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The Knowing Way Japan(旧Gary Bonnel Japan)認定インストラクター&プロフェッショナルアカシックリーダー中島志保のブログです

2013年02月

カバラーと暗号解読の歴史

1.暗号解読の歴史

古代メソポタミア文明の遺跡からは、暗号が組み込まれた粘土板の古文書が多く出土しています。この時代に多く用いられたのは、文章や各行の最初の1文字、あるいは単語の頭文字を拾い出して繋げていくと、もとの文章とは異なる意味の文、または語句が現れるというものです。こうした暗号法はアクロスティック(acrostic)または折句(おりく)と呼ばれています。この暗号法は、メソポタミア文明の後期を担ったバビロニアやアッシリアにも受け継がれました。

アッシリアのサルゴン2世の時代には、文字を数字に置き換えて表記する数字暗号システムが多く用いられました。数字暗号システムはユダヤの預言者たちに受け継がれ、ヘブライ語のアルファベットを使った数字暗号システムが発展していきます。


モーセの十戒石板
十戒石板



2.ゲマトリア

文字や単語を数字に変換して暗号化する方法は、古代ギリシャにも伝わり、ゲマトリア(Gematria)と呼ばれるようになりました。ゲマトリアは日本では数秘術と訳されています。当時、ラビと呼ばれるユダヤ教の宗教的指導者たちも、さまざまな方法により聖書の暗号解読に取り組むなかで、ゲマトリアによる暗号解読も試みました。


ヘブライ文字の記数法
ヘブライ語記数法


◎皇帝ネロと獣の数字666
ローマ皇帝ネロ(Nero Caesal)のギリシャ語表記(Νέρων Καίσαρ)を名前をヘブライ語表記(נרון קסר)にして数字に変換すると 666 になることから、新約聖書のヨハネの黙示録に記されている獣の数字666は皇帝ネロを指すとされています。


◎聖書の暗号解読
ゲマトリアは、聖書に隠された秘密を解読するだけではなく、記述されている内容を補うものとしても使われました。例えば、旧約聖書の民数記第6章「ナジル人(びと)の誓願」では、ナジル人が神に仕えるために自分の身を聖別して特別の誓願を立てる期間が何日間であるか明記されていないものの、自分の身を聖別する方法について YiHYeH(~しなければならない)」という語が多用されていることから、ゲマトリアで Ti-H-Ye-H の4つの文字の合計数が30であることにちなみ、ナジル人の聖別のための特別な誓願期間は30日と定められました。このようにユダヤ教のラビやカバリストたちは、さまざまな方法で聖書を解読し、通常読むことができる表面上の文書だけではわからない神の意思を知ろうとしました。


天使と6



3.ノタリコン

ノタリコン(Notarikon)はギリシャ語で速記を意味するもので、ある文章や単語の連なりの頭文字を取って新しい単語を作ったり、ある単語からもとの文章や単語の連なりを復元したりすることをいいます。

◎イクテュス
ギリシャ語のΙΧΘΥΣ(イクテュス)という言葉は魚を意味します。ノタリコンの暗号解読では、「イエス、キリスト、神の、子、救世主」のギリシャ語「ΙΗΣΟΥΣ ΧΡΙΣΤΟΣ ΘΕΟΥ ΥΙΟΣ ΣΩΤΗΡ」の頭文字を並べたものになります。


イクトゥス



◎アダム
ギリシア語の Anatole, Dysis, Arktos, Mesembria(アナトレー・デュシス・アルクトス・メセンブリア)という4つの単語の頭文字を取ると ADAM(アダム)となります。アナトレーは日の出の女神、デュシスは日没の女神、アルクトスは夜空の女神、メセンブリアは真昼の女神を意味し、これらの四方位を司るものがアダムと解釈することができます。


◎アーメン(AMN)
アーメン(Amen)は日本語で「まことに」と訳されています。この言葉はヘブライ語の Adnai Melekh Namen という3つの単語の頭文字を取ったものであり、アドナイ(主)、メレク(王)、ナーメン(忠実なる)ということで、「主にして信仰深き王」という意味が隠されていることになります。

古代の神官たちは、こうした暗号が聖典の中に隠されていることを知っていたため、聖典の内容を安易に翻訳したり書き換えたりしてはならないと戒めました。

天使




4.テムラー

生き物の遺伝子情報は、DNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる化学物質という形で細胞核内に存在しています。DNAの分子はアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基が直鎖上に連結した構造をしており、2本のDNAが左右逆向きに向き合って結びついた二重螺旋の形をとっています。4種類の塩基の並び方は塩基配列と呼ばれ、遺伝子とはこの特定の塩基配列により記載された情報を示すことから、塩基配列はまさに暗号文となります。この4種類の塩基配列によってハエからクジラまで違う生き物が設計されるということで、ここにモノの並びの神秘性が隠されています。

カバラーでは、言葉や単語の文字を並び替えることで別の意味を持つ言葉や単語になることをテムラー(Temurah)と呼びます。テムラーとはヘブライ語で置き換えを意味し、言葉を置き換えることに神秘的な力が宿るとし、魔法や呪術に用いました。

◎鏡文字とテムラー
 ・God(神)/Dog(犬)
 ・Live(生きる)/Evil(悪)
 ・Eva(エヴァ)/Ave(アヴェ)※Ave Maris Stella


◎日本語(言霊)

〈カタカムナ〉
ヒフミヨイ
マワリテメクル ムナヤコト
アウノスヘシレ カタチサキ
ソラニモロケセ ユヱヌオヲ

ハエツヰネホン

〈あめつちのうた〉
アメツチ ホシソラ
ヤマカハ ミネタニ
クモキリ ムロコケ
ヒトイヌ ウエスエ
ユワサル オフセヨ
ヱノエヲ ナレヰテ


〈いろはうた〉
いろはにほてとちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやまけふこえて
あさきゆめみしゑひもせす


〈いろはうた〉※スキップコード
ろはにほて
ちりぬるをわ
よたれそつね
らむうゐのお
まけふこえ
さきゆめみ
ひもせ  


・とかなくてしす(咎なくて死す)
・やあゑ(ヤハウエ)
・いゑす(イエス)

キリスト



5.神のことばを受け取る

ヘブライ語の文化では古代より、発音は動きを止めることを意味し、頭で理解することとされました。私たち人間が神のことばを理解したとき、それは神ではなく偶像となります。なぜなら、無限の存在である神を、有限の存在である人間による理解という狭い檻の中に神の存在を閉じ込めることになるからです。このため、神の名前をみだりに口に出すのを禁じるとともに、YHVHといったアルファベットや数字に置き換えることでその存在を伝えていきました。

文字を置き換えることにより、文字と意味の関係は断ち切られます。ここで重要なのは、これによって意識が広がるということです。これは、神のことばを受け取るために器の容量を大きくするためのものです。ヘブライ文字で構成されているトーラーという聖典は神の痕跡とされ、トーラーのテキストを読むときは、暗号を使ってわからないように(頭で理解しないように)することが基本となっています。これも神のことばを受け取る秘儀です。


〔ポイント〕

◎神のことばを人間の思考(動きを止めること)なしに受け取る
◎神という無限の存在を有限の器に閉じ込めない
◎聖典はわかるように読んでも意味がない

三種の神器

記事更新日:2025/05/24

カバラーの成立とその発展

1.カバラーにおける世界の原理

カバラーとは、神が天使に伝えた世界の原理が、人間の祖アダムに伝えられたものと定義されています。

◎カバラーにおける世界の原理
 ・創造の原理(Creationism)
 ・終末の原理(
Eeschatology)
 ・救世主(Messianic)
 ・輪廻転生(Metempsychosis))
 ・神人合一(Unio mystica)

天使


2.聖典を解読すること

ユダヤ教の文化圏では
古くからヘブライ語で書かれた聖典が受け継がれており、その中には、神が啓示としてモーセに伝えたトーラーと呼ばれる口伝律法があります。モーセ五書とも呼ばれるトーラーは、ヘブライ語聖書(旧約聖書)の最初に収録されている5つの文書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)を指し、現在ではユダヤ教、キリスト教、イスラム教において重要な聖典とされています。

また、モーセが残した別の口伝律法をラビと呼ばれるユダヤ教の宗教的指導者たちが解読し、書き留めたタルムードという文書群があります。タルムードはヘブライ語で研究や解読といった意味があることから、聖典を解読したものをタルムードと呼ぶこともあります。

古文書



3.秘教の広がり

12世紀になると、民衆のあいだにエソテリシズム(esotericism)が広がり始めました。エソテリシズムは秘教または奥義と訳されるもので、人が神を直接経験すること意味します。この時代、神にまつわる秘密の教えはすべて口伝で継承されており、文字にして残すことはしませんでした。


蝋燭


4.印刷技術がもたらしたもの

12世紀の終わり頃になると、中国で木版印刷の技術が発展し、西洋に製紙技術が伝わりました。これまで口伝という形で継承されていたものが書物として残せるようになり、秘教(
エソテリシズム)の内容も文字になって広がり始めたのです。

カバラーの成立が12世紀の終わり頃とされているのは、カバラーという言葉を使った書物が残っていることによるもので、実際にカバラーのような秘教が存在した痕跡は、口伝で継承されていたものを含めるとそれよりはるか以前に遡ることができます。

〔補足〕
◎現存する世界最古の活字による印刷物
 ・中国の温州市の白象塔から発見された『観無量寿経』(12世紀)

◎口伝から筆記、筆記から印刷へ
 ・聖典
 ・聖歌
 ・タロット
 ※印刷技術により霊性の継承は消滅の方向へ進む


書物



5.カバラーの基礎文献ゾーハルの成立

13世紀に、カバラーの基礎文献となるゾーハル(光輝の書)が世にあらわれました。これは2世紀の神秘家シメオン・ベン・ヨハイとその弟子たちによるトーラーのカバラー的解釈により、世界を象徴する概念としての生命の木、人間の祖アダム(アダム・カドモン)、宇宙創成の秘密、悪の起源などが文字とゲマトリア(数値変換法)を駆使し縦横無尽に語られているものです。


ゾーハル(1558, Mantua)
ゾーハル


生命の木
生命の木



イベリア半島で発展したカバラーは、13世紀の後半あたりから急速な広がりを見せました。当時、イスラム教に支配されていたイベリア半島では、異教徒であるユダヤ人を庇護民を意味するズィンミー(Dhimmi)と呼び、一定の権利と義務が付与されたことから、おもに交易などで生計を立てていました。

しかし14世紀に入ると、異教徒であるユダヤ人を差別する動きが高まりました。そしてイスラム教徒に支配されていたイベリア半島の奪還を目指したキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)を進めるうちに、ローマ・カトリック教会の信者が増え、1492年にスペイン国王フェルナンドと王妃イザベルは、熱心なカトリック信者であったことから、ユダヤ教徒の追放令を出しました。このようにスペインから離れ、おもに中東に移住したユダヤ人をスファルディームと呼びます。



6.クリスチャンカバラーの成立


14世紀後半から100年ほど、カバラーの世界に大きな進展はありませんでした。1492年にスペインの国王と王妃がユダヤ教徒の追放令を出したことで、一部のユダヤ人はヨーロッパの北部へと移動し、さらにイタリアの方にも流れていきました。そしてイタリアを中心にクリスチャンカバラーの流派が生まれました。これはキリスト教の神学者がカバラーの神秘思想に興味を持ち、キリスト教の神学に沿って解釈を行ったもので、これによりカバラーの秘教がラテン語に訳されてヨーロッパの広範囲に伝わりました。



7.グノーシス、ブッディ、神道との関係

カバラーは宗教のような信仰の体系ではありません。これは秘教(エソテリシズム)であり、究極の目的は神人合一にあります。

古代ギリシアでは、神の霊性の認識をグノーシスといいました。これは仏教やインド哲学におけるブッディ(仏性)、あるいは日本の神道と同じものです。東洋で神人合一の理念を軸に文明が開花したのに対し、西洋ではそうした理念が徹底的に排除されました。ユダヤ教では神の唯一性と超越性を冒瀆する思想とされ、キリスト教ではイエスの神性と教会の権威を否定する思想とみなされるなど、神人合一は許されない異端のものとして弾圧の対象となったのです。

グノーシスやカバラーといった秘教に真理を見出した人々は、秘密結社の形をとってその教えを伝えました。古代の女神崇拝や黒いマリア崇拝、カタリ派、テンプル騎士団、クリスチャンローゼンクロイツ(薔薇十字団)、アルケミスト(錬金術師)などはすべて、古代の秘教にその起源があります。



生命の木



記事更新日:2025/05/22

カバラーとは何か

1.カバラーという言葉の一般的な表記

◎ヘブライ語
 ・קַבָּלָה

◎その他の言語
 ・Qabbala
 ・Qabbalah
 ・Kabala
 ・Kabbala
 ・Kabbalah
 ・Cabbala



2.カバラーという言葉の一般的な意味
◎カバラーという言葉は、ヘブライ語で「受け取る」を意味します。
 ・受け取る

 ・伝承、伝統
  ⇒
世代を超えて受け取られるもの


◎現在のイスラエルでは、ホテルのフロントを 
קַבָּלָהカバラー)と呼びます。これは、英語のレセプション(reception) に相当し、受付を意味します。



3.カバラーという言葉の秘教的な意味
◎師匠が弟子に口伝で伝えるもの。
 ・神がモーセに対して行った啓示。
 ・師匠が弟子に対して行う密儀の伝授。

◎神から伝授された知恵。

 ・神の顕現としての文字や聖典を解くこと。
 ・神の器となるための霊的な教育。


ユダヤ教

記事更新日:2025/05/22

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