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The Knowing Way Japan(旧Gary Bonnel Japan)認定インストラクター&プロフェッショナルアカシックリーダー中島志保のブログです

1999年04月

二つの天孫降臨神話

神社


日本には、天孫降臨の神話が二つ存在します。いま正統とされている天孫降臨の神話は、皇室の祖先である邇邇芸命(ニニギノミコト)が九州の高千穂に降り立ち、そこで王朝を作り、さらに四代目となる邇邇芸命の曾孫、神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコ)が日向(宮崎県)から大和(奈良県)へと進軍し、多くの国々を平定しつつ、橿原宮(かしはらのみや)で初代天皇となり日本を建国したというものです。

しかしそれよりも先に、すでに日本に天孫降臨した神がいたことが、9世紀に書かれた先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)という書物に記されています。先代旧事本紀の天孫本紀(てんそんほんぎ)では、天孫降臨した饒速日命(ニギハヤヒノミコト)は、32人の随神(ずいじん:神域を守護する武装した神々)と天の運行を司る神々を含む総勢五十柱の神々を従えていたとあり、神武東征よりも前に天孫降臨があったということになります。古事記や日本書記は天皇家の正統性を際立たせるために藤原氏によって編纂された公式史書で、天照大神(アマテラスオオミカミ)から始まる皇統の流れを中心に神話と歴史を整理したものです。一方、先代旧事本紀は、大和朝廷の神事と軍事を宰った物部氏の伝承を伝えたもので、物部氏の祖先である饒速日命が神武天皇が九州から東征してくる以前から大和の地を治めていたというものです。

邇邇芸命は天照大神より三種の神器(剣、鏡、勾玉)を授かったのに対し、饒速日は天照大神より天璽瑞宝十種(あまつしるしみずのたからとくさ)すなわち十種神宝(とくさのかむたから)を授かりました。邇邇芸命と饒速日はともに「ニギ」という音が似ていることと、神宝については三や十といった数霊やシンボルという形霊が基本となっていることが共通しています。

邇邇芸命の本名は、天邇岐志(あめにぎし)国邇岐志(くににぎし)天津日高(あまつひこ)日子番能(ひこほの)邇邇芸命(ににぎのみこと)です。これは、天の世界を賑やかにし、地上の世界も賑やかにしする、天から降りてきた高貴な太陽の子、神聖な稲穂の神という意味で、地上世界に稲作をもたらし、人々を豊かにして国を統一するための神でした。一方、邇邇芸命よりも前に天孫降臨していた饒速日命の本名は、天照国照彦(あまてるくにてるひこ)火明(ほあかり)櫛甕玉(くしみかたま)饒速日命(にぎはやひのみこと)です。これは、天の世界を照らし、地上の世界も照らし、太陽のように輝く男性神という意味で、天津神と国津神の両方を尊び、そのあいだを繋ぐための神でした。

火明(ほあかり)櫛甕玉(くしみかたま)とは饒速日命の霊性であり、火明(ほあかり)とは天地創造の暗闇と混沌の中からあらわれる仄かな光であり、ここから文明や秩序がもたらされます。櫛甕玉(くしみかたま)のクシは奇し、すなわち霊妙で不思議な力、ミカは神徳を受ける器、タマは魂を意味します。特にミカは縄文土器とつながりが深く、クシミカタマに日本古来の霊力や呪術、自然信仰といった要素が色濃く含まれています。このことから饒速日は天津神に通じつつも、国津神の霊力も併せ持ち、天と地、天津神と国津神という、ともすれば対立、拮抗、分離しかねない二つの異なる世界をつなぐ架け橋となったきわめて重要な神であったのです。それが、アマテルクニテルヒコホアカリクシミカタマニギハヤヒコノミコトです。

饒速日が天照大神から授かった十種神宝は、大きく「鏡」「剣」「玉」「比礼」の四種類に分けられます。この神宝と、邇邇芸命が授かった三種の神器「鏡」「剣」「玉」にも共通点があります。この世界はさまざまな次元のレイヤー(層)があり、その中で霊的存在は時間と空間を超越しさまざまな時代や場所に出現することができると考えると、それぞれが他人のように別個のものとして存在しているのではなく、おおいなる源泉から生み出された高次の存在としてつながっていると考えることもできます。

血統や家柄に神を結びつけてその権力をもって一国を統治することを目論んだ藤原一族によって、神が血統や家柄ではなく、単に時空間という縦と横の軸を選んで降臨するという事実は非常に都合が悪いことから、饒速日命とそれを祖とする物部一族の存在を封印したと思われます。

そしてこういった流れは、天の川銀河とその中心にある霊的太陽の関係から生み出された神話でもあります。

神社


記事更新日:2026/04/12

言霊真澄鏡「母音の発音」

《言霊真澄鏡七十五声霊之伝》

キケクコカ
ギゲグゴガ
ヂデヅドダ
チテツトタ
リレルロラ
ニネヌノナ
ヒヘフホハ
シセスソサ
ジゼズゾザ
ピペプポパ
ミメムモマ
◎◎ユヨヤ
ヰエウヲワ
イエウオア


------------------------------------------------------
【初柱】顕れ出るの霊
(あらはれいづるのみたま)
 
------------------------------------------------------
【発声】
◎ア声は、五十音の母である。
 ・七十五音はアから生じる。
 ・天地開闢の始まり。

◎ア声は、韻の始まり。
 ・自然に息が出て、初めて出る声。
 ・口を開けて、最初に、どこへも触らず(障らず)、出る声。 

◎あくびは「ア」の声である。
 ・自然に出る声の証拠である。

------------------------------------------------------

 ↓
ア声から、そのまま口を少し窄める…オ声
 ↓

------------------------------------------------------
【内柱】外に起こるの霊
(そとにおこるのみたま)
 
------------------------------------------------------
【発声】
◎オ声は、初めて地上より起こる音である。
 ・物理の法則で、地上より起こるものは、必ず興廃する。
  ⇒エントロピーの法則

◎オ声は、ア声から、そのまま口を少し狭くして息を出す。
 ・ア声から、外(唇)に初めて触れる音。
  ⇒内から外に出ていくことで、何かが起こる。

◎ア声(顕現)のあと、外に出て形を成すものがオ声。

------------------------------------------------------

 ↓
オ声から、そのまま歯を合わせる…ウ声
 ↓

------------------------------------------------------
【中柱】動き働くの霊
(うごきはたらくみたま)

------------------------------------------------------
【発声】
◎ウ声は、初めて動くことを意味する。
 ・上下の歯を合わせて、口の中に動きをもたらす声。 
  ⇒口の中に息の渦を起こし、生み出す声。

◎ウ声は、休息がない様子を意味する。

------------------------------------------------------

 ↓
ウ声から、そのまま上下の歯が分かれる…エ声
 ↓

------------------------------------------------------
【外柱】内へ集めるの霊
(うちへあつまるのみたま)
------------------------------------------------------
【発声】
◎エ声は、天の氣を一箇所に集めることを意味する。
 ・舌…下歯の根元に隠れる。
 ・息…舌の中心に集まる。

◎ア声(顕現)のあと、天の氣が集まり、形を成すもの。
 ・ア声が顕れたところに、天の氣が集合すること。

◎アオウエイのという字を当てる。
 ・自然に出る声の証拠である。

◎エとイは、天地が結ばれて物となるプロセス。

------------------------------------------------------

 ↓
エ声から、そのまま上下の歯を合わせる…イ声
 ↓

------------------------------------------------------
【留柱】至り留めるの霊
(いたりとどめるのみたま)
------------------------------------------------------
◎イ声は、五韻が至り止まる(留まる)ことを意味する。
 ・舌…エ(下歯の根元)から外れる。
 ・息…ブレーキをかけるような感じ。

◎ア声(顕現)のあと、天の氣が集まり、そこで至り留まることを意味する。
 ・ア声が向かう方向に到達する(至る・留まる)こと。

◎アオウエイのという字を当てる。
 ・自然に出る声の証拠である。

◎エとイは、天地が結ばれて物となるプロセス。

------------------------------------------------------
〈まとめ〉
・ア声に現れ
・オ声に興り
・ウ声に生み
・エ声に得て
・イ声に至る



満月のような太陽


記事更新日:2025/05/13

言霊真洲鏡「音と韻の区別」

《言霊真洲鏡七十五声霊之伝》

キケクコカ
ギゲグゴガ
ヂデヅドダ
チテツトタ
リレルロラ
ニネヌノナ
ヒヘフホハ
シセスソサ
ジゼズゾザ
ピペプポパ
ミメムモマ
◎◎ユヨヤ
ヰエウヲワ
イエウオア


----------------------------------------------------
【音の特徴】

◎音の特徴
 ・音は天を象徴し、父性を持ち、精神を司る。
 ・音は軽重がある。

◎音の軽重
 ・重さのある声…悲しみの精神が含まれる
 ・尖りのある声…怒りの精神が含まれる
 ・震えのある声…不安の精神が含まれる
 ・締りのある声…憎しみの精神が含まれる
 ・抑揚のある声…驚きの精神が含まれる

◎天に向かう軽い声
 ・ワ行(根の国)からハ行(中津国)に浮く⇒浮く声(笑い声)
 ・ハ(ワハ)
 ・ホ(ヲホ)
 ・フ(ウフ)
 ・ヘ(エヘ)
 ・ヒ(ヰヒ)

◎地に向かう重い声
 ・ワ行(根の国)からア行(根の国)に沈む⇒沈む声(泣き声)
 ・ワ(ワア)
 ・ヲ(ヲオ)
 ・ウ(ウウ)
 ・エ(エエ)
 ・ヰ(ヰイ)

----------------------------------------------------
【韻の特徴】

◎韻の特徴
 ・韻は地を象徴し、母性を持ち、肉体を司る。
 ・韻は高低がある。

◎音の軽重
 ・重さのある声…悲しみの精神が含まれる
 ・尖りのある声…怒りの精神が含まれる



〈参考文献〉
◎鎌田東二「言霊の思想」p.161-162


渦巻き



記事更新日:2025/05/13

言霊真洲鏡「ア行、カ行、サ行」

《言霊真洲鏡七十五声霊之伝》

キケコカ
ギゲグゴガ
ヂデヅドダ
チテツトタ
リレルロラ
ニネヌノナ
ヒヘフホハ
シセソサ
ジゼズゾザ
ピペプポパ
ミメムモマ
◎◎ユヨヤ
ヰエウヲワ
イエオア


----------------------------------------------------
【ア行】
----------------------------------------------------
◎ア行の音義
 ・顕現(ア声)から到達(イ声)までの全行程。
  ⇒始まりから終わりまでの全行程(アオウエイ)を象徴的に内包している。
 ・音韻の父母を重ねた声

 ・ア声…顕れ出る霊(あらはれいづるみたま)
 ・オ声…外に起る霊(そとにおこるのみたま)
 ・ウ声…動き働く霊(うごきはたらくみたま)
 ・エ声…内へ集る霊(うちへあつまるみたま)
 ・イ声…至り止る霊(いたりとゞまるみたま)

◎ア声の音義
 ・口を開くと出る韻⇒顕れ出ること⇒在る⇒有る⇒現在
 ・七十五声の元声(モトツコエ)はア声である。

◎ア声の例
 ・頭(タマ)…衣服の外に顕れた、球(タマ)の部分
 ・足(シ) …衣服の外に顕れた、締(マル)部分
 ・会話の「あゝ」…七十五音を生まずに孕んでいること。
  ⇒ア音が重なることから、古語で「無量」「不分共無量」の意味

◎オ声の音義
 ・ア声(顕現)後、外に出て形を成すもの

◎オ声の例
 ・尾()…動物のしっぽ
 ・緒()…下駄についているもの
 ・音(ト)…起こる処(オこるトころ)、声の始まるところ※音と韻
 ・起る(コル)

◎ウ声の音義
 ・動くもの、動いて働くもの

◎ウ声の例

 ・上(エ)…天に向かうもの
 ・渦(ズ)…螺旋状に巡るもの
 ・動く(ゴク)…動くもの
 ・得る(ル)…動かして手に入れること
 ・売る(ル)…物を与えて金を得ること

◎エ声の音義
 ・ア声(顕現)後、内に集まり形を成すもの

◎エ声の例
 ・絵()…内面の様相を描いたもの
 ・柄()…全体を手の内に集めるもの
 ・江()…海や川の水が集まったもの
 ・餌()…くちばしで集めるもの
 ・江()…海や川が陸地に入り込んだもの
 ・餌()…くちばしで集めるもの
 ・得る(エル)…手に入れること
 ・会話の「ええ」…古語で「うまし」の意味

◎イ声の音義
 ・ア声が向かう方向に到達する(至る・留まる)こと

◎イ声の例
 ・意()…目的に至るための行動という意識の性質
 ・胃()…食べたものを留めるもの、向かって到達する強さ
 ・居()…人が留まるところ
 ・井()…水が留まるところ
 ・猪()…向かって到達する強さ(猪突猛進)
 ・藺()…向かって到達する強さ(細長い茎がまっすぐ空へと向かう)※イグサ
 ・韻(イン)…声の終わるところ、響き※音と韻
 ・会話の「いい」…自分の内側で良しとすること

----------------------------------------------------
【カ行】
----------------------------------------------------
◎カ行の音義
 ・高天棚の最上位に位置する。
 ・人間の三つの階層(君臣民)の中の君(キミ)の行。さらに最高位はキ声。

 ・カ声…光り輝く霊(ひかりかがやくみたま)
 ・コ声…細かに細かなる霊(こまかにこまかなるみたま)
 ・ク声…つき止まる霊(つきとまるみたま)
 ・ケ声…消終る霊(きえおわるみたま)
 ・キ声…限り極る霊(かぎりきわまるみたま)

◎カ声の音義
 ・天から来るもの。

◎カ声の例
 ・火(

◎キ声の音義
 ・七十五声の中で一番調子の高い声⇒天の位置⇒宇宙の極み

◎キ声の例
 ・木()…高いもの
 ・黄()…草木の葉が極まった色、土に還る直前の色
 ・城()…高さを極めたもの
 ・来()…高いところから降りてくること
 ・君(ミ)…上なき人=極身(ミ)
 ・着る(ル)…着ることで極まる
 ・切る(ル)…切ることで極まる
 ・極まる(ワマル)…キ声の輪の中に入ること
 ・音の例:「キーン」

----------------------------------------------------
【サ行】
----------------------------------------------------
◎サ行の音義
 ・中津国のさらに中央に位置する。
  ⇒天地が合わさり万物を生み出すところ。

 ・政事(まつりごと)の法則はサ行(サソスセシ)にある。
  ⇒天地、火水の統一場、人事、政事の要所がサ行(サソスセシ)にある。

 ・サ行は神聖さや静寂をあらわす形容詞や副詞が多い。
  ⇒さわやか、さやけし、しずか、しずけさ、しみじみ、など。
 
 ・サ声…広り騒ぐ霊(ひろがりさわぐみたま)
 ・ソ声…外に添ふ霊(そとにそふみたま)
 ・ス声…中へ集る霊(なかへあつまるみたま)
 ・セ声…内へ迫る霊(うちへせまるみたま)
 ・シ声…〆染むる霊(しめしむるみたま)

◎サ声とシ声の音義
 ・サ声…表・右・内の内⇒地の声…折々を緩める場⇒騒がしい
 ・シ声…裏・左・外の外⇒天の声…始終を締める場⇒静か
  ⇒サ声とシ声が五分五分だと困難になる。6対4だと安泰になる。

 ・サ声…地から水が現れること
 ・シ声…天から火が現れること

◎ス声の音義
 ・宇宙発生の根源。(ス声宇宙発生説)
 ・天地が合わさり、万物を生み出すところ。
 ・中庸の場。
 ・主()…天地の間に立ち、国や人を統治する人。
 ・統()…天地の間に立ち、国や人を統治する事。
 ・皇()…天地の間に立ち、国や人を統治する人。

◎セ声とソ声の音義
 ・セ声…小言が起きる声(内部に向かう小言)
 ・ソ声…小言が起きる声(外部に反むく小言)


波紋



記事更新日:2025/05/13

日本語五十音「古事記と八方世界」

天地開闢


ここに天(あま)つ神もろもろの命(みこと)もちて、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、二柱(ふたはしら)の神に、このただよへる国をつくり固め成せとのりて、天沼矛(あまのぬぼこ)をたまひて、ことよさしたまひき。かれ、二柱(ふたはしら)の神、天浮橋(あまのうきはし)に立たして、その沼矛(ぬぼこ)を指(お)し下(お)ろして画(か)きたまへば、(しほ)こをろこをろに画(か)き鳴(な)して、引き上げたまふ時に、その矛(ほこ)の末(さき)より垂(したた)り落つる汐(しほ)累(かさ)なり積りて島(しま)と成りき。これ淤能碁呂島(おのころじま)なり。その島(しま)に天(あま)降り坐(ま)して天之御柱(あまのみはしら)を御立て八尋殿(やひろどの)を見立てたまひき」(古事記より)


◎言霊に込められている数霊
 ・シホ(汐)…四つの
 ・シマ(島)…四つの

→オ→ヲ→ヘ→エ→ヱ→フ→ウ(昇ア行)→ウ(降ワ行)→ヒ→ミ→イ→ヰ→ハ→ワ→ア→ヤ→イ→ユ→エ(ヤ行)→ヨ→ノ→子(ネ)→ヌ→ニ→ナ→ラ→リ→ル→レ→ロ→コ→ソ→ケ→セ→ク→ス→キ→カ→シ→サ→タ→チ→ツ→テ→ト→モ→メ→ム→

始めより起りて、五十音を顕し、其五十音連の終りに、よりまた初めのに戻る。は永き世を回りて、始めと終りにわたりて、尽ること無き音。


《アイウエオ五十音表》

ワラヤマハ ナタサカア
ヰリイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメヘ ネテセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ

国産み

高天原(たかあまはら)


タカアマハラ

マハ カア

ヰリイミヒ ニチシキイ

ウルユムフ ヌツスクウ

ヱレエメヘ ネテセケエ

ヨモホ トソコオ

オノコロ

淤能碁呂島(おのころじま)

国生み


〈参考文献〉
◎岡本天明著「古事記数霊解序説」p.49-53


記事更新日:2026/02/07

日本語五十音「言語神授説」

《アイウエオ五十音表:十の父声と五の母韻》

ラワヤマハナタサカ
リヰイミヒニチシキ
ルウユムフヌツスク
レヱエメヘネテセケ
ロヲヨモホノトソコ

◎母韻の発生
 ・初声としての「ウア」
  ❶五十音の元声(モトツコエ)として声が生じる。
  ❷声に続き、すぐさま声が生じる。
   ⇒開いた口の声は軽く天に上昇し、閉じた口の声は重く地に下降する。

 ・ウ声から生じた「オ」
  ❸ウ声がさらに重く垂れ下がり声が生じる。
   ⇒声は地の底にある黄泉の国となる。
   ⇒❶❷❸のプロセスで、アオウという〈天・地・泉〉が形成される。

 ・ウ声から生じた「イエ」
  ❹声がさらに分かれて声と声が生じる。
   ⇒声は上昇して天衢(あまつみち)、声は下降して泉坂(ヨモツサカ)となる。
   ⇒❶❷❸❹のプロセスで、天地初発の道理が示される。


◎母韻の順番
 ・天地が生み出された順番
  ❶…大地
  ❷…天上
  ❸…黄泉
  ❹…大地から天上への道
  ❺…大地から黄泉への道

 ・天地泉の上下の位相
  ❶…天津国(あまつくに)…天(アマ)
  ❷…天八衢(あめのやちまた)…天地をつなぐ
  ❸…顕国 (うつしくに)…
  …泉平坂(よもつひらさか)…地泉をつなぐ
  …泉津国(よもつくに)…泉(ヨミ)
 

◎母韻の系列
 ・(言初むる声)…開音の初め
 ・(言動かぬ声)
 ・(言動く声)
 (言令する声)
 ・(言助くる声)


◎五十音表の特徴 
 ・ラ行とワ行が入れ替わっている。
 ・音素記号を使用している。(ヰ、ヱ、ヲ)


◎言語神授観における天地泉の宇宙軸 
 ・宇宙自然の階梯と言語声音の発生とが関連づけられたもの。
 ・天地初発の道理と五十音図の体系が符号することは、奇霊(クシビ)である。


〈補足〉
◎顕国(うつしくに)である中津国の大地から黄泉国(よみのくに)が分化し、重く垂れていくようにウ声からオ声が分化する。こうしてウ→オ→アと、天・地・泉が分化して、はじめて上昇するイ声と下降するエ声とが分出する。そして、この五母韻の発生の様態は、天地泉の事を成し覚ませる神等のその神態に幽契しており、その大神たちの惟神(カムナガラ)なる語言語(ミコトゞヒ)に始まる。つまりこの五母韻の発生は、天地初発の道理に符号し、照応するものである。

◎宇音から拡大・展開して成立する五十音は、それ自身が今度は五母音と十父声へと還元され、最終的には宇音に戻っていく。


〈参考文献〉
◎鎌田東二「言霊の思想」p.178-181


桜


記事更新日:2026/02/07

日本語五十音「陽の位と陰の位」

アイウエオの五十音は、天地の神々、または宇宙の万物をあらわす祝詞として、古くから神事のなかで奉唱されてきました。アイウエオの五十音は、5個の母音と10個の父音から成り、これらを組み合わせることによって、天地の神々、または宇宙の万物を表現します。そして最後のン音(ウン)で五十音を一つに包含させます。

《アイウエオ五十音表:母音

ワラヤマハナタサカ
ヰリイミヒニチシキ
ウルユムフヌツスク
ヱレエメヘネテセケ
ヲロヨモホノトソコ
ン(ウン)

《アイウエオ五十音表:父音
ワラヤマハナタサカア
ヰリイミヒニチシキイ
ウルユムフヌツスクウ
ヱレエメヘネテセケエ
ヲロヨモホノトソコオ
ン(ウン)


アイウエオの五十音に、古神道の陰陽の原理を当てはめると、次のようになります。

陽から陰へ進む
陰の位 ←  ←  ←  ←  ←  ← 陽の位
ワラヤマハ ナタサカア
ヰリイミヒ ニチシキイ
ウルユムフ ヌツスクウ
ヱレエメヘ ネテセケエ
ヲロヨモホ ノトソコオ
陰の位 →  → → →  →  → 陽の位
陰から陽へ進む


〈参考文献〉
◎正気久会 p.86-87
国産み


記事更新日:2026/02/07
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