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The Knowing Way Japan(旧Gary Bonnel Japan)認定インストラクター&プロフェッショナルアカシックリーダー中島志保のブログです

ユニバーサルマインド主催《セミナー総合案内》

神殿とクリスタル

◆◇ アカシックレコードと覚醒◇◆


《オンライン定期セミナー》
◎毎週水曜 18:30~21:20
▶ハープと音楽ヒーリング

◎毎週木曜 20:00~21:00
▶マルセイユタロットと魔法の会


《オンライン特別セミナー》
◎10月の特別セミナー
▶日本語五十音と言霊占いの実践※10月開催




神殿



記事更新日:2026/04/28

オンラインセミナー《日本語五十音と言霊占いの実践》

神棚

日本語の五十音は、一つ一つの音が魂(たましひ)です。

江戸時代の言霊学者山口志道が編纂した水穂伝は、水と火(陰と陽)で神界の真理とつながるための実用書であり、天地万物が生成、成長、発展、完成し、またもとの状態に戻っていくという循環の仕組みを知ることのできる産霊(むすひ)の神業の奥伝です。

10月に、オンラインセミナー《日本語五十音と占いの実践》を4日間にわたり開催します。このセミナーでは、日本語五十音を用いた占いと、青、赤、白、黒、黄の五色(ごしき)を用いた占いを実践します。今世、日本に生まれてきた恩寵を、神とつながる占いによって一段と深めることができることでしょう。

4日目の最後には、神界の構造について明かします。

鳳凰

《セミナーの内容》
第1回:天を巡る「風」
 
・言霊占いの実践「天地を開く言霊」
 ・五色占いの実践「赤と青」
 
第2回:世を成す「水」
 ・言霊占いの実践「天地を成す言霊」
 ・五色占いの実践「黒と白」

第3回:地を造る「火」
 ・言霊占いの実践「変化を起す言霊」
 ・五色占いの実践「黄色について」

第4回:宙に還る「
土」
 ・言霊占いの実践「循環を促す言霊」
 ・五色占いの実践「布斗麻邇(フトマニ)について」


《実習》
◎言霊五十音カードを作る&占いの実践
◎五色占いカードを作る&占いの実践
◎水穂伝「オノコロシマの心の図」の使い方


《セミナーの日時》
第1回:10月11日(日)10:00~17:00
第2回:10月18日(日)10:00~17:00
第3回:10月25日(日)10:00~17:00
第4回:11月01日(日)10:00~17:00


《主催者プロフィール》
◎ユニバーサルマインド 代表 中島志保
◎ゲリー・ボーネル主宰 THE KNOWING WAY JAPAN 所属
・The Knowing Way Japan 認定インストラクター
・The Knowing Way Japan 認定プロフェッショナルアカシックリーダー

◎NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士日本招聘代表
・ニューコードNLPスクール代表
・NLPトレーナー

奈良時代に仁聞(にんもん)菩薩が開基した神仏習合の寺院を複数管理する家系に生まれ、10代の頃から六郷満山の中山仙境にて神道および密教の修行をする。20代からはイエズス会が運営する音楽大学で古今東西の聖なる儀式に使われる音楽を研究し首席で卒業。東洋と西洋の偏りなく、普遍的な叡知を学びつつ、幼少期からの神秘体験によって培われた神とのつながりをもとに、日本語の五十音の言霊を陰陽道の原理と捉え、日常の中で実践しています。


《定員》20名
《会場》Zoom を使ったオンライン

《会費》
◎4日間:40,000円(税込)※割引あり
 ❶言霊セミナー(4日間)に参加されたことのある方は、再受講料(半額)となります。
 ❷1日だけのお試し参加が可能です。受講料は1回1万円(税込)です。

◎ご入金確認後、本予約メールにて、4日分のZoom IDとパスワードをお知らせします。


《フリーパス制度のご案内》
月額40,000円(税込)で、ユニバーサルマインドとニューコードNLPスクールが主催するすべてのセミナーに参加できるフリーパス制度を実施しています。ご希望の方は「フリーパス希望」と明記してお申し込み下さい。ご入金後、すべての講座の Zoom ID とパスワードをメールでお知らせします。

※この講座を再受講20,000円(税込)で参加される場合、10月のフリーパス料金は30,000円になります。


《お願い》
◎ご入金後のキャンセルとお振り替えは不可とさせていただきます。
◎主催者の都合で中止となった場合は全額ご返金いたします。

◎お申し込みはこちらのフォームより承ります。

三種の神器

記事更新日:2026/10/01

オンラインセミナー《マルセイユタロットと魔法の会》

スピリチュアルな小物

*マルセイユタロットと魔法の実践*

マルセイユタロット全78枚の一枚一枚に込められた霊的な世界観を紐解きながら、タロットカードを使って占いをしたり、魔法を実践したりすることを目的としたオンラインセミナーを毎週木曜の夜に開催しています。マルセイユタロットを使った魔法の実践に興味のある方のご参加をお待ちしています。
宝石のブローチ
《セミナーの内容》
第1部「マルセイユタロットの叡知」
◎マルセイユタロットと古代の数秘
◎マルセイユタロットと古代の叡知

第2部「マルセイユタロットの実習」
◎マルセイユタロットを使った占い
◎マルセイユタロットを使った魔法

★オンラインセミナーのテキストはこちらです。
 ⇒マルセイユタロット総合案内(目次)


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《日時》
★毎月4回(木曜)20:00~21:00 
 ❶第1部 20:00~20:30
 ❷第2部 20:30~21:00


《日程》
◎10月の日程
・10月08日(木)❶易経「天」/❷タロット占い
・10月15日(木)❶易経「天」/❷タロット占い
・10月22日(木)❶易経「沢」/❷タロット占い
・10月29日(木)❶易経「沢」/❷タロット占い

◎11月の日程
・11月05日(木)❶易経「火」/❷タロット占い
・11月12日(木)❶易経「火」/❷タロット占い
・11月19日(木)❶易経「雷」/❷タロット占い
・11月26日(木)❶易経「雷」/❷タロット占い

◎12月の日程
・12月03日(木)❶易経「風」/❷タロット占い
・12月10日(木)❶易経「風」/❷タロット占い
・12月17日(木)❶易経「水」/❷タロット占い
・12月24日(木)❶易経「水」/❷タロット占い

◎2027年1月の日程
・01月07日(木)❶易経「山」/❷タロット占い
・01月14日(木)❶易経「山」/❷タロット占い
・01月21日(木)❶易経「地」/❷タロット占い
・01月28日(木)❶易経「地」/❷タロット占い


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《講師プロフィール》
◎マルセイユタロット占い師
 ・マルセイユタロットスクール主宰
 ・銀座イシス学院マルセイユタロット元講師
 ※著作権の関係でイシス学院で教えている内容には触れません。 

◎ゲリー・ボーネル主宰 THE KNOWING WAY JAPAN 所属
 ・The Knowing Way Japan 認定インストラクター
 ・The Knowing Way Japan 認定プロフェッショナル・アカシックリーダー


《定員》20名
《会場》Zoom を使ったオンラインによる開催
※聴講(お顔とお名前を出さない参加)も可能です。

《参加費》
◎1回(60分)3,000円(税込)
◎1ヵ月(4回)10,000円(税込)

《フリーパス制度のご案内》
月額30,000円(税込)で、ユニバーサルマインドとニューコードNLPスクールが主催するすべてのセミナーに参加できるフリーパス制度を実施しています。ご希望の方は「フリーパス希望」と明記してお申し込み下さい。ご入金後、すべての講座の Zoom ID とパスワードをメールでお知らせします。

《お願い》
◎ご入金後のキャンセルは不可とさせていただきます。
◎主催者の都合で中止となった場合は全額ご返金いたします。

◎お申し込みはこちらのフォームより承ります。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆  


◎マルセイユタロット購入先のご案内
 ・オンラインショップ「ペンタクル」
 ・オンラインショップ「カードの履歴」

◎初心者の方はイシス学院版タロットがお薦めです!
 ・マルセイユタロット(イシス版)全78枚フルデッキ



タロット



記事更新日:2026/09/29

オンラインセミナー《ハープと音楽ヒーリング》

ハープを弾く人

*ハープと歌によるヒーリングの実践*

ハープは、弦が何にも覆われておらず、完全に開放された状態で音を奏でる楽器です。そして、一本の弦を弾くと、そこからたくさんの倍音が生み出されます。

歴史を遡ると、ハープは、古代メソポタミアやエジプトの壁画に描かれていることから、4000年前には存在していたことがわかります。また旧約聖書には、イスラエルの王サウルが心の病を患ったとき、ダビデが竪琴を奏でて王の心を癒したという逸話が記されています。

ハープが生み出す豊かな倍音を肌で感じながら、天上の世界に誘われるような美しい旋律を奏で、聖なるひとときを持つことを目的としたオンラインセミナーを毎週水曜の夜に開催しています。ハープや聖なる音楽に興味のある方のご参加をお待ちしています。

ハープ

《セミナーの内容》
第1部「ハープを演奏する」18:30~20:30
さまざまな曲をハープで演奏します。楽譜が読めない方や音楽が苦手と思われる方も、ハープに興味のある方でしたらどなたでもご参加いただけます。

第2部「ハープを弾き歌いする」20:30~21:30
さまざまな曲をハープで弾き歌いします。歌詞の発音や声の出し方も丁寧にご指導いたします。ハープの弾き歌いに興味のある方でしたらどなたでもご参加いただけます。


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《日時》
★毎月4回(水曜)18:30~21:30 
※ご都合のよい時間だけの参加が可能です。

◎10月の日程
・10月07日(水)「ロマンス」(モルナール)※アンサンブル曲
・10月14日(水)「悲愴」(ベートーヴェン)
・10月21日(水)「メロディ」Ⅰ&Ⅱ(モルナール)※アンサンブル曲
・10月28日(水)「愛の挨拶」(エルガー)

◎11月の日程
・11月04日(水)「軍隊行進曲」(シューベルト)
・11月11日(水)「お人形の踊り」(モルナール)※アンサンブル曲
・11月18日(水)「コンチェルト」(ラフマニノフ)
・11月25日(水)「天には栄え」(メンデルスゾーン)

◎12月の日程
・12月02日(水)未定
・12月09日(水)未定
・12月16日(水)未定
・12月23日(水)未定


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《主催者プロフィール》
◎ユニバーサルマインド 代表 中島志保
 ・音楽家
 ・エリザベト音楽大学宗教音楽学部宗教音楽学科首席卒業
 ・古楽譜記号解読学、パイプオルガン専攻

幼少期からピアノを、高校から声楽(オペラ)を始めました。ベルギー王室の資産で創設されイエズス会が運営する音楽大学にて古代エジプトやギリシャの音楽、グレゴリオ聖歌など、聖なる儀式で奏でられた音楽を研究し首席で卒業しました。その後、式典専門の音楽プロデューサー、パイプオルガンやチェンバロ奏者として活動するとともに、音楽療法の経験を積んだり、ボイストレーニングを行う中、音楽が人々の心を整え、霊性を高めるものであるという確信を持ちました。2005年に意識と無意識を統合することの重要性を説くニューコードNLPに出会い、2016年よりNLP共同創始者ジョン・グリンダー氏の日本事務局を運営しながら、NLPを通じて周波数や倍音、日本語の言霊の研究にも取り組んでいます。

《音楽以外のプロフィール》
◎ゲリー・ボーネル主宰 THE KNOWING WAY JAPAN 所属
・The Knowing Way Japan 認定インストラクター
・The Knowing Way Japan 認定プロフェッショナル・アカシックリーダー

◎NLP共同創始者ジョン・グリンダー博士日本招聘代表
・ニューコードNLPスクール代表
・NLPトレーナー


《定員》10名 
《会場》Zoom を使ったオンラインによる開催

《参加費》
◎1回(3時間):3,000円(税込)
◎1ヵ月(4回):10,000円(税込)

《フリーパス制度のご案内》
月額30,000円(税込)で、ユニバーサルマインドとニューコードNLPスクールが主催するすべてのセミナーに参加できるフリーパス制度を実施しています。ご希望の方は「フリーパス希望」と明記してお申し込み下さい。ご入金後、すべての講座の Zoom ID とパスワードをメールでお知らせします。

《お願い》
◎ご入金後のキャンセルは不可とさせていただきます。
◎主催者の都合で中止となった場合は全額ご返金いたします。

◎お申し込みはこちらのフォームより承ります。


ハープ



記事更新日:2026/10/08

神易64卦:風山漸(ふうさんぜん)

易

風山漸(ふうさんぜん)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:巽(そん)すなわち風(ふう)
 ・下卦:艮(ごん)すなわち山(さん)



2.大象経
◎山上有レ木漸。君子以居ニ賢徳一。善レ俗。
 ・山上、木有るは漸なり。
 ・君子以て賢徳に居り、俗を善くす。



3.卦の解説
◎山中植木之象。
 ・山中、木を植えるの象(かたち)。

◎千里一歩之意。
 ・千里、一歩の意(こころ)。

山の上に生えている木が風に吹かれながら少しずつ成長していくというのがこの卦の象です。漸という字は、水が緩やかに流れて地形を変えたり、水が少しずつ満ちていく様子から、次第に、段々、漸(ようや)くという意味になりました。

この卦を得たときは、事業、学問、恋愛など何にしても、目に見える進歩やすぐに得られる結果を期待することなく、前に進んでいるのかどうかわからないほどゆっくりと、そして一つ一つ確実に進めていくことで吉となります。順序を厳守し、段階的に進めることで、想像以上のものが成就することでしょう。



山




4.神易とマルセイユタロット


08杯の騎士
玉



記事更新日:2026/10/15

神易64卦:風火家人(ふうかかじん)

易

風火家人(ふうかかじん)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:巽(そん)すなわち風(ふう)
 ・下卦:離(り)▢すなわち火(か)



2.大象経
◎風自レ火出家人。君子以言有レ物。而行有レ恒。
 ・風、火より出(いづ)るは家人なり。
 ・君子以て言ふこと物(まこと)有りて、行(おこな)ふこと恒(つね)有り。



3.卦の解説
◎従窓見月之象
 ・窓従(よ)り、月を見るの象(かたち)。

◎有気無形之意
 ・気有り、形無きの意(こころ)。

風が吹くことで火が燃え、その火は風を起こすことから、風が火と交わることで、風は火を盛んにし、外に向かって力を広げていくというのがこの卦の象です。家人とは家庭や職場、身近な人との関わりなど、内側の関係性を意味することから、風が火と交わるように、組織の中にある力が外へと広がり、利益や向上を得るというのが風火家人の意味です。

この卦を得たときは、家庭、職場、国家などさまざまなまとまりの中で、内なる火、すなわち偽りのない真心(まごころ)をもって、言葉や行動に一貫性をもたせつつ、他者のもつ力を尊重しながら組織を維持することを心掛けることで吉となります。


火



4.神易とマルセイユタロット


08杯の騎士
杯



記事更新日:2026/10/15

神易64卦:巽為風(そんいふう)

易

巽為風(そんいふう)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:巽(そん)すなわち風(ふう)
 ・下卦:巽(そん)すなわち風(ふう)



2.大象経
◎随風巽。君子以申レ命行レ事。
 ・随(したが)ふ風は巽(そん)なり。
 ・君子以て命を申(かさ)ね、事を行ふ。



3.卦の解説
◎䬝風覆舟乃象
 ・䬝風(こうふう)、舟を覆(くつが)へすの象(かたち)。

◎枝折幹仆之意
 ・枝折れ、幹仆(たを)すの意(こころ)。

巽為風とは、風が重なるという意味があり、風の徳を宰ります。前の風が吹き去ると、すぐに後の風がそれに従って吹くというのがこの卦の象です。巽の字源は、共という字の上に二つの己(シ)が並んでいることから、祭壇の前で人が並んでひざまずき神意に従う姿を表します。

風が次々と吹いているとき、海に浮かぶ舟は転覆します。あるいは大地に立つ木々は倒木します。しかしその風に対抗するのではなく、その風の意のままに動いてみると、倒れることなく、風と同じ方向に進むことになります。

この卦を得たときは、上に対しても下に対しても同様に、相手の意向に従うことで吉となります。それは服従するということではなく、軽やかな態度で沿うという意味です。その従順さと謙虚さが方向を変えるきっかけにもなり、佳き出会いを生み、さまざまな助けを得ることとなるでしょう。


鳥



4.神易とマルセイユタロット


08杯の騎士
杖




記事更新日:2026/10/15

神易64卦:風天小畜(ふうてんしょうちく)

易

風天小畜(ふうてんしょうちく)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:巽(そん)すなわち風(ふう)
 ・下卦:乾(けん)すなわち天(てん)



2.大象経
◎風行ニ天上一少畜。君子以懿二文徳一。
 ・風、天上を行くは小畜なり。
 ・君子以て文徳を懿(よ)くす。



3.卦の解説
◎暁風残月乃象
 ・暁風、残月の象(かたち)。

◎相親相疎之意
 ・相親、相疎の意(こころ)。

風が天の上を吹き、その風は止まらないようではあるが、必ず僅(わず)かに止まることがあるというのがこの卦の象です。天上にある風は、あるときは強く激しく、あるときは弱く緩やかに吹き回り、暗雲を吹き払ったり、青空に浮かぶ雲をさまざまな形に変化させたり、空中でさまざまな美しい形象を創作しています。

心にゆとりのある人は、このような天が生み出す自然の創作物を見て心を動かされ、絵にしたり、詩や音楽にしたりして、自然界との親しみをもつことができます。

この卦を得たときは、地上における目先の動きや変化が表れにくいことから、しばらくは天からもたらされたもの、すなわち古くから伝わる佳き書物や教えに触れ、大いなる天の計らいのもとで自分自身が生かされ動かされることに氣を留め、内なる徳を温めることで吉となります。


五重塔



4.神易とマルセイユタロット


08杯の騎士
剣



記事更新日:2026/10/15

神易64卦:天山遯(てんざんとん)

易

天山遯(てんざんとん)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:乾(けん)すなわち天(てん)
 ・下卦:艮(ごん)すなわち山(さん)



2.大象経
◎天下有レ山遯。君子以遠ニ小人一。不レ悪而厳。
 ・天の下に山有るは遯なり。
 ・君子以て小人を遠ざくること、悪(にく)まずして厳にす。 



3.卦の解説
◎貴人隠山之象。
 ・貴人、山に隠れるの象(かたち)。

◎鑿井無泉乃象。
 ・井を鑿(うが)ち、泉無きの意(こころ)。

天は限りなく高いことから、天はこの上ない貴さを表します。一方、天の下にある山は、いくら高く聳(そび)えていても、天の高さには届かず、天と山とは無限にかけ離れています。高いものと低いものの二極が進み、低いものが害となる兆しもあります。

この卦を得たときは、まずこの世界には高いものと低いものがあることを意識して、低いものに引きずられて高いものを見失わないようにすることで吉となり、人生をネガティブな方向に引っ張るものから自然と遠ざかっていくことを示しています。

暗転しやすいことから、現状からいったん退避して、独りの時間を持ちましょう。そして、志(こころざし)の低い人よりは高い人と会い、不潔なものよりは清潔なものを身に付け、室内を整頓し、濁ったものではなく清らかな空気や水に触れることで、害のあるものから遠のき、好転します。


和室



4.神易とマルセイユタロット


04剣の騎士
玉



記事更新日:2026/10/15

神易64卦:天火同人(てんかどうじん)

易

天火同人(てんかどうじん)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:乾(けん)すなわち天(てん)
 ・下卦:離(リ)▢すなわち火(か)



2.大象経
◎天與火同人。君子以類レ族弁レ物。
 ・天と火とは同人なり。
 ・君子以て族を類し、物を弁ず。



3.卦の解説
◎闇夜揚灯乃象
 ・闇夜(あんや)、灯(ともしび)を揚(あぐ)るの象(かたち)。

◎管鮑分金之意
 ・管鮑(かんほう)、金(きん)を分(わか)つの意(こころ)。

上に天があり、下に火がある象です。火は燃えながら上方、すなわち天の方へ向かって昇る性質があります。つまり下にある火は上にある天と志(こころざし)を共にすることから天火同人(どうじん)という名が付けられました。

天と太陽は同じものではありませんが、私たちから見て高いところにあり普遍的に存在するということで性質は同じです。また、太陽と人は同じものではありませんが、内なる光を外側に放ちながら存在するということで性質は同じです。

この卦を得たときは、人それぞれ生き方や行動のしかた、考え方は異なっていても、その異なるものの中に同一の魂、あるいは志(こころざし)が存在するということをが示されることから、利己的な心を抑え、利害を超えた高い視点でこの世界を見ることで吉となり、あたたかな親しみからさまざまな恩恵が生まれます。


蛍



4.神易とマルセイユタロット


04剣の騎士
杯


朝日



4.神易とマルセイユタロット


04剣の騎士
杯



記事更新日:2026/10/15

神易64卦:天風姤(てんぷうこう)

易

天風姤(てんぷうこう)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:乾(けん)すなわち天(てん)
 ・下卦:巽(そん)すなわち風(ふう)



2.大象経
◎天下有レ風姤。后以施レ命誥ニ四方一。
 ・天の下に風有るは姤(こう)なり。
 ・后(きみ)以て命を施して四方に誥(つ)ぐ。



3.卦の解説
◎菓在樹頭乃象
 ・菓(木の実)、龍頭に在るの象(かたち)。

◎凰出遇鸞之意
 ・凰(ほう)出で、鸞(らん)に遇(あ)ふの意(こころ)。

天の下に風があり、その風は四方にあまねく吹き渡ります。地上の万物は、時と場所にかかわらずその風と出会います。天風姤(てんぷうこう)の姤(こう)という字は、邂逅(かいこう)の逅(こう)と同じく、思いがけない出会いや偶然の出会いを意味します。

后(きみ)という字は、時と場所に応じた命令を発布して天下四方の民に告げ諭すことを表します。これは、乾(天)の中に少しだけ水(陰)の要素が加わることで起こります。天風姤とは、天の息吹を地上にもたらすことで、地上に積み重なった垢(あか)を消し去るという意味もあります。

この卦を得たときは、天からの機(きざし)、すなわち直観を得ることと、その直観をもとに臨機応変に行動することで吉となることが示されています。それにより、これから先、悪いことをもたらす陰性は消滅し、天から守られることでしょう。


風



4.神易とマルセイユタロット


04剣の騎士
杖



記事更新日:2026/10/15

神易64卦:乾為天(けんいてん)

易

乾為天(けんいてん)



1.八卦
◎上卦と下卦
 ・上卦:乾(けん)すなわち天(てん)
 ・下卦:乾(けん)すなわち天(てん)



2.大象経
◎天行乾。君子以自彊不レ息。
 ・天行(てんいく)は乾(けん)なり。
 ・君子以て自ら彊(つとめ)て息(や)まず。



3.卦の解説
◎龍示変化乃象
 ・龍、変化を示すの象(かたち)。

◎万物資始之意
 ・万物、資(と)って始まるの意(こころ)。

乾為天は八卦の一つである乾(けん)の象をそのまま表す卦です。乾(けん)の字源は、夜が明けて太陽が昇りはじめる様子を表す倝(かん)と草木が伸び出る様子を表す乙(おつ)を組み合わせたもので、日が昇ることで夜の湿り気を蒸発させるという意味があります。

太陽は常に運行しているように、神の御業(みわざ)も万古極まりなく(永遠に止まることなく)森羅万象を生成し、一切のものを組織あやなし、調和あらしめ、流れる水は腐らず、物は蝕まれることはありません。

この卦を得たときは、神の御業に触れる兆しというものが示されていることから、太陽が常に運行している天のすがたを心に留め、自らも積極的かつ前向きの姿勢で進んでいくことが吉となります。


朝日



4.神易とマルセイユタロット


04剣の騎士
剣



記事更新日:2026/10/15

易について

1.易について

◎易について
中国の神話によると、伝説上の帝王の一人、伏羲(ふつき)が、天の象を仰ぎ観、地の法を究め、天地自然の原則となる八卦(はっけ)を創案したとされています。この八卦と八卦をそれぞれ組み合わせて六十四卦にしたものが、後に易経となります。

〈八卦(はっけ)〉
 ・乾(けん)…天
 ・兌(だ)…沢
 ・離(り)…火
 ・震(しん)…雷
 ・巽(そん)…風
 ・坎(かん)…水
 ・艮(ごん)…山
 ・坤(こん)…地


◎易経とその発展
中国王朝殷代(紀元前12世紀から紀元前11世紀ごろ)の周国の君主・周文王(ぶんおう)は、易として伝わる六十四卦それぞれの卦を一つ一つ解説する彖辞(たんじ)を考案しました。さらに文王の息子である周公旦(こうたん)は、六十四卦それぞれの爻(こう: 横棒)を一つ一つ解説する三百八十四の爻辞(こうじ)を考案しました。現在、彖辞(たんじ)は卦辞(かじ)、爻辞は象辞(しょうじ)と呼ばれています。そして春秋時代(紀元前770年から紀元前403年ごろ)になると、孔子が易経を研究し、易経を補足する10編の書物(十翼)を書きました。中国王朝漢代(紀元前206年から西暦220年まで)になると易経は儒教の経典「四書五経」の中の学問の一つとなり今日に至ります。

◎元来の易
伏羲は森羅万象を表象する八卦を二つ組み合わせた六十四卦と、その象の読み方を示した大象経(だいしょうきょう)を創案し、神農は彖易(断易)を伝えました。この大象経と彖易が本来の易であり、彖辞と爻辞は後世に加えられたものです。易は森羅万象を創造した神に触れて直観を高めるために使うものであり、頭で理解するための細かな解釈は神とのつながりを邪魔するものとなります。つまり、それぞれの卦から何を得るかは元来、各人の器量に任されるべきというのが占いの自然の姿であり、占いにはそれを解説する書物が不要なのです。



2.神易について
◎易の起源
江戸時代の国学者平田篤胤(あつたね)は、中国の伝説上の帝王(三皇五帝)や神話の起源を考証した書籍「三五本国考(さんごほんこくこう)」と易について検証した書籍「太昊古易伝(たいこうこえきでん)」において、易の起源は日本の神であり、易を創案したとされる伏羲は大国主神(おおくにぬしのかみ)の化身であると説きました。そして伏羲と女媧(じょか)については、伏羲が大国主神、女媧はその后神(きさきがみ)である須勢理毘売命(すせりびめのみこと)と断じています。

◎神易
神易(しんえき)とは、古くは太占(ふとまに)などといい、日月星辰(じつげつせいしん)の運行や森羅万象の生成変化などを支配する天地の玄則に則って、天の神である皇産霊神(みむすひのかみ)である八神が教え伝えたものです。平田篤胤の弟子である角田忠行(ただゆき)は、神易について、皇産霊神が太陽神界において天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)の御心をうかがい奉ったことで始まったとし、この世においては大国主神がこの神術を以て人々を教え導いたと述べています。



神社



記事更新日:2026/10/15

神易64卦とマルセイユタロット

1.神易とタロットの組み合わせ
◎1
◎2
◎3
騎 騎 騎 騎
玉 杯 杖 剣
陽 陽 陽 陽
陽 陽 陽 陽
陰 陰 陽 陽
陰 陽 陰 陽
◎1
16玉の騎士08杯の騎士12杖の騎士04剣の騎士
◎1
◎2
◎3
玉 杯 杖 剣
陰 陰 陽 陽
陰 陽 陰 陽

◎1
玉杯杖剣
◎1
◎2
◎3
Ⅰ.騎士のカード
◎天
 ・天天(騎士剣+剣):乾為天(けんいてん)
 ・天風(騎士剣+杖):天風姤(てんぷうこう)
 ・天火(騎士剣+杯):天火同人(てんかどうじん)
 ・天山(騎士剣+玉):天山遯(てんざんとん)

 ・天沢(騎士杖+剣):天沢履
 ・天水(騎士杖+杖):天水訟
 ・天雷(騎士杖+杯):天雷无妄
 ・天地(騎士杖+玉):天地否

 ・風天(騎士杯+剣):風天小畜(ふうてんしょうちく)
 ・風風(騎士杯+杖):巽為風(そんいふう)
 ・風火(騎士杯+杯):風火家人(ふうかかじん)
 ・風山(騎士杯+玉):風山漸(ふうさんぜん)

 ・風沢(騎士玉+剣):風沢中孚
 ・風水(騎士玉+杖):風水渙
 ・風雷(騎士玉+杯):風雷益
 ・風地(騎士玉+玉):風地観


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記事更新日:2026/10/15

易経を用いた占術(目次)

伊邪那岐伊邪那美
◎1
◎2

Ⅰ.易について
◎易について ※テキスト10/08
 ・易について
 ・神易について
◎1
◎神易64卦とマルセイユタロット ※テキスト10/15
 ・神易とタロットの組み合わせ
 ・騎士のカードと16卦
 ・◎◎のカードと16卦 ※11月(予定)
 ・◎◎のカードと16卦 ※12月(予定)
 ・◎◎のカードと16卦 ※01月(予定)
◎1
◎2
◎3



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記事更新日:2026/10/15

フトマニノミタマ(布斗麻邇の御灵)

布斗麻邇の御灵は、天地自然の神躰にして、自邇(ジニ)なる神の教へなる事を説。さて、其躰と云は、目に見えさるの水火を神(火水)と云、目に見ゆるの火水を、是をヒミヅとも、ヒトとも号(なづ)くる也。其(その)目に見えさるの躰を、目に見せしむるの教えは、此御灵の形也。一円形にして、八に割(さき)わかれて、一けた毎に五十言の五字一行を書て合するときは、一円の灵となり、開くときは大八嶋の形となる。是を、相と号(なづく)る。然るに、今此御灵の神宝をは、何れの処にか鎮坐し玉ふや。答て云く。丹波国桑田郡上佐伯村、御灵大明神是(これ)也。年々七月十四日、神事にして、禁裡御所より御献燈これあり。

p.376
又、下佐伯村に稗田八幡宮有(あり)。是は、彼(かの)古事記を書故を以(もて)、阿礼か灵を此(ここ)に祭り玉ふ。其外、大阪生玉明神、是等(これら)はいまた志道の拝せさる処也。次に、名を解(とか)は、先(まづ)布斗麻邇の名の出る所は、古事記神代巻に一、二ヶ所あり。初めに、イサナキ、イサナミの二柱の神、みとのまくはいし玉ふ所に、天つ神に申し玉ひて、布斗麻邇の御灵に占(ウラ)へての玉ふと云事有。又、押穂耳(ヲシホニ)の尊、此国に下り玉ふ時、諸(もろもろ)の神の臣達添て降らるゝ時、天津小屋根の尊は神業の元(モト)を能(よく)しれりとて、布斗麻邇の占(ウラヘ)ことを以(もて)、つかへて降り玉ふとあり。今一ヶ所、中巻三十九右、伊久米伊理毘古(イクメイリヒコ)、伊佐知(イサチ)の命、沙本毘売(サホヒメ)の命、娶合(ミアヒ)有て、王本牟知和氣(ミコホムチワケ)の命を産。是(この)御子、八拳鬚(ヤツカヒケ)心前(むなさき)に至るまで、真事(まこと)とはす。かれ、ここに高行(たかゆく)鵠(カサヽキ)の言をきゝ、初めてあきとひし玉ふへき。其鳥もちて奉りき。其鳥を見玉へは、ものいはんとおもほして、おもほすか如くいひ玉ふことなかりき。こゝに、すめらかみと憂ひ玉ひて、み子(ね)ませるとき、夢にさとしたまはり、あかみやをおふきみのみあらかのこと作り玉はゝ、みこ必(かならず)まこととはん。こゝに、すめらかみと憂ひ玉ひて、み子(ね)ませるとき、夢にさとしたまはり、あかみやをおふきみのみあらかのこと作り玉はゝ、みこ必(かならず)まこととはん。かくさとし玉ふとき、ふとまにの御灵にうらへて、うつけかみのみこゝろそともとむるに、そのたゝりは、いつものおほかみのみこゝろなりき、等とあり。しかれは、天津児屋根の命とは、布斗麻邇の占(ウラ)へことを宰とる役をもて、藤原氏の祖にして、水火の伝への御先祖なり。

p.377
然れは、布斗麻邇の御灵は、万物のおこりをはりの神業を知の御灵なること明也。水火は即、天地の躰のいき也。万物の主のいきなり。天地のいき順還する時は、国土安穏也。呼吸の息順還するときは、其人病なし。其息の動くに随ふて、自然に音を発す。是即、五列十行の五十言也。五十言と差別(ケチメ)するは、いき開合する故也。今、此布斗麻邇の御灵は、いき開合の根元を知(しる)の神宝ゆへに、此御灵を以(もて)推量るときは、儒仏はさら也、天地の間に教ふへき道に響かさる事なし。文字(フミ)なき時の教へなれは、更に文字に依(よら)ねとも、天より是を見る如く、地より是を聞如く、彼に闇(くら)く、是に明なりと云(いふ)差別(ケチメ)なし。是、人の教にあらす。人の業にあらす。神業にして、神の学ひなる故也。彼(カレ)に明なれとも、是に闇しと云は、文字(フミ)に依(よら)されは知す、依所(よりどころ)なけれは明ならすと。是と彼とを見合せて、押量るものは、人の業、人の学ひたる故也。今、仰いて以(もて)みれは、布斗麻邇の占(ウラ)へことは、久堅の天にしては、イサナキ、イサナミの御代に始まり、あらかねの地にしては、天津児屋根の尊、是を宰とる。然るに、人の代なりては、布斗麻邇の御名を知人(しるひと)も稀(まれ)也しか、此度杉菴志道、御灵の理(ことはり)を悟りて、万物の理を尽す故に、神代の学ひと云(いふ)を学へり。

p.378

右を勅許ありしも、宜(むべ)なるかな。時に、御灵の名義は、布斗麻邇のフは吹くこと。トは與むこと。マはまとかのこと。ニは水火の二つのこと。右の心は、火ふきて、水にくみて、まとかにいきこると云御名也。水火陰陽與合(クミアヒ)しを、教ふるの御名也。又、フトの反ホ、マニの反ミ、ホは正火の火の灵にして、ミは水中の水の灵也。即、火水の形を顕はすの御灵なる事を顕すの御名也。又、布斗麻邇の御名を、数(カス)の御伝へに会するとき、ヒフミヨイムナの七言、是(これ)自(おのづから)数(カス)の御灵と、其理(ことはり)自然と契当する也。先(まづ)ヒフミヨ。是は御灵ては、布斗(フト)の事也。イムナとは、御灵てはマニの事。それは如何と云に、ヒフミヨとは、ヒは火也。フは吹こと也。ミは水也。ヨは與事。是、火を吹て水に與(クム)と云こと。員(カス)の御灵ては、ヒフミヨと云教へ也。イムナと云は、イはイキのこと。ムはムツムこと。ナは幷(なら)ふことにして、即(すなはち)火吹て、水に與(クミ)、いきむつみならぶと云ことなれは、即布斗麻邇(フトマニ)の御灵の四言の御名を、七言に開きたる也。同く、いきの離合(クミハナレ)を教ふる御名也。御灵と数の御伝へとは、唯(ただ)開合の異なるのみ。先(まづ)、一粒の籾(モミ)、自(オノツカラ)春になると籾の胎内に火ふき、ふくれて夏になり、苗代に蒔て水に浸すか、是(これ)火水與(クム)所也。

p.379
是、與(クム)の始め也。又、員(かす)の御伝ては、ヒフミヨの四言に当る月に配しては、正月より四月なり。それより、正しく随かひて、地に與(クム)か水火(イキ)のむつむ所也。員の御伝ては、五六(イム)に当る。月に当れは、五月、六月に当る。それより、弥(いよいよ)いきむつみて花開(サキ)幷(ナラ)ふか、員の御伝へては七(ナ)に当たる。月に配すれば七月に当る。七月は、一切の万物始めて実を結ひ始むる時也。二つのいき、始めて一つのヽ(ホチ)の中に入なり。故に、七月七日に星合する。是(これ)、空に星と云者(いふもの)別に有て、相逢と云事には非す。ホシと云ことを解は、ホは正火の灵。シは昇水の水の灵也。六月まては、陽の火盛りにして、七月に至り、始めて陰の水氣に與(クミ)凝(こ)りて、土一つになるをホシ(星)と云。又、七夕(タナハタ)と云タは灵也。ナは幷ふ也。ハは火水(イキ)の二つのこと。タは列なること。二つの火水(イキ)の灵、幷ひつらなると云詞(ことば)にして、水火(イキ)の二つに與(クミ)て、竟にヽ(ホチ)になる所をナと云。幷ふと云こと、水は女、火は男、一夜の契(ちぎ)り也。終りた所に寄(よせ)て、設けた祭也。実は形なきを、形ある物に寄て設けて祭る也。自然のヽ(ホチ)より天地開け、天地和合して、万物を生する理を顕はして、即(すなはち)天地を祭る也。人は小天地なり。小を以(もて)大を知(しら)しむる祭りにして、必しも私に祭るとは惑ふへからす。又(また)生れての後(のち)七夜を祝ひ、又(また)七歳を祝ひ、正月の七日七草、七月の七日は秋の七夕也。其(その)春の七草の言を解は、ナは與(クム)こと、サは少なき也。

p.380

万物のイキ(火水)、與(クミ)そめの兆しを祝(イワフ)の名也。七夕は、既(すでに)とく。知へし。如レ此(かのごとく)名をなして、万物のみのりの数は、七つの数に極まる也。故に、七草はイキの與(クミ)そめ也。七つの数を以(もて)與(クミ)そめ、與(クミ)終りを顕はすゆへ、今此(この)布斗麻邇の御灵の名は、ヒフミヨイムナヤの七つの員(かず)に充(アテ)て、陰陽(イキ)與(くみ)て万物を生する事を教ふることの神宝故に、神代の巻には、彼二柱の神ミトノマクハイし玉ふ時に、イキ與(クム)の法(ノリ)をたかひて、女神よりアナニヤシエヲトコヲとの玉ふゆへに、ミコふさわず。ミコとは、水の凝也。これ、ヲミナ(女)の水、ヲトコの火に先たちしゆへ也。故に、天つ神申して、布斗麻邇にうらへて其法則(ノリ)改めて、先(まづ)男の火、水に入か故に、目出度(めでたく)国を産玉へり。国の詞は、クニの反キ也。キは影の火の灵にして、火を産玉へりと云こと也。是フトマニとは、火ふくれふきて、水に與(クム)と云教へなる故也。水より火に與(クム)にあらす。火より水に與(クミ)て、万物起さしむるの御名也。一切諸(もろもろ)、この法則に違(タガ)ふ時は物ならす。君臣父子夫婦兄弟、皆(みな)火水のいきの理也。君臣即(すなはち)火水の理、乃至(ないし)子孫又(また)父子にして、火水の理也。君臣火水の理に違(たが)ふときは、国不レ治。父子夫婦兄弟、同しく理に違(たが)ふ時は、家不レ治。皆、布斗麻邇の御灵に占(うら)へさるの故也。今、此五列十行の音も、水火離合動静によりて出る所の音の故に、此布斗麻邇の御灵に占へるときは、言々の根本を尽し、万物の音、何れのイキなること知れず云ことなし。

p.381
問曰。神代の巻の布斗麻邇の御灵と、今(いま)志道か家に崇めて伝へる御灵と同しきや、異なりや。答曰。意味深趣あり。曰、一にあらす、異にあらす。神代の巻の布斗麻邇の御灵と称するは、今志道か家に崇むる御灵の如き形をなしたる物にあらす。直に、天地陰陽の火水のイキの理をさして、御灵と号(なず)け玉ふ。即、上に云(いふ)御灵の開合、即(すなはち)離合動静にして、万物を生するの理にして、形ありて目に見る物にあらす。然れは、是を見聞ものは、千早振神の業にして、今人の代となりては、天地(イキ)万物を生するの理はあれとも、たゞ天地(カミ)のみ是を聞玉ふ。人は唯(ただ)、神の御伝へを聞て信するのみ。凡(おおよそ)人々を見ることあたはさるの神秘を、形をかりて見せ玉ふか、志道の家に伝はる御灵也。幷(ならひ)に、中に列子(つらね)たる五十言の形仮名は、もと五十言の音も、音にのみ有て形なし。依(より)て、形なき音を目に見せるか形仮名なり。故に、神代の巻の布斗麻邇の御灵に占(うら)へてとあるは、形ある物には非す。直に其灵、理をさす。其理に占へたる也。御灵の理をは、形あるやうに布斗麻邇の御灵に占へてとあるのは、是か神代巻の神秘也。更に、神代巻の一切に、二柱の神まくはいの法則を知玉はさりし時、せきれい鳥来りて、其尾を動かして教へしとある。此せきれいと云も、実の鳥と思ふは非也。如何と云に、二柱の神みとのまくはい玉ひて、諸有(アラユル)国々山々鳥獣草木まで産玉ふ。

p.382
それをは、いまたまくはいしたまはぬ先に、せきれいの鳥あるへきや知へし。せきれいとは何物そや。是、漢名也。和名は、トツキヲシヘ鳥と云。此名を解は、トは與(クム)こと。ツは連なること。キは水火(イキ)のこと。是、水火のいき、くみつらなることを教ふると云名也。そこを、トツキ教へ鳥と云たもの也。水火(イキ)と男女與(ヲメクミ)つらなるか、トツキ也。水火與(イキクミ)連なるは、是(これ)即(すなはち)布斗麻邇也。別のものに非す。既(すでに)説(とく)如(ごと)く、火水與(クミ)連(ツラ)なる所は、其理(ことはり)人の目に見えさる故に、後に人の目に見せん為に、尾頭を動かす鳥の形を借て顕はすか、神代の巻の神秘也。此神秘を、中古の国学者実を知すして、せきれいと誠の鳥と思ひ、大八島とあれは、西国に在(ある)八島と思惑ふ者は、己(ヲノレ)人の眼を以(もて)神代の神秘を見ることにして、神秘なる神代の巻を猥(みだり)に窺(うかが)ふ故也。陰陽火水和合の理(ことはり)は、心なき草木、慮(おもんぱかり)なき鳥獣迄も、教へすして自然と知。

何况(いわんや)、二柱の神、吾産なせる鳥に教へられて、天地水火和合して、国を産の理を知玉はんや。それに、神代の巻に天つ神に申して、布斗麻邇に占へてとある、又せきれいに教へられてと有は、是神秘也。

然れは、志道か家に古くより伝はる布斗麻邇の御灵は、何れの神、何れの人の作り玉へる事は知ねとも、人の目の見えさるの天地火水自然の理を、目に見するの法則也。水穂の法(ノリ)を暁(さと)り、万物をたゝす御宝也。又是、神の代を治め玉ふの道也。教也。然れは、理は一也。形を見るは別也。依て、一にもあらす、異にも非すと申す也。
(山口志道「言霊秘書」p.375-383)


火水


 
記事更新日:2026/10/10

イナリ(稲荷)とキツネ

2.稲荷の古伝について

二に、稲荷の古伝ちふものは、自然の神書(カミフミ)なることを説。それに、二つ始めに、古伝の来意を説。二に、古伝の一言の法則を説也。始めに、由来とは、太の朝臣安麿の古事記製作は、和銅四年(辛亥)の九月より始めて、同く五年(壬子)正月、上皇へ奉まつる。又、山城国稲荷の宮は、和銅四年(辛亥)二月の造営なり。是に依て、伏て考ふるに、古事記の製作はあれとも、若(もし)や言灵の道すたれて、末の代に渡らんかと恐慮りて、五十連の一言の法則と、水火(イキ)の形を記したるを、稲荷の神躰として納め玉ふかと見ゆ。是、志道の考也。然れとも、幾百年の間知人(しるひと)もなく、享保の頃、荷田の東麻呂、稲荷の古伝を社務より伝へらる。然れとも、時至らすして、其学ひを続人(つづくるひと)もなく、徒に荷田の訓之迄(まで)伝来して、訓之是を杉庵志道に伝へて、志道に至りて始めて、布斗麻邇の御灵に引合せて、稲荷の古伝は御灵より分れたる水火のイキの形にして、天地の氣を知の御伝なる事を悟り得たり。是に依て、今吾末代に有て、是を聞事を得たり。曰、何故に五十連の法則と、水火の形を稲荷の神躰とせしや。稲荷と云名を説ときは、自(おのづから)其躰を知へし。先、稲荷の名を説(とか)は、出入の息の神なりと云こと。イはイキ也。ナはナラブ也。リは出入のイキのリにして、イキナラブ リと云こと。息のならふとは、出入の息のならふリ故に、ナリの反二と、出入の息の二つならぶを、名にせし神也。故に、稲荷(イ子ニナフ)の字を書、イ子ニナラフの文字をかる。イ子は水火の根也。荷(ニナフ)はナニナラブこと。出入の息の根、二つならふと云こと。イキの根は、即命也。故に、天地の水火(イキ)、万物の命を宰るを以(もて)、長命を願ひ、福(さいは)ひを求るは、此(この)いはれ也。爾(しか)れは、何(いづ)れより云ても、稲荷と云は、イキナラフと云こと。其(それ)イキノナラヒ也。形(かた)ちは、此五十連の音也。故に、此五十音に、一言の法則と、水火の形(かた)ちを印し、是を稲荷の神躰として玉ふ事なり。此ゆへに、イキの御伝には、此神にしくへからす。稲荷と云名を説ときは、自(おのづから)其躰を知へし。先、稲荷の名を説(とか)は、出入の息の神なりと云こと。イはイキ也。

p.384
ナはナラブ也。リは出入のイキのリにして、イキナラブ リと云こと。息のならふとは、出入の息のならふリ故に、ナリの反ニと、出入の息の二つならぶを、名にせし神也。故に、稲荷(イ子ニナフ)の字を書、イ子ニナラフの文字をかる。イ子は水火の根也。荷(ニナフ)はナニナラブこと。出入の息の根、二つならふと云こと。イキの根は、即命也。故に、天地の水火(イキ)、万物の命を宰るを以(もて)、長命を願ひ、福(さいは)ひを求るは、此(この)いはれ也。爾(しか)れは、何(いづ)れより云ても、稲荷と云は、イキナラフと云こと。其(それ)イキノナラヒ也。形(かたち)は、此五十連の音也。故に、此五十言に、一言の法則と、水火の形(かたち)を印し、是を稲荷の神躰として玉ふ事なり。此ゆへに、イキの御伝には、此神にしくへからす。

さて、稲荷の神に狐の仕ることは云何(いか)ん。先、此狐に二種あり。一に、キツ又(また)キツ子と云あり。形の別なるに非す。其業の異なる也。今の世になりては、共にキツ子と云(いひ)習へり。そのキツと号(なづ)くる者は、野狐也。

故に、万葉に、夜か明けはきつにはめなてくたかけのまたきになきてせなをやりつゝ。是等は、キツと云て野狐のこと也。漢名には、一名紫野。或る記に、古婬婦あり、其名 紫夜と云。生なから化して狐となる。自ら紫夜と称すと。分類聚に、野狐一名紫夜、尾をうちて火を出す。みな是らは、野狐のこと也。吾国にては、古は野狐を只キツと云て、キツ子とはいはす。其例、上に引(ひく)万葉集等の如し。

p.385
しかれは、後の世に及ひては、是等の法則乱て、野狐のことをもキツ子と云になれり。扶木集(扶木和歌抄)に、花を見る道のほとりの古る狐かりの色にや人まよふらん。是等は、野狐のことを狐とある。其外、本草網目、白氏文集なとに、キツのことをキツ子とかなが付てあり。然れとも、全躰はキツとキツ子と、元(もと)別なる者にして(顕云僻説笑ふへし和銅四年の勧請の稲荷なり夫に仕ふる獣の名を開闢より付てあるへきや又伝言灵の神獣を仕ふことはなにことそや可レ笑)、今、稲荷神のいつかはしめるキツ子にして、キツにあらす。名は替(かは)れとも、其形(かたち)見分難し。其業異(こと)なるによりて、名を別にするなり。先、キツ子と云名を解(とか)は、キは水火のイキのこと。ツは列ること。子は根にして、水火(イキ)の根につゝきつらなると云名なり。故に、命長くして、水火のイキを宰る神に仕ひ奉るなり。また、キツと云キは、つらなると云ことにて、人のイキにつらなりて、人をまよはす。又、タハムの三言を反すとツにして、たはむれて人を迷はすの名になる。是は、野狐の名なり。これ、形同しけれとも、業異なるかゆへ、名を別にする也。俗に考ふれは、人面獣心の如し。古言の法則なり。狐の鳴声を聞に、諸の獣にすくれて、イキにかしこきこと明著(あきらか)なり。如何と云に、彼(かの)狐の鳴声、クワンとなき、又コンとなく。是、カキクケコの音にして、アウムの二音に響かせ、カ行は暉火の灵にして、差別を宰る。アウムの二音、其躰空虚にして、無尽にしからしむるの音なり。故に、古伝にもある空中の水灵にして、無にして有なりと有て、故にア字本不生不可得有也と云も、又(また)此アウムの二音によりて無にあらす、有にあらす、不可得の音なり。
p.386

其、真言の金胎両部の曼多羅は、アウムの二音の外なし。アは胎蔵界、ウムは金剛界。アは躰にして、ウムは用なり。今、神代の学ひよりは、アは空水の灵にして躰、其まゝウムと水灵か火に入交て用となる。是を火中の水と云。故に、キツ子陰氣に惑ひて、声をなすときはクワンと云(いひ)、陽氣に惑して声を起すときはコンと鳴。これを俗人、狐のコンコンと鳴ときは福(さいは)ひ来るなとと云も、陽氣発するゆへなり。如レ此、自然と陰陽水火の理にかしこきこと、もろもろの獣にすくれたるか故に、イキの神の稲荷のつかはしめとなるも、亦(また)是(これ)自然の道理なり。顕云あまり長き解にて退屈せり。

二に、稲荷の古伝の法則を解かは、此言灵一言の法則は、稲荷の神躰にして、いきの元を尽し、音を活用(はたらか)しむるを、さとらしむるを、教ゆるの御伝なり。
(山口志道「言霊秘書」p.383-386)


稲荷とキツネ 
記事更新日:2026/02/20

コマイヌ(狗)

◎言霊マ⓫
狗(コマイヌ)也。コは囲(カコム)こと。マは向(ムカフ)こと。かこみ向ふ犬と云語にして、コマイヌと云。男女向ひ合て、かこみ守るの名也。字書にも、狗者家畜也。人の家に居て、能(よく)非常吉凶を守る。今の世に、神前に木石の狗(コマイヌ)を向ひ並へ置ことは、神をかこみ守(マモル)の相(スカタ)也。今、此マの音は、向ふ也と有て、向ふは先(さき)に解か如、睦(ムツミ)搦(カラム)の語にして、能(よく)其物に睦み搦みて、をこたらさること。是則、守るなり。故に、マの音、狗(コマイヌ)なりとある。万葉に、マソカヽミのマの仮り字に、犬の文字をかりて有。又、ソの仮字、馬(ば)の字を仮る。是等は、法則の有ことにて、全躰此マソカヽミとは、マは向ふこと。ソは背(うし)ろのこと。向ふて影を見る、相(すが)た見(み)の鏡(かが)みなり。諸獣多けれとも、狗と馬は、能(よく)人の善悪を知る。其業の有無を知る。其故に、馬に人を乗(のす)るに、業(わ)さ有る人には順ひ、業(わざ)なき人には必(かならず)逆ふて、自在を得せぬ。又、人の善意を見て、或は吠、或はほへず。又、善人を見ては、是に睦み、悪人を見ては、ほえて其門を能(よく)守る。其人を顧みて明かに知こと。鑑の如きゆへに、マソカヽミと云(いひ)、仮字に狗馬の字を書。其人の後(しり)へに居て、人の善悪を知る也。今、マの音に狗(コマイヌ)也とある。
(山口志道「言霊秘書」p.519-520)


狛犬





記事更新日:2026/09/19

マカル(曲)

◎言霊マ❻
曲(マカル)。マは間なり。カは搦むこと。ルは助言の省け。正しく向ひ合ふて居る間(アヒタ)か一重搦みて、かへつて間(アヒタ)か合(アハサ)らさるやうになるを、曲(マカル)と云。今、此マの音は、元(もと)水は水、火は火と分れしものか、水、火中に與合せて、何れか水とも、何れか火とも、竟(つひ)に分らぬやうになる。是を、曲(マカル)と云。今は、本来に背くを曲(マカル)と云。直なるものは、直ならさるやうに背ことを、曲(マカル)と云。今、此マの音は、火中の水灵にして、元(もと)水は水に明らかに、其躰火の外に有し水の、今火中に與み合て、何れか水とも分らぬやうにくむ音故に、水火別々に有し理(ことはり)に背く也。故に、曲(マカル)也と有。顕云。マカリ、マカルと用(はたらき)てマカの反マ也。
(山口志道「言霊秘書」p.518)


渦



記事更新日:2026/09/18

ツマトリ(妻鳥)とアウムの法

◎言霊マ❺
間(アヒタ)。マの音は、向(ムカフ)也と有。故に、一と間(ひとま)、二た間(ふたま)と水切(シキリ)しきつて、向ひ合ふ正中を云ふの始なり。妹背のことをツマと云も、ツは続こと。マは向ふことにして、続き向ふの語也。故に、夫は婦をツマと云(いひ)、婦は夫をツマと云(いふ)。これ、つゝき向ふ法則の故に、互にツマの名あり。画法にツマトリと云て、夫婦の鳥を画くときは、先へ行く鳥は口を開いて後へ向ひ、迹(あと)より行く鳥は口を開かすに先の鳥に向こと、これを妻鳥(ツマトリ)と云。これ、つゝき向ふの法則なり。是等は、仏家に云アウムの法又(また)同し。アは空躰にして、口を開く。ウムは陽灵にして、口を閉る也。故に王の開合は、アウムを表す。是を、ツマと云。惣(すべ)て、つゝき向ふ物の名なり。つゝき向ふときは、独(ひとり)に非ず。必(かならず)対することあり。故に、間(マ)と云も、為限々々(しきりしきり)と向ひ対するの語。相撲(スマヒ)と云も、スはス一にして、文(かざ)りなきこと。マヒはマヒ・マフと用(はたら)きて、文(かざ)りなき裸(ハタカ)舞と云語にして、此ときは取與むことに非す。土俵入のこと也。又、スモフと云ときは、スはス一にして、文(カサリ)なきハタカノコトモのもやうと云語にして、此ときは取與より出る語也。惣(すべ)て、マヒと云は、マは向ふことにして、二つ物向ふを、すへてマヒ マフと云。舞鶴抔(など)と云か如し。羽と羽と二つ向ひ合せるか故に、マヒと云。故に、躍りと舞と一事にすれとも、しからす。躍ことは、尾を取るの語にして、其(その)後(しり)へに付こと也。盆ヲトリの如し。円満の〇(ワ)をなして、尽ることなきを顕す。舞は、後(しり)へに従ふの義に非。袖と袖とを向ひ合せて、マヒと云。何にもせよ、今マは間(アヒタ)也と有て、向ひ合ふたを、惣て間(アヒ)たと云。ホより起りて、五十音を顕し、今又ホの一音に向ひ帰する音の故に、間(アヒ)た也と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.517-518)


◎言霊マ⓭⓮
女也。男也。此二つの法則は、語は前に解くか如し。男も女も、互にツマと云。男には女をツマと云(いひ)、女は男をツマと云(いふ)義をなす。今、マは向ふの音ゆへに、女也 男也とあり。
(山口志道「言霊秘書」p.520-521)

鶴

 
記事更新日:2026/09/20

マタ(亦、又、股)

◎言霊モ❹
亦(マタ)は、マはまろかること。タは玉のこと。玉まろかるを、亦(マタ)といふ。木の股(マタ)なとも、枝と枝と付、円(マロ)かれたるをマタと云。今、モの音は、亦(マタ)也とある。後選集の哥に、是やこの行も還るも、と有。此モは、亦(マタ)の義にして、行人も、還人も亦(マタ)、と云語也。知れる人も、又(マタ)知らさる人も行逢と云哥にて、知るも知らぬも逢坂の関、とよみつゝけし哥也。此一首に、四つのモの辞あり。是モは、皆亦(マタ)をなす。足のモヽを股(マタ)と云も、左右の足舫(モヤフ)処(トコロ)なれは、モヽの名をなす。是、右も左も一処に舫(モヤフ)也。行人も、還る人も、知る人も、知らぬ人も、と別なるもの四つ有。夫(それ)を、一処に円(マロ)かれ舫(モヤ)はせて、逢坂の関と與舫せて、詠したると知るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.506)


百人一首


記事更新日:2026/09/17

マナコ(眼)

◎言霊マ❸
眼(マナコ)は、マは向こと。ナは並ふこと。コは息の凝ることにして、イキ(水火)とは、則(すなはち)日月也。右は水にして、眼は月を宰り、左は火にして、眼は日を宰り、故にマナコとは、いき凝りて並ふと云名也。今、マの音は、火中の水にして、イキ凝並ふの音の故に、マナコ也と有。

古事記神代巻の、天照太神と、月夜見の尊と、天地の眼也。故に、其(そ)を知らしめん為に、伊弉諾の命と、日向の橘のをとのあはきか原にみそきし玉ひ、左の眼をそゝき玉ふて天照太神現れ、右の眼をそゝき玉ひて月読の命現はるゝ。二た柱は、日月也。天地の眼也。此二た柱の神、日月なることは、安麿か古事記の序にも、日月は服を洗ふに現れ、其日月は是(これ)天地の眼の故に、伊弉諾の神、目出度(めでたく)御子(ミコ)産玉ふと喜はせられ、人産るゝと云も、眼(まな)こ開かされは何そ目出度(めでたき)こと有ん。天地二た柱の神在(ま)す故に、目出度(めでたき)皇子(ミコ)也。万物、是より文目(あやめ)を分つ。葦原豊中津国、此ときにあたつて、国の国たることになる。今、此五十連五十音も、マの一音に至て、息の不レ残顕れて、不足と云ことなし。実に、天地の眼也。音韻の眼、是より外に無きと知るへし。此故に、今眼(マナコ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.516-517)


光の守護者


記事更新日:2026/09/16

ムカフ(向)

◎言霊マ❷
向(ムカヒ・ムカフ)と用(はたらき)て、ムは睦(ムツム)こと。カは搦(カラム)こと。睦み搦むを、向(ムカフ)と云。鏡(カヽミ)に向(ムカフ)も、鑑に我影を睦み搦むこと。仏に向ひ、神に向ふ抔(など)も、仏神に睦み搦むと云語也。今、マ行は、惣(すべ)て火中の水灵にして、円(マロキ)を宰て、光なき空躰の水、火中に向ひ合て、光りを放つ一行なり。マ行の中にても、マは、五十連の結ひ言にして、初めホの一言より起り、アワの二つ現して、二に凝はいよいよ降り、澄めるはいよいよ昇り、天地の文目分れ、其分かれし天地の火水又(また)與み合て、本(モト)のホをなす。その根本のホをなさんとて、今火中へ水與み搦む。至極の音也。其睦み搦むは、向(ムカフ)の語なるか故に、マの音に向(ムカフ)と有。モトに向(ムカフ)て、来る処也。
(山口志道「言霊秘書」p.515-516)


◎言霊マ❺
間(マ)。マの音は、向(ムカフ)也と有。故に、一と間(ひとま)、二た間(ふたま)と水切(シキリ)しきつて、向ひ合ふ正中を云ふの始なり。妹背のことをツマと云も、ツは続こと。マは向ふことにして、続き向ふの語也。故に、夫は婦をツマと云(いひ)、婦は夫をツマと云(いふ)。これ、つゝき向ふ法則の故に、互にツマの名あり。画法にツマトリと云て、夫婦の鳥を画くときは、先へ行く鳥は口を開いて後へ向ひ、迹(あと)より行く鳥は口を開かすに先の鳥に向こと、これを妻鳥(ツマトリ)と云。これ、つゝき向ふの法則なり。是等は、仏家に云アウムの法又(また)同し。アは空躰にして、口を開く。ウムは陽灵にして、口を閉る也。故に王の開合は、アウムを表す。是を、ツマと云。惣(すべ)て、つゝき向ふ物の名なり。つゝき向ふときは、独(ひとり)に非ず。必(かならず)対することあり。故に、間(マ)と云も、為限々々(しきりしきり)と向ひ対するの語。相撲(スマヒ)と云も、スはス一にして、文(かざ)りなきこと。マヒはマヒ・マフと用(はたら)きて、文(かざ)りなき裸(ハタカ)舞と云語にして、此ときは取與むことに非す。土俵入のこと也。又、スモフと云ときは、スはス一にして、文(カサリ)なきハタカノコトモのもやうと云語にして、此ときは取與より出る語也。惣(すべ)て、マヒと云は、マは向ふことにして、二つ物向ふを、すへてマヒ マフと云。舞鶴抔(など)と云か如し。羽と羽と二つ向ひ合せるか故に、マヒと云。故に、躍りと舞と一事にすれとも、しからす。躍ことは、尾を取るの語にして、其(その)後(しり)へに付こと也。盆ヲトリの如し。円満の〇(ワ)をなして、尽ることなきを顕す。舞は、後(しり)へに従ふの義に非。袖と袖とを向ひ合せて、マヒと云。何にもせよ、今マは間(アヒタ)也と有て、向ひ合ふたを、惣て間(アヒ)たと云。ホより起りて、五十音を顕し、今又ホの一音に向ひ帰する音の故に、間(アヒ)た也と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.517-518)


神棚


記事更新日:2026/09/17

ムナシ(空)

◎言霊ム❶
空(ムナシ)。是は、ムは無の音なる故に、ムナシと云。語意は、ムは睦こと。ナはナキ、ナクと用(はたら)きて、睦むことナシという語也。是、所謂(いはゆる)老子の虚無也。道を道とし、名を名とするときは、是睦(ムツム)の教なり。夫に違ふて、道を道とせす、名を名とせされは、虚無にして、睦(ムツム)ことなきの教なり。譬は、剣(ツルキ)有か故に、人を殺害す。財宝有か故に、貧人出る。道有か故に、無道あり。名有か故に、無名の人あり。道なく、名無きときは、善人 悪人なし、と教ゆるときは、虚無の見の一遍にして、唯(ただ)いたつら者と云、空(ムナシ)き者出る。此見識は、道あり、名ありて睦む故に、自他の道を道とせす、名を名とせす、自も無く、他も無く、唯(ただ)自然に住するを、老子虚無の教と云。道に睦(ムツム)こと無く、名に睦(ムツムむこと無きが故に、是を虚無とも又(また)空(ムナシ)とも云。今、神代の学ひは、ムは、水、火中に凝り睦み究りて、形を隠して、外に睦(ムツム)の一無き故に、今空(ムナシ)きなりとも。是は、彼の虚無の空(むなし)き義には非。形無き、本来虚無の空(ムナシ)には非。既に、カ行サ行と形顕せる火水は、有なり。このマ行のムは、火中の水にして、タ行の火、水中に與み睦みて、形隠すのムなり。故に、空(ムナシ)き也とは云とも、本来の火水空(ムナシ)き訳に非。形顕すの火水有にも非。故に、ア(〇)は五十音、火水のいきの惣名にして、無にして有なりと有て、今神代の学ひは有に非、無に非。しかも、有也と教ゆる処の、理(ことはり)の正しきこと知るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.511-512)


白



記事更新日:2026/09/12

ナキ(無)、ム(無)

◎言霊ム❶
無(ナキ)は、ナは凝(コル)こと。キは暉く火の灵なり。水、火の中に凝ると云こと。マ行は、惣て火中の水灵にして、水の火に凝るの一行なり。其一行の中にても、此一音は中言に在て、余の四音に替て勝るゝ。水、火中に與み凝れは、火の為に水消為す。たとへは、鼎(かなえ)に水を入て火をたけは、竟(つひ)に水は火の為に消散す。是を無(ナキ)と云。又、火も水中に與み凝れは、火の形を隠す。是、氣の凝(こる)故(ゆゑ)なり。惣て氣こり、これは其形を隠す。是を無(ナキ)と云。今、ムの音は、火中の水の凝り究るの音の故に、ムは無き也と有。則、ナと云ナの一言にて、無(ム)の語に用ると知へし。是、與堨るのナの音なるか故なり。是、無の字にナキと訓するは、和漢の灵合なり。
(山口志道「言霊秘書」p.510-511)


蒸発



記事更新日:2026/09/11

モノ(者)

◎言霊モ❺
者(モノ)也。モは舫(モヤフ)こと。ノは〇也。則、舫て一つにまろかる語也。此者(モノ)と云語をつかうときは、必(かならず)先に其躰を挙て、下にモノとある也。和漢ともに、此義一つ也。ツカヘノモノと云は、初に使(ツカヘ)と云躰を挙て、夫に舫ふの人の故に、者(モノ)と云。かしこき者と云も、又しかり。智者 学者 同義也。其ことがらに舫ふ人(ひ)とのことを、者と云。舫へき躰の無きときには、人と云ても、モノとは云す。是者ハとは、者に舫の義有か故に、モの音、者(モノ)也とある。
(山口志道「言霊秘書」p.506-507)


包丁職人


記事更新日:2026/09/05

カタマル(堨)

◎言霊モ❸
堨(カタマル)は、カは搦(カラム)こと。タは灵(タマ)をなすこと。搦て、円かに、玉なると云語也。夫を堨ると云。是、舫(モヤフ)の義と同し。然れとも、少しく差別あり。舫は、文(アヤ)に與むこと。堨るは、文(かざ)りなりして、強く與むこと。舫は與むことの軽く、堨るは與むことの重きと知るへし。しかれとも、火中に水與むと云(いふ)法則(のり)は、同しきと知るべし。
(山口志道「言霊秘書」p.506)


火水


記事更新日:2026/09/04

モヤウ(舫)

◎言霊モ❷
舫(モヤフ)は、モヤヒ・モヤフと用(はたら)きて、もの堨(カタマル)こと。ヤは、文なること。アヤに堨ると云語にして、タ行の火と與み堨ること。火中の水の、モの音故に、モヤウ也とあり。惣て、一行の中にも、最下の一音は、上の四音を束ねて、殊に重き故に、此マ行は惣て、タ行の火と與み舫ふ一行なれとも、舫(モヤウ)の法則は、此モの一音に在(ある)と知へし。故に、一を十(ト)に與たるを、トと云。十(トヲ)を十(ト)を與たるを、百(モヽ)と云。是、タ行のくみて、モになる故に、火中の水灵のモの音に舫(モヤウ)也とある。
(山口志道「言霊秘書」p.505-506)


魂の召喚



記事更新日:2026/09/04

ヒフミヨイムナ(数の御灵)

又、布斗麻邇の御名を、数(カス)の御伝へに会するとき、ヒフミヨイムナの七言、是(これ)自(おのづから)数(カス)の御灵と、其理(ことはり)自然と契当する也。先(まづ)ヒフミヨ。是は御灵ては、布斗(フト)の事也。イムナとは、御灵てはマニの事。それは如何と云に、ヒフミヨとは、ヒは火也。フは吹こと也。ミは水也。ヨは與事。是、火を吹て水に與(クム)と云こと。員(カス)の御灵ては、ヒフミヨと云教へ也。イムナと云は、イはイキのこと。ムはムツムこと。ナは幷(なら)ふことにして、即(すなはち)火吹て、水に與(クミ)、いきむつみならぶと云ことなれは、即布斗麻邇(フトマニ)の御灵の四言の御名を、七言に開きたる也。同く、いきの離合(クミハナレ)を教ふる御名也。御灵と数の御伝へとは、唯(ただ)開合の異なるのみ。先(まづ)、一粒の籾(モミ)、自(オノツカラ)春になると籾の胎内に火ふき、ふくれて夏になり、苗代に蒔て水に浸すか、是(これ)火水與(クム)所也。是、與(クム)の始め也。又、員(かす)の御伝ては、ヒフミヨの四言に当る月に配しては、正月より四月なり。それより、正しく随かひて、地に與(クム)か水火(イキ)のむつむ所也。員の御伝ては、五六(イム)に当る。月に当れは、五月、六月に当る。それより、弥(いよいよ)いきむつみて花開(サキ)幷(ナラ)ふか、員の御伝へては七(ナ)に当たる。月に配すれば七月に当る。七月は、一切の万物始めて実を結ひ始むる時也。二つのいき、始めて一つのヽ(ホチ)の中に入なり。故に、七月七日に星合する。是(これ)、空に星と云者(いふもの)別に有て、相逢と云事には非す。ホシと云ことを解は、ホは正火の灵。シは昇水の水の灵也。六月まては、陽の火盛りにして、七月に至り、始めて陰の水氣に與(クミ)凝(こ)りて、土一つになるをホシ(星)と云。又、七夕(タナハタ)と云タは灵也。ナは幷ふ也。ハは火水(イキ)の二つのこと。タは列なること。二つの火水(イキ)の灵、幷ひつらなると云詞(ことば)にして、水火(イキ)の二つに與(クミ)て、竟にヽ(ホチ)になる所をナと云。幷ふと云こと、水は女、火は男、一夜の契(ちぎ)り也。終りた所に寄(よせ)て、設けた祭也。実は形なきを、形ある物に寄て設けて祭る也。又(また)生れての後(のち)七夜を祝ひ、又(また)七歳を祝ひ、正月の七日七草、七月の七日は秋の七夕也。其(その)春の七草の言を解は、ナは與(クム)こと、サは少なき也。万物のイキ(火水)、與(クミ)そめの兆しを祝(イワフ)の名也。七夕は、既(すでに)とく。知へし。如レ此(かのごとく)名をなして、万物のみのりの数は、七つの数に極まる也。故に、七草はイキの與(クミ)そめ也。七つの数を以(もて)與(クミ)そめ、與(クミ)終りを顕はすゆへ、今此(この)布斗麻邇の御灵の名は、ヒフミヨイムナヤの七つの員(かず)に充(アテ)て、陰陽(イキ)與(くみ)て万物を生する事を教ふることの神宝故に、神代の巻には、彼二柱の神ミトノマクハイし玉ふ時に、イキ與(クム)の法(ノリ)をたかひて、女神よりアナニヤシエヲトコヲとの玉ふゆへに、ミコふさわず。
(山口志道「言霊秘書」p.378-380)


◎言霊ト❽
止也。トトムとは、トトの反トにして、トは與こと。ムは睦むこと。與睦を、トヽムと云。今、水の中に火與み睦みて、玉をなして、更に変ことなく、永世尽ることなし。故に、トヽムと云。人のこゝに止マル(マルの反ム)と云も、能(よく)睦みて動かさるを云。今、トの音は、水中に火與み睦みて、玉をなして、更に変らさるの音故に、止(トヽム)也と有。タチツテトは、玉(タマ)つゝきて、今爰(ここ)に止まることにして、ヒフミヨイムナヤコトと、止り終る也。
(山口志道「言霊秘書」p.503)


春の七草


 
記事更新日:2026/08/28

トク(解)

◎言霊ト❸
解(トクル)とは、トは與(クム)こと。クも與(クム)こと。水中の火の與むを、解(トク)と云。偖(さて)、こゝに心得あり。水をトクと云も、與(クミ)凝(コリ)て有ものを発つの語。今、與(クミ)與(クム)の義なるを、物を放つことに用ゆるは、心得かたきやうなれとも、本来の語を能(よく)解(トク)へし。氷は、只(ただ)氷の儘(まま)にてはとけす。其氷に、春の陽氣の火か 與(クミ)結ひたる故に、氷もモトの水に解(トクル)也。是を、トクと云。 又、解(トク)と云語を解(トク)にも、其音に法則與(ク)ませて解(トキ)分(ワカ)る也。帯も結ひたるに、手を與(クミ)入て解(トク)也。如レ是、水中へ火與(クム)か故に、解(トケル)。故に、水中の火灵なるトの音に、トクル也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.502)

氷


記事更新日:2026/08/26

タナコヽロ(掌)、テナコヽロ(掌)

◎言霊テ❷
掌(タナコヽロ)とは、本語テナコヽロなり。夫(それ)を、タナコヽロと云訳は、下のナコヽロに用(はたらき)ありて重く、テと云に用(はたらき)なくして軽し。故に、テをタに譲りて、タナコヽロと云。委(くはし)くは、ケセテ子ヘメ、カサタナハマの音を扱の処に在(ある)故(ゆゑ)に略す。本語テナコヽロとは、ナは正中のこと。コヽロは、こり堨ることにて、手の正中に凝る所を、タナコヽロと云。此タナコヽロ、則テにて、左右有か故に、テの音に掌(タナコヽロ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.500)

手

記事更新日:2026/08/24

ツラナル(列)・ツゝク(続)・ツゝメル(約)

◎言霊ツ❺
約は、ツヽメ・ツヽムと用(はたらき)て、則続き渦巻ことにして、ウツマキ、ウツマクと云語を約て、約(ツヽム)と云也。水渦巻けは、次第次第に潜(ヒソマル)。是を、約(ツヽメル)と云。ツヽメと云に付て、テニヲハのツに二つの扱ひ有。乍(ながら)ツヽと、約ツヽとあり。乍(ながら)ツヽは、列(ツラナル)、続(ツヽク)より出る法則なり。約ツヽは、火中の水灵の音なれは、渦巻(ウツマキ)潜(ヒソマル)より出る法則なり。故に、語の下にツヽとありて、上の語に反る格と、又(また)語の下にありて、ツの一音にツヽメル格とあり。例せは、思ひツヽと云て、 思ひ乍(ながら)となる格と、又(また)かく思ひツと、ツヽメル格あり。故に、今ツの一音に、列也 続也 約也とあるは、列(ツラナル)ものは竟(ツヒ)にツゝマリ、ツゝマルものは又(また)開けてツゝク故に、今火中の水灵のツの音に、五つの法則あること、此心を以(もて)知るへし。続くものにあらされは、約まることなし。きれきれになる物は、必(かならす)ツゝまらぬと知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.498-499)



鳥



記事更新日:2026/08/22

トリ(鳥)

◎言霊ス❹
鳥(トリ)は、陰中の陽物也。是、スの音は、水中の火灵なれは、鳥の灵なること知へし。畜類の中にても、総て魚は陰也。水を離れす。獣は陽也。故に、陸地山林に住む也。鳥は陰中の陽物なれは、多(おほく)は夜ひそまりて、朝に飛ふ。或は、水中に遊て、陽に向ふてたつ。冬ひそまりて春出、百鳥春に囀ると云。或は、林中の隠処に住んて、陽氣を待(まち)て鳴く。是、陰中の陽物の故也。今、スの音は水中の火灵なれは、鳥の灵也と有。鶯雀と云如し。
(山口志道「言霊秘書」p.469)


◎言霊チ❿
チは鳥の灵也。鳥(トリ)は陰中の陽物なるか故に、今火中の水灵とあり。チの音に鳥の灵也と有。しかるに心得あり。上のタ音にも、水中の火灵也。是にも亦、鳥の灵とあるへし。此チの音にのみ、鳥の灵と有や。解して曰。是、自然なりといへとも、今チの音にのみ鳥の灵とあるは、別に理(ことはり)有こと也。其故は、チの音は正しく、一百千に及ふ音故に、鳥は都(すべ)て、一に百千幷(なら)ひて、よくつゝきとほるものなり。是を、雁の一と列(ツラ)なとゝ云。鳥は、一羽たては百千の鳥又(また)能(よく)列(つらなる)なり。続くことの正しきもの也。故に、論語学而の篇に、時習之の註に、朱子の曰、鳥の数(シハシハ)飛か如しと。師の跡に順ふて、習ひ行ふにたとへたるもの也。故に、千鳥と云は、一より百千の数を奇(よす)る音の故に、員(かず)多く集りし鳥を云。何鳥と定めたることは非す。如レ是、総て鳥の性は、一に百千幷(なら)ひ集るもの故に、今チの音に鳥の灵と有。
(山口志道「言霊秘書」p.496)

鳥

記事更新日:2026/08/18

ツルキ(剣)とカヽミ(鏡)のチキリ(契)

◎言霊チ❺
剣(ツルキ)の反チにして、チは剣の灵なり。三種の神器の中にて、宝剣は主上の徳を表す。神鏡は后(きさ)きの徳を顕す。皇后の鏡の水の中へ、主上の火の剣(つる)き和するか故に、是をツルキと云。解かは、ツは連なること。ルは助音の省け。キはイキにして、息連と云名也。故に、剣は人を殺害する器には非。氣(イキ)を連る具也。君臣のイキ連らさるときは、国乱る。其乱(みだれ)し国を治めて、君臣のイキ連ねん為に、剣を以(もて)和平せしめ、国家を安んする。是を、ツルキの徳と云。しかるに、後世に至て、唯(ただ)剣は殺害を用(はたらき)て、反(かへり)て国を乱すの器とす。如レ此の穢れたる器を、何そ神器を祟るへきや。漢字にも、武士の武は戈(ほこ)を止むと書て、君臣のイキ連るに依(より)て、剣に依(より)て氣(イキ)連り、国を和平するか故に、ホコに剣の名をなす。ツルキは息をツヽクと云こと也。文王一たひ怒りて、天下平(たひら)かなりと言ふ如し。上下の氣(き)連(つら)なるの天下の法(の)りを、主上后宮に有て、神器を以て(もて)是を表する也。故に、男の魂を顕すときは、剣を用ゆ。女の魂を顕すときは、鏡を用ゆ。統(すべ)て、チキリと云も、主上の剣と后皇の鏡と、婚嫁(ミトノマクハイ)するに名をなす。ツルキの反チ也。カヽミの反キ也。則(すなはち)、是をチキと云。リは助言なり。国家安全に治るは、上下の和平にあり。其和平せしむる本(もと)は、諸(もろも)ろ人の契り也。チギリの本(もと)は、ツルキのチとカヽミのキと、二の徳に収る。今、チの音は、水中の火灵にして、母の鏡の水中へ、父の剣の火和らき睦むの音故に、ツルキ也とある。是、イキをツルム(本語ツルクム也)のこと也。
(山口志道「言霊秘書」p.494-495)


三種の神器

記事更新日:2026/08/17

タヽシ(正)

◎言霊タ❾
正(タヽシ)とは、タヽの反タにして、シは補言也。タヽの二音、灵と灵と合せたること。則(すなはち)、灵と灵と合して違はさるを、タヽと云。君臣と云も、乃至(ないし)夫婦朋友と云も、灵と灵と合されは、臣其君を欺き、子其父を欺く等の如し。灵と灵と契り合はするを、タヽシと云。臣 其君に忠し、子其父に孝するは、是タヽシ也。其形ばかりにして、意と意と合されは、巧言令新鮮矣仁(顕云此語を引は何事そや文盲甚し)。灵と灵の合ふを正シと云。このタの音は、水中の火灵にして、万物の灵也。種也。万物、一つの灵の種より開けたるものにして、万物本(モト)一つの灵(タマ)にして、違はさるもの也。故に、タは正(タヽシキ)也と有。若(もしくは)、意と意と合ふかゆゑに、正しと云也。
(山口志道「言霊秘書」p.492-493)


田畑


記事更新日:2026/08/14

オホイ(大)とオホイ(多)

◎言霊カ❽
カは暉火灵にして、陽の昇る相(すが)た也。陽の昇るときは大きく、潜まるときは少(チヒサ)し。例せは、火昇りては、百丈の殿舎も一時に滅す。潜まるときは、爈中に埋みて、掌を以(もて)覆ふ。今、カは暉く火の灵にして、火の昇る音也。故に、大(オホヒ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.476)


◎言霊タ❸
大(オホイ)也。此タの音は、水中の火灵にして、万物の灵也。種也。故に、是より大いなる物なし。今、天地と開け、万物と広かるも、其本(モト)は伊弉諾、伊弉冊の二柱の火水(カミ)與玉へる、一滴のタマより生る。一滴の灵(タマ)、割別れて天地万物となり、子々孫々となりて、永世尽ることなし。故に、大(オホイ)なるものは、水中の火灵の一滴にすきたるものなし。
(山口志道「言霊秘書」p.491)


◎言霊タ❹
多(オホイ)也。オホイ・オホキと活用(はたらき)て、オは起ること。ホは火也。火を起したるは、此タの灵なれは、オホ也。一滴の種子は、少きやうなれとも、開けは天となり、地となる。人及ひ鳥獣草木となる。多きこと、是にすきたるもの無し。上の大いなると、此多きなると、少しく語意に差別あり。大と云ときは、形より云語にして、又多也と云ときは、類より云の語也。
(山口志道「言霊秘書」p.491-492)


◎言霊マ❼
マの音は、五十連の終の音にして、初めホより起て、五十連に顕れ、其五十連の終りに、又初めのホに反る。其オホヒなる理を備えて有ことは、此一音に過たるはなし。故に、オホヒ也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.518-519)


◎言霊マ⓬
多(オホキ)也。今、此音に多(オホキ)也とある法則は、上に大ひ也、広き也と有(ある)法則と同義にして、此マの音は、初めヽ(ホチ)より開いて、今(いま)又(また)円(まど)かをなすの音なりて、又ホにかへり、永き世尽ることなきの用(はたらき)をなす故に、多き也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.520-521)


田んぼ



記事更新日:2026/09/19

タネ(種)とタマ(灵)

◎言霊タ❷
種(タ子)とは、タは正しきこと。子は息の根也。正しき息の根は、種と云こと也。今、此タの音は、水中の火灵にして、父の火、母の胎内の水中に垂(タリ)て、灵(タマ)をなすの音也。故に、息の根なり。タリチ根の一滴の灵は、是の根の故に、水中の火灵のタの音に、種(タ子)也と有。此灵と種子は、差別ありや。答曰。少しくけぢめ有。灵(タマ)と云ときは、いきの連り、まろかれるより云(いふ)の語。又、種子(タ子)とは、息の本をなすの語也。故に、躰は一つなれと云語の意(こころ)は、少しく差別あり。其いきの本(モト)は、即(すなはち)父母のいきのまろかれたるたまなるか故に、種は即(すなはち)灵(タマ)のこと也。其躰、別(べ)つなるに非。灵に二種あり。則(すなはち)、形の灵と心の灵と也。躰は息にして、灵と云語の義は同しこと也と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.491)


植物の種と発芽




記事更新日:2026/08/12

タマ(灵)とタマシイ(灵)

◎言霊タ❶
灵(タマ)とは、伊弉諾のいき、伊弉冊の水中に降りて灵をなす。故に、水中の火灵とある。此タの字の形を見て知るへし。火氣、水中に入(いら)されは、灵をなすこと不レ能。水の性は凝る物にあらされは、火、水中に和して凝らぬか故に、灵をなす。タマとは、タは連なること。マは円きこと。水火連り、円にまろがるを灵と云。今、タは水中の火灵なるか故に、灵也と有。偖(さて)、カラタの如きは、カはカラミ カラムなり。タは灵也。タマをカラミ・カラムの故に、カラタと云。五体は搦む也。タマシイは、タ也。タマシイをカラミ・カラムを、骸(カラタ)と云。顕云。タマシイとは、タマは灵也。シは印也。イは息也。魂の有(ある)印(しるし)ヽは、ヽなりと云心也。
(山口志道「言霊秘書」p.490-491)


伊邪那岐伊邪那美



記事更新日:2026/08/11

サソフ(誘)

◎言霊サ❻
誘(サソフ)とは、サは割別(サキワカルゝ)こと。ソは揃(ソロフ)ことにして、躰は別にして有乍(ありながら)、セスシと昇る迄は、只(ただ)一にして別れぬに、今サは其一に昇る水の、割分るゝの音也。しかれとも、割分るゝなれとも、揃(ソロ)ふて乱れす。是を、誘(サソフ)と云。友を誘ふなとも、彼れと是と躰は別なれとも、揃へ行くを誘ふと云。如レ此、水は物を睦むの故に、割分るゝと云も、又離れすして誘ふ故に、さそふ水に有。小町の哥に、さそふ水あらはいなんとそ思ふ、と詠也なとは、能(よ)く詠得たる名哥也。今、昇水の灵のサの音なる故に、誘ふ也と有。顕云。イサナフと云は、イは息也。サは割別(サキワカルゝ)こと。ナは双(ナラフ)こと。イサナヒ・イサナフと、ヒフの活用(はたらき)にて省け、割別れたる息をならへると云ことにて、他人とならふと云ふことにて、誘(サソフ)なり。
(山口志道「言霊秘書」p.489)


イザナギとイザナミ



記事更新日:2026/08/10

シルシ(印)

◎言霊シ❿
印(シルシ)は、シルシ、シルスと活用(はたらき)て、昇水の灵なれは、水明に住む形を現して、朧ろにあらす。故に、形を現して、其躰明になるを印(シルシ)と云。忝(かたじけなく)も、三種の神器の其中に、印し(玉璽又神璽)の御灵と云も、明に国の印しなることにして、印しの御灵と云。宝剣は主上の御灵。神鏡は后宮の御灵。印しの御灵は太子の御灵なり。主上、后宮のいきを結ひ玉ひて、其いき御印しと云ことを、御灵と称し奉る。総て、十種の神に宝(タカラ)有(ある)中(なか)に、御灵と称する物四つ。これを(神祇伯白川公の御伝)、一には印しの御灵、二つには宇賀の御灵、三には生灵、四つには布斗麻邇の御灵、如レ此の御灵は、皆いきを知るの神宝(かむたか)らなり。しかれは、シルシとは、形現れ明に定ることを云。是、形無きいき凝りて、水は明に形を現して、昇る音の故に、印し也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.486)

三種の神器



記事更新日:2026/08/06

イシ(石)

◎言霊シ❽
石(イシ)とは、イは息のこと。シは印(シルシ)のこと。イキのシルシと云語也。故に、天地の息(いき)凝(こる)処(ところ)には、必(かならず)石あり。天地のいき開けたる所には、石少(すくな)し。山林及ひ幽谷海底は、いき凝たる処ゆへ、石多し。高原 陸地等は、天地のいき開く処のゆへに、石少(すくな)し。いき凝りたるシルシ現るゝ。是を、石と云。人の歯、是石なり。故に、いき盛んなるときは、歯も盛んなり。いき衰るときは、歯も亦おとろふる也。火水のいき凝りて、火は形を隠し、水は形を現して、昇るのシルシなり。故に、シの音に石也とある。惣(すべ)て、石ある山には水多し。水出る所には、必(かならず)石多し。故に、シの音に石(イシ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.486)


渓流

記事更新日:2026/08/06

ソタツ(育)

◎言霊ソ❼

育(ソタツ)とは、ソは揃ふこと。タは大なること。ツは続くこと。離れぬやうに延し、太らすことを、育(ソタツ)と云。今、シは昇水の灵にして、水は能(よく)物を育つる用(はたらき)あり。火は物を損する物なり。草木の花を火の中に入るれは、惣(たちま)ちにしほむ。水に止むるときは、永く育つ。父の火、能(よく)息の本はなせとも、育つは母の水にあり。第一義、是也。故に、今は水灵のシ音のゆへに、育つなりとある。しかも、同し水なれとも、濁水なれは、火か交るゆへに能(よく)は育(そ)たたず。ラリルレロのツは延(ヨタレ)にて、草木の花を止ること能(あた)はす。これ、何を以の故に。水火二凝が故也。今、昇る水は、清き水也。清き水にあらされは、能(よく)育つることは能(あた)はす。たとへは、濁水に住む魚と、清水に住む魚の如し。能々(よくよく)可レ謹こと也。今、シの音は昇水の灵にして、濁れるは降り、スメルは昇る音の故に、育(ソタツ)也とあり。
(山口志道「言霊秘書」p.485-486)
国生み

記事更新日:2026/08/05

ツカサ(司)

◎言霊シ❻
司(ツカサ)とは、ツは続こと。カは昇こと。サは割分こと。上に居て、事を割分るを、司(ツカサトル)と云也。今、シは昇水灵にして、進み昇り、割分んとする故に、司ると有。実は、司サの語は、ツヽキカサヌを約たる語也。心は同し。ツヽの反ツ。キは、ツツキ・ツツクと用(はたらき)て省く。カサヌは、両(フ)のヌにして、つかさと云心になる也。昇水灵は、ツカサなることと知るへし。上のカの音は、暉く火にして、昇ることなれとも、かゝやくと迄はいはるれとも、昇るとは云はす。たかき也とあれとも、司とはなし。是、火は物を凝し、水は物を育つ母の義にして、物を育つるの義よりは、物を凝すの義は重くして、これ左(ひたり)は右(みき)より重し。是は、伊弉諾の尊は左の眼をそゝき玉ふ、月読の命と顕る。月夜見命より勝れて、天照太神は天地の司サにならせらるゝ。故に、左大臣、左大将、左少弁等は、命令を宰(つかさどる)の官にして、右大臣、右大将、右少弁より重し。今、此五十言のカ行は、火を司りて、左に在て高し。サ行は右に在て、水を宰る。天地自然の法則、王法、全く此五十連(いつら)に有こと知へし。臣よりも左右と云(いひ)、君よりも左右と云(いふ)。是、王法の伝へなり。
(山口志道「言霊秘書」p.484-485)
国生み

記事更新日:2026/08/04

サイハイ(幸)とワサハイ(災)

◎言霊シ❺
幸(サイハイ)とは、サキの反シにして、即サキ也。サキとは、本語サイハイなり。約めてサキと云。幸(サイハイ)と云サは、割別こと。イは、イキはイの反ヒにして、ヒは天を回る日也。天の息を回り開いて、万物を割別け、生せしむるを幸いと云。惣て、一百千に及ふを、幸いと云(いふ)。一より多きに及ふと云。父母のいきより割別るの義より、成す語(こと)はなり。ワサワイとは、ワとは〇也。天より割分れしいきを、天に逆ふて、いきを割分ずして、一つにまろがれるをワサハイと云。一粒を万倍になさゝるを、ワサハイと云。幸い不レ成と云。一百千を損して、唯一つにておほすの語也。故に、漢文にも不幸三つあり。後(あと)無きを大也とす。(顕云不幸の幸は孝也。文盲の甚しきこと可レ笑)。いきを子孫に割分けさる程の災は無し。故に、百千の物を、只一つに及ぼすを、ワサハイと云。又、一より百千をなすを、幸(サイハイ)いと云。今、サキと有は、サキ・サクとあるとつゝめし語也。一を百千に割分くる語にして、是(これ)幸(さいは)いの語と同義也。夫に、カサヽキ。
(山口志道「言霊秘書」p.482-483)


マナ



記事更新日:2026/08/03

オノレ(己)とタレ(誰)

◎言霊シ❹
己(オノレ)とは、オは起ること。ノは〇(ワ)也。レは助言。一つに円(まろか)れたること故に、誰(タレ)と云ときは、タは多きこと也。何れ共、定めて指語に非。居へ、からみて云語。今、己(オノレ)と云ときは、独りと指こと故に、漢語にも一己(コ)なとゝと云て、人に構はす。我独(ヒトリ)と癖執(ヘキシウ)するを、一己と云。神代巻の、オノコロジマと云も、オノレトコルと云語にして、一粒の籾の形をなせしことなり。 是、オノレと起り、まろかれたることにして起り、円(まろか)れるは是形をなす始也。故に、今(いま)昇水の灵の始めをなすの音故に、オノレ也有。如レ此、一音 始也 終也 死也 己也と。生も 死も 始めも 終わりも、皆(みな)同一に、水より水に入の 理(ことはり)と知るへし。偖(さて)、漢字にも、始死▢(虫損)至止、皆(みな)同じ称(とな)へにして、灵合をなす。こゝに、己れと云レは助言にして、顕れ隠るゝ故に、レを省てオノと云。又、省かすして、オノレと云。鄙言に、オレと云。此ときは、レは省け、オの一音以(も)て義をなす、オの字と見るへし。
(山口志道「言霊秘書」p.482-483)


国生み



記事更新日:2026/08/02

カサゝキとミサゝキ

◎言霊シ❸
死(シ)すれは水を宰る故に、天子の御尊骸の在(ましま)す所を、ミサヽキと云。水にサキ、サクと云詞なり。水に幸(さいは)ひをなすより、付しもの也。紫震殿の御階は、カサヽキノ橋と云。息にては、火に幸ひをなす御名にして、今(いま)カ行は火を宰る。此サ行は、水を宰る。左右前後をなす水火のいき、天照太神、月夜見の命と生れ玉ふ法則は、こゝより出る。是、シの音は、昇水の灵にして、終りの義なるか故に、死(シ)也と有也。
(山口志道「言霊秘書」p.482)


◎言霊シ❹
カサヽキのカは暉火灵にして、火にさきさきて、幸(サイハイ)をなすと云語也。日出れは光り暉き、天地万物の差別を分て、照して、幸(サイハイ)をすると云語也。故に、八隅知之(ヤスミシシ)と有て、大君(オホキミ)の四海を治(シロシメス)徳を崇(アガメ)てと云こと。又、紫震殿の御階を、カサゝキノハシ(暉幸乃階)と云。天皇の在(ましま)す所。在乍(さりながら)、朝日の出るか如くなる故に、カサゝキと云。漢語にも、是を朝廷と云。或は、朝臣と云。光徳万民に及ひて、幸いならすと云ことなし。故に、天子の御坐を、漢には朝と云。又、御幸と云。幸の字を仮字にするも、此心なり。天皇行玉ふ処は、闇夜にても燎火(りょうか・かがりび)を挑(か)けし如し。是を、御幸と云。如レ此、一十百千に割別れて、物に及ぼすを、サキと云。シの音は、昇水の灵にして、初めソセスと水中に火與(ク)みて、火の為に水今(いま)動き、進み昇りて、正しく割分らんとする音の故、幸也と有。是シは、割分れんとする始め也。サは正しく割分れのとき也と当レ知。顕云。サイハイとは、サは割分こと。イは息のこと。ハは発のこと。心は今近苦しみし息をサキワケ、又(また)息を発くを云如レ是して発解す。
(山口志道「言霊秘書」p.483-484)

〈補足〉
◎八隅知之とは国の隅々まで知らす(広く天下を治める)という意味で、大君や天皇にかかる枕詞。


雲海


記事更新日:2026/08/03

ハシメ(始)とヲハル(終)

◎言霊シ❶
シの音は、昇水の灵にして、万物の初めを宰る。先に解か如く、動く物は水にして、動かしむる物は火なり。火の為に水動されて、始めて形を現して昇る。故に、今(いま)昇水の灵のシの音に始也と有。これ私の解にあらす。古事記神代の巻の神秘なり。二た柱の神、みとのまくはいの条に、女神先(まづ)あやにやしえ男(ヲトコ)をと、男神に先達て勅(ノリゴチ)玉ふ。是、女神は水にして、水始めをなすの法則を知らせ玉ふ神秘なり。故に、日本紀神代の巻には、其法則に違はすして、女男分(わか)たすと、女の水先(まづ)挙て、男の火を後に出して有。漢書にも、陽陰とはなし。陰陽と有。是、自然の法則也。故に、をみなは十三才にして其血氣定り、男は十五才にして全く血氣とゝなふ。是、女の水は、男の火より先達と知るへし。故に、往古(いにし)へは、婚姻を結ふにも、先(まづ)女の家へ男行て契りをなし、而後に男の家へ女をともなふ。是を、よばひと云。今、其礼儀残りて、女より先き酒をくみ始て、次に男に献するも、此法則の違はさると知るへし。草木の芽を生して延ひ行(ゆく)も、水気先達故也。ヨハヨハシイ。解の如く延すは、水にしてこらすは、火也。人も生まれて弱々しきは、水の先達か故に、水氣増りて時々剋々に成長する。俗に是を、水子と云。如レ此、万物の始めは皆(みな)水也。故に、昇水の灵のシの音に、始め也と有。しかし爰(ここ)に心得の有は、形をなす始めは、今の解の如く水也。しかれとも、形なき所に形なさしむるは火也。是より云はゝ、火を始めとも云へし。しかれとも、なさしむる物は形なし。なすは形有。なす形よりいへは、水は始めなり。混沌と形別(わか)らさる時は、何れを水とも、火とも、別ち難し。しかし、天地と別るゝ中に、先(まづ)天(てん)先(さき)に成りて、地(ち)後(のち)になる。天は空水にして、此ときは水。地は濁りて、此ときは火。其空水のあめは、つちより先になる。此水は、火より先達つと知るへし。夫を教ゆるか、神代の巻の神秘故、古事記には女神先(まづ)勅(ノリコチ)玉ふと有。日本紀には、女男と列ねて有。天地万物は、水先達(さきだ)つことを教ゆるの神秘ゆゑに、今(いま)昇水の灵のシの音に始也と有。


◎言霊シ❷
此シの一音に、始メと終ルと有は何そや。是、千早振(ちはやふる)神代の学にして、更に凡慮の斗(はか)る処に非。唯(ただ)、自然の理を以(も)て解くへし。先に解く如く、形をなす物は水にして、形なさしむる物は火也。形の始は、水氣勝て、火氣盛んならす。故に、惣(すべ)て春の若草の如く弱し。竟(ツヒ)に、大氣盛なるときは、又(また)其形も亦(また)盛なり。是、夏草(ナツクサ)の如く茂る。又、其火氣衰ふれは、形も亦衰へて、秋の草木の如く散崩る。即ち、元の水氣に帰る。是、盛なるは火、衰ふるは水。小児の力の柔弱なるは、火氣小きか故に、常に冷るも、全く老て火氣衰へて寒(さむき)か如く、老児同しことなり。是、水より起りて、水に帰る。日月はむば玉の暗より出て、同しく闇(くら)きに入。朝に露をなして、又夕部につゆをなす。是、初めも終りも皆(みな)水なり。始に離れて終なし。始終同一なることを知るへし。神代の巻に、始めにひるこを生みて、葦の葉の舟に入て流す。是、始めに終りを備ふるの神秘なり。次に、伊弉冉(いざなみ)の火水(カミ)神去(かむさり)在(ま)して後に、天照大神を生み玉ふは、母なくして生れ玉ふ。是、初めに終りを備ふるの神秘なり。母は死して後(のち)生るゝは、始に終りを備ふる神秘なり。始終同一の王法の教、王宮に有ても、初春に六朝より七日まては、神事あり。八日より十四日まては、仏事経営し玉ふは、始終同一の王法の法則なり。是、神代の神秘あるか故に、稲荷の古伝、天地自然の音を以(もて)教ゆ。古事記神代の巻の法則に違はさる、王法の規矩となるへき本元なる故に、ホの一音に起るのオと、終るのヲと備へ、ホより起てホに反る。始めに離れて、終りなし。終りに離れて、始めなし。今日の始は、昨日の終り。今日の終りは、翌日の始め。実に、始めに終りを備へ、終りに始めを備るの法則。是、皇国神代の法則。天地自然の規矩を現するか故に、今シの音に始也、終也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.481-482)


◎イロハ口伝
何ゆへならば、生をはなれて死もなく、死をはなれて生もなく、本(もと)ホの一音に起るのオと、終(をはり)のヲを含み、天地開闢の時、はやをわるの義備(そなは)る。をわりに又(ま)た始めを備ふ。一をはなれて十なし。十をはなれて又(また)一もなし。唐の文字にすら、子始死共に音を同(おなじく)して、始(はじむ)るにもシ、終るにも又(ま)たシ、漢和自(おのづ)から灵合(たまあひ)と云(いひ)つべし。然れば、生死を知るの、このイロハ文也。
(山口志道「言霊秘書」p.529)


夫婦岩



記事更新日:2026/08/09

カナラス(必)とウタカフ(疑)

◎言霊カ⓫
疑(ウタカヒ)とは、ウは浮ひ動くこと。タカヒはタカヒ・タカフと用(はたらき)て、動き違ふと云語にして、物のうこき、其理に違ふを、ウタカヒと云。則、定まらぬこと。教へは明らかなれとも、其教を明らかならすと思ふ。これを、ウタカフと云。惣てカは、暉く火の灵にして、火の用(はたらき)也。火の躰には非。火の躰は形なく、又暉くものに非す。其かゝやかさる火の躰に、うごき違ふて水に與みて、暉くカの音故に、疑(ウタカヒ)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.477)


◎言霊カ❼
必(カナラス)とは、カは暉(カゝヤク)こと。ナは並(ナラフ)こと。ラスの反ルにして、助言也。暉き暉く物を、並ふと云語にして、慥(たしか)に見分け、朧(おぼろ)成さること也。今、カは暉く火の灵故に、必と有。おほろに非すして、明らかに見分ると云より、語伝用して、カは疑ふことならすと云語になる。是を、必(カナラス)と云。しかし、是は伝用の法則(のり)と知へし。其訳は、下の疑(ウタカヒ)也と云(いふ)法則条下に解へし。
(山口志道「言霊秘書」p.473-474)




2214654


記事更新日:2026/07/28

キタル(来)・キタル(氣垂)

◎言霊キ❼
キの音は、形無の真の火、真の水に與みて、形をなすの氣(イキ)の音故に、氣垂るの意をなして来ルとある。キタルとはキタル・キタリと用(はたらき)て、父母のいき本(もと)形なし。其形無のいき舫て、いきの形をなすを、来(氣垂るゝ)と云。北(キタ)抔(など)と云も、此心なり。夫の氣、垂るゝと云ことなり。今、人の来(キタル)なとゝと云も、遠き彼方にありて見へぬ人も、こゝに近付、顕(あらは)るゝを来(キタル)と云。其近付現るゝものは、彼処の人の氣、こゝに垂(た)るゝ故なり。故に、歩み近付、若(も)し彼方の人の氣のこゝにたれされは、譬(たとへ)あゆみ進むとも、爰(ここ)に形見えす。其キ、こゝにたれさる故也。有朋自遠来なと云も、若(もし)其人徳なけれは、近き人も近付親ます。是を、氣垂らすと云。今、形なきの真(まこと)の火水、初めて形顕すのキの音故に、氣垂る(キタル)也と有。
(山口志道「言霊秘書」p.473-474)

女性


記事更新日:2026/07/19

キとチ(草木の灵)

◎言霊キ❺
形をなす物は、皆(みな)天地の火水の躰より生(ウマ)るゝ氣(イキ)なれとも、目前に甚しく其理を現す物は、草(クサ)也。草ほと早く、天地のいきを知るはなし。或は四時の常を能(よく)知る故に、草に木の名を負(おはす)と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.473)


◎言霊カ⓱
草の灵はキの音也と有。今、此カの音に、又草也と云は如何と云に、草木の灵は元(もと)同物也。しかれとも、水を宰(つかさど)る物を艸(くさ)と云(いひ)、火を宰(つかさど)る物を木と云(いふ)。少し差別あれとも、元来同物故に、草をも木(キ)と云(いひ)、木(キ)をもまた草と云(いふ)。松をいつまて草と云(いひ)、或は草を木(キ)と云(いふ)。アツキ(赤小豆)、ネキ(葱)、スヽキ(薄)の如し。是を、草の木と称へるの例故に、キの音に草也と有。総(すべ)て、草木の灵をキと云。今、カの音に草とあるのは、カは暉の火にして、木のことを云と知るへし。木は火のいきの形。今、此カの音は、形無き火の形を現(あらは)したる木にして、暉(かがや)く火のカの音に、草也と有。松なとを、草と云ときの草(キ)也。タマハヾキ、是も亦(また)松のこと也。
(山口志道「言霊秘書」p.478)


◎言霊チ❸
統(すべ)て草木の灵は氣(キ)なり。天地も、元(もと)氣より開けて、万物をなす。必(かならず)草木を先にする也。其草木は、天地のキより開くか故に、草木の灵はキ也。其キは何物そや。一物のヽ(ホチ)也。其一物のヽ(ホチ)は、水中の火。火、水に與(ク)みて形現はすキの音なれは、水中の火の血の顕れし処なり。又、タ行は水中の火にして、暉く火の灵の現るへき氣の隠れたる処也。隠顕異なれとも、躰は一也と知へし。故に、キの音も草也とあり。又、チの音にも、草也と有と知へし。
(山口志道「言霊秘書」p.494)


〔補足〕
天地は氣より開き、そこから万物が生まれる。その最初のものは草木であることから、すべての草木の灵は氣(キ)である。また、灵(レイ)であることから、草木の灵もキとなります。キより水火(イキ)が開き、火を取り仕切るものを木、水を取り仕切るものを草といいます。このように、草木はもとは同じもの、すなわち灵(レイ)であります。

◎灵(レイ):
 ・灵の異体字は靈、新字体は霊で、「たましい」や「みたま」を意味する。

◎灵草(レイソウ):
 ・新字体で霊草と書き、不思議な効能のある尊い草を意味する。
 ・めでたいしるしとされる草を意味する。


森林


記事更新日:2026/08/16
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