)如(ごと)く、火水與(クミ)連(ツラ)なる所は、其理(ことはり)人の目に見えさる故に、後に人の目に見せん為に、尾頭を動かす鳥の形を借て顕はすか、神代の巻の神秘也。此神秘を、中古の国学者実を知すして、せきれいと誠の鳥と思ひ、大八島とあれは、西国に在(ある)八島と思惑ふ者は、己(ヲノレ)人の眼を以(もて)神代の神秘を見ることにして、神秘なる神代の巻を猥(みだり)に窺(うかが)ふ故也。陰陽火水和合の理(ことはり)は、心なき草木、慮(おもんぱかり)なき鳥獣迄も、教へすして自然と知。何况(いわんや)、二柱の神、吾産なせる鳥に教へられて、天地水火和合して、国を産の理を知玉はんや。それに、神代の巻に天つ神に申して、布斗麻邇に占へてとある、又せきれいに教へられてと有は、是神秘也。然れは、志道か家に古くより伝はる布斗麻邇の御灵は、何れの神、何れの人の作り玉へる事は知ねとも、人の目の見えさるの天地火水自然の理を、目に見するの法則也。水穂の法(ノリ)を暁(さと)り、万物をたゝす御宝也。

p.383
又是、神の代を治め玉ふの道也。然れは、理は一也。形を見るは別也。依て、一にもあらす、異にも非すと申す也。



2.稲荷の古伝について

二に、稲荷の古伝ちふものは、自然の神書(カミフミ)なることを説。それに、二つ始めに、古伝の来意を説。二に、古伝の一言の法則を説也。始めに、由来とは、太の朝臣安麿の古事記製作は、和銅四年(辛亥)の九月より始めて、同く五年(壬子)正月、上皇へ奉まつる。又、山城国稲荷の宮は、和銅四年(辛亥)二月の造営なり。是に依て、伏て考ふるに、古事記の製作はあれとも、若(もし)や言灵の道すたれて、末の代に渡らんかと恐慮りて、五十連の一言の法則と、水火(イキ)の形を記したるを、稲荷の神躰として納め玉ふかと見ゆ。是、志道の考也。然れとも、幾百年の間知人(しるひと)もなく、享保の頃、荷田の東麻呂、稲荷の古伝を社務より伝へらる。然れとも、時至らすして、其学ひを続人(つづくるひと)もなく、徒に荷田の訓之迄(まで)伝来して、訓之是を杉庵志道に伝へて、志道に至りて始めて、布斗麻邇の御灵に引合せて、稲荷の古伝は御灵より分れたる水火のイキの形にして、天地の氣を知の御伝なる事を悟り得たり。是に依て、今吾末代に有て、是を聞事を得たり。曰、何故に五十連の法則と、水火の形を稲荷の神躰とせしや。稲荷と云名を説ときは、自(おのづから)其躰を知へし。先、稲荷の名を説(とか)は、出入の息の神なりと云こと。イキ也。ナラブ也。は出入のイキにして、イキナラブ と云こと。息のならふとは、出入の息のならふ故に、ナリの反と、出入の息の二つならぶを、名にせし神也。故に、稲荷(イ子ニナフ)の字を書、イ子ニナラフの文字をかる。イ子は水火の根也。荷(ニナフ)はナニナラブこと。出入の息の根、二つならふと云こと。イキの根は、即命也。故に、天地の水火(イキ)、万物の命を宰るを以(もて)、長命を願ひ、福(さいは)ひを求るは、此(この)いはれ也。爾(しか)れは、何(いづ)れより云ても、稲荷と云は、イキナラフと云こと。其(それ)イキノナラヒ也。形(かた)ちは、此五十連の音也。故に、此五十音に、一言の法則と、水火の形(かた)ちを印し、是を稲荷の神躰として玉ふ事なり。此ゆへに、イキの御伝には、此神にしくへからす。稲荷と云名を説ときは、自(おのづから)其躰を知へし。先、稲荷の名を説(とか)は、出入の息の神なりと云こと。イキ也。

p.384
ナラブ也。は出入のイキにして、イキナラブ と云こと。息のならふとは、出入の息のならふ故に、ナリの反と、出入の息の二つならぶを、名にせし神也。故に、稲荷(イ子ニナフ)の字を書、イ子ニナラフの文字をかる。イ子は水火の根也。荷(ニナフ)はナニナラブこと。出入の息の根、二つならふと云こと。イキの根は、即命也。故に、天地の水火(イキ)、万物の命を宰るを以(もて)、長命を願ひ、福(さいは)ひを求るは、此(この)いはれ也。爾(しか)れは、何(いづ)れより云ても、稲荷と云は、イキナラフと云こと。其(それ)イキノナラヒ也。形(かたち)は、此五十連の音也。故に、此五十言に、一言の法則と、水火の形(かたち)を印し、是を稲荷の神躰として玉ふ事なり。此ゆへに、イキの御伝には、此神にしくへからす。

さて、稲荷の神に狐の仕ることは云何(いか)ん。先、此狐に二種あり。一に、キツ又(また)キツ子と云あり。形の別なるに非す。其業の異なる也。今の世になりては、共にキツ子と云(いひ)習へり。そのキツと号(なづ)くる者は、野狐也。

故に、万葉に、夜か明けはきつにはめなてくたかけのまたきになきてせなをやりつゝ。是等は、キツと云て野狐のこと也。漢名には、一名紫野。或る記に、古婬婦あり、其名 紫夜と云。生なから化して狐となる。自ら紫夜と称すと。分類聚に、野狐一名紫夜、尾をうちて火を出す。みな是らは、野狐のこと也。吾国にては、古は野狐を只キツと云て、キツ子とはいはす。其例、上に引(ひく)万葉集等の如し。

p.385
しかれは、後の世に及ひては、是等の法則乱て、野狐のことをもキツ子と云になれり。扶木集(扶木和歌抄)に、花を見る道のほとりの古る狐かりの色にや人まよふらん。是等は、野狐のことを狐とある。其外、本草網目、白氏文集なとに、キツのことをキツ子とかなが付てあり。然れとも、全躰はキツキツ子と、元(もと)別なる者にして(顕云僻説笑ふへし和銅四年の勧請の稲荷なり夫に仕ふる獣の名を開闢より付てあるへきや又伝言灵の神獣を仕ふことはなにことそや可笑)、今、稲荷神のいつかはしめるキツ子にして、キツにあらす。名は替(かは)れとも、其形(かたち)見分難し。其業異(こと)なるによりて、名を別にするなり。先、キツ子と云名を解(とか)は、は水火のイキのこと。は列ること。は根にして、水火(イキ)の根につゝきつらなると云名なり。故に、命長くして、水火のイキを宰る神に仕ひ奉るなり。また、キツと云は、つらなると云ことにて、人のイキにつらなりて、人をまよはす。又、タハムの三言を反すとにして、たはむれて人を迷はすの名になる。是は、野狐の名なり。これ、形同しけれとも、業異なるかゆへ、名を別にする也。俗に考ふれは、人面獣心の如し。古言の法則なり。狐の鳴声を聞に、諸の獣にすくれて、イキにかしこきこと明著(あきらか)なり。如何と云に、彼(かの)狐の鳴声、クワンとなき、又コンとなく。是、カキクケコの音にして、アウムの二音に響かせ、行は暉火の灵にして、差別を宰る。アウムの二音、其躰空虚にして、無尽にしからしむるの音なり。故に、古伝にもある空中の水灵にして、無にして有なりと有て、故に字本不生不可得有也と云も、又(また)此アウムの二音によりて無にあらす、有にあらす、不可得の音なり。
p.386

其、真言の金胎両部の曼多羅は、アウムの二音の外なし。は胎蔵界、ウムは金剛界。は躰にして、ウムは用なり。今、神代の学ひよりは、は空水の灵にして躰、其まゝウムと水灵か火に入交て用となる。是を火中の水と云。故に、キツ子陰氣に惑ひて、声をなすときはクワンと云(いひ)、陽氣に惑して声を起すときはコンと鳴。これを俗人、狐のコンコンと鳴ときは福(さいは)ひ来るなとと云も、陽氣発するゆへなり。如此、自然と陰陽水火の理にかしこきこと、もろもろの獣にすくれたるか故に、イキの神の稲荷のつかはしめとなるも、亦(また)是(これ)自然の道理なり。顕云あまり長き解にて退屈せり。

二に、稲荷の古伝の法則を解かは、此言灵一言の法則は、稲荷の神躰にして、いきの元を尽し、音を活用(はたらか)しむるを、さとらしむるを、教ゆるの御伝なり。


山口志道


記事更新日:2026/02/20

言霊の解説(目次)

22110048

言霊の解説(目次)
◆水穂伝・概要
2024/02/01 水穂伝附言(水穂伝まえがき)
2024/02/02 稲荷古伝五十連法則(十の言灵)

◆水穂伝・重解誌一言法則
2024/01/02 水穂伝重解誌一言法則(まえがき)
2024/01/03 水穂伝重解誌一言法則(ホ~マ) 

◆水穂伝・言灵の法則
2024/01/11 言灵の躰と用 
2024/01/12 言灵の灵返し 
2024/01/13 五十音と下知(げぢ)の法則
2024/01/14 水氣(右)と火垂(左)
2024/01/15 詞縦緯(コトハノタテヌキ)※テニヲハの法則
2025/01/21 テニヲハ(辞)

2024/01/20 灵合の例(和漢) 
2024/05/02 和英の灵合
2024/05/03 和梵の灵合
2024/05/04 和羅の灵合※未公開
2024/05/05 和ヘの灵合※未公開
2024/05/06 その他の灵合※未公開

2024/01/05 イロハ口伝


※編集中
2024/02/28 タカアマハラ
2024/02/28 イザナギとイザナミ
2024/02/28 カミ
2024/02/28 カスミ
2024/02/28 名前にキのつく植物


2024/03/01 水穂伝のなりたち
2024/04/01 水穂伝:天地開闢と一日
2024/04/02 水穂伝:天地開闢と一月
2024/04/03 水穂伝:天地開闢と一年
2024/04/04 水穂伝:天地開闢と稲
2024/04/05 水穂伝:天地開闢と人の今日
2024/04/06 水穂伝:五十連十行之発伝


三言同義之法則「ヒチス」
2024/06/02 ケセテ子ヘメ、カサタナハマの音


ア・ナ・〇
アウム アウム(阿吽)とアミタ(阿弥陀)
アウム ツマトリ(妻鳥)とアウムの法
アナ ヒ(樋)とアナ(穴)
アハレ アハレとアワレ(哀、隣、憫)
アマ アマ(天、海)
アミタ アウム(阿吽)とアミタ(阿弥陀)
アメ アメ(天)とアメ(雨)
アヤ アヤ(文)
アワレ アハレとアワ(哀、隣、憫)
 キ(氣)とイキ(息)
イシ イシ(石)
イケ イケ(池)とヌマ(沼)
イナリ イナリ(稲荷)
ウシロ マエ(前)とウシロ(後)
ウタカフ カナラス(必)とウタカフ(疑)
ウツハ ウツハ(器)とハコ(箱)
エタ エナ(胞衣)とエタ(肢)
エタ エナ(胞衣)とエタ(枝)
エナ エナ(胞衣)とエタ(肢)
エナ エナ(胞衣)とエタ(枝)
エナ 夜のエナと眠のエナ(胞衣)
オノツカラ ミツカラ(自)とオノツカラ(自) 
オノレ オノレ(己)とタレ(誰)
オホイ オホイ(大)とオホイ(多)
オニ オニ(鬼)とカミ(神)
カヽミ ツルキ(剣)とカヽミ(鏡)のチキリ契
カサヽキ ミサゝキとカサゝキ
カシラ カミ(髪)とカシラ(頭)
カキリ カキリ(火切)とシキリ(水切)
カタマル カタマル(堨)
カナラス カナラス(必)とウタカフ(疑)
カミ カミ(髪)とカシラ(頭)
カミ オニ(鬼)とカミ(神)
カラム メクム(恵)とカラム(搦)
キ キ(氣)とイキ(息)
 キとチ(草木の灵)
タフトキ(貴)とキ(貴)
キタル キタル(来)・キタル(氣垂)
ラキ クラキ(暗)
クレナイ 五色とクレナ井(紅)
 クロ(黒)とゴシキ(五色)
コホリ コル(凝)とコホリ(氷)
コマカ コマカ(細)とコマカ(香)
コマカ コマカ(香)とニホヒ(香)
コメ コメ(米)
コル コル(凝)とコホリ(氷)

サイハイ サイハイ(幸)とワサハイ(災)
サソフ サソフ(誘)
シキリ カキリ(火切)とシキリ(水切)
シホ シホ(水火、塩)とホシ(火水、星)
シホミツ シホミツ(潮水、水火水)
シルシ シルシ(印)
シロ シロ(白)
ソタツ ソタツ(育)
ソロフ ソロフ(揃)

タカキ タフトキ(貴)とタカキ(高) 
タヽシ タヽシ(正)
タナコヽロ タナコヽロ(掌)、テナコヽロ(掌)
タフトキ タフトキ(貴)とキ(貴)
タフトキ タフトキ(貴)と高(タカキ)
タネ タネ(種)とタマ(灵)
タマ タネ(種)とタマ(灵)
タマ 
タマ(灵)とタマシイ(灵)

タマシイ 
タマ(灵)とタマシイ(灵)

タレ オノレ(己)とタレ(誰)
 キとチ(草木の灵)
ツカサ ツカサ(司)
ツゝク ツラナル(列)、ツゝク(続)、ツゝメル(約)
ツゝメル ツラナル(列)、ツゝク(続)、ツゝメル(約)
ツマトリ ツマトリ(妻鳥)とアウムの法
ツラナル ツラナル(列)、ツゝク(続)、ツゝメル(約)
ツユ ワ(〇)とツユ(露)
ツルキ ツルキ(剣)とカヽミ(鏡)のチキリ契
チキリ ツルキ(剣)とカヽミ(鏡)のチキリ契
テナコヽロ タナコヽロ(掌)、テナコヽロ(掌)
トカル ホノメク(火浮)とトカル(尖)
トク トク(解)
トコロ トコロ(処と所)
トリ トリ(鳥)

 ア・ナ・〇
ナキ ナキ(無)
ニホヒ コマカ(香)とニホヒ(香)
ヌマ イケ(池)とヌマ(沼)

詞縦緯(コトハノタテヌキ)
ハコ ウツハ(器)とハコ(箱)
ハシメ ハシメ(初)とヒラク(発)
ハシメ ハシメ(始)とヲハル(終)
 ヒ(樋)とアナ(穴)
ヒタリ ヒタリ(火垂)とミキ(水氣)
ヒト ヒト(人)
ヒフミヨイムナ ヒフミヨイムナ(数の御灵)
ヒラク ハシメ(初)とヒラク(発)
フクム フクム(含)とフトル(太)
フトマニ フトマニノミタマ(布斗麻邇の御灵)
フトル フクム(含)とフトル(太)
ホシ シホ(水火、塩)とホシ(火水、星)
ホチ ホチ(
ホノメク ホノメク(火浮)とトカル(尖)

マエ マエ(前)とウシロ(後)
マカル マカル(曲)
マナコ マナコ(眼)
マヒ ヲトリ(躍)とマヒ(舞)
マタ マタ(亦、又、股)
ミキ ヒタリ(火垂)とミキ(水氣)
ミサヽキ ミサゝキとカサゝキ
ミツカラ ミツカラ(自)とオノツカラ(自) 
ミヤ ヤ(家)とミヤ(宮)
ナキ(無)とム(無)
ムナシ(空)
ムカフ ムカフ(向)
クム メクム(恵)とカラム(搦)
モノ モノ(者)
モヤウ モヤウ(舫)

ヤ(家)とミヤ(宮)

ア・ナ・〇
ワ(〇)とツユ(露)
ワ・〇(天地自他)
ワサハイ サイハイ(幸)とワサハイ(災)
ヲトリ ヲトリ(躍)とマヒ(舞)
ヲハル ハシメ(始)とヲハル(終)


鳳凰


記事更新日:2026/09/15
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