1.秘密結社という組織について
「秘密結社」という言葉は、正式には initiatory society(参入者結社)といいます。これは、組織に加入した時や、その組織内で新しい階級(位階)へと進む際に、initiation(参入儀礼)と呼ばれる特殊な試練を受けることが義務づけられている結社を意味します。参入儀礼のない結社は、秘密性がどれほど高くても、真の意味での秘密結社ではありません。
参入儀礼は、完全に非公開の場で行われます。儀礼の内容やそこで得られる具体的な体験、そして認識の解釈こそ、秘密の核心であり、この結社が存在する本質の部分となります。この秘密結社の参入儀礼を受けた者を、initiate(密儀参入者)といいます。
フリーメーソン(freemasonry)といった参入者結社は、その組織が存在する国の王権や政権、教権といった体制の側から絶えず疑いの目を向けられ、弾圧や迫害の対象とされてきたことから、組織の存在そのものを秘密にする必要がありました。このような経緯から秘密結社と呼ばれるようになりました。
2.秘密結社と暗号について
暗号は、「象徴としての言語」が、口伝として発せられたり、テキストの中に組み込まれたりするのが一般的な手法です。また、具体的な姿や形をもつ「象徴としての図像」が示されることもあります。
秘密結社の参入儀礼で使われる象徴は、二次元の図像だけではなく、実物やレプリカといった三次元的なものもありますす。例えば、フリーメーソンの参入儀礼では、象徴としての図像として、三次元的な物品(実物やレプリカ)を密儀参入者に見せることにより、言葉では完全に伝えることはできない抽象的な理念や思想をダイレクトに認識させます。このダイレクトに見た象徴と言葉による解説が結びつくことによって、本質的な部分が、密儀参入者のマインドに「永続的な刻印」を残します。
1つの象徴には、無限の情報が内包されています。その象徴を見ることによって、無意識を意識化することにとどまらず、(象徴自体がエネルギーを持つものとして)意識の量子的な飛躍をもたらします。これは、意識的な制限のある肉体としての自己が、無限の存在である神とつながるために、自己の器の容量を拡大するためのものなのです。象徴を効果的に使うことにより、意識を拡大し、神の啓示を受け取れるようになります。
〔参考資料〕
◎ゲリー・ボーネル著「叡智の言葉を知る」
3.秘密結社とマルセイユ・タロット
密儀参入者たちがもつ秘密の教えを暗号として封じ込めたテキストが、古今東西、さまざまな形で存在します。そのひとつがマルセイユ・タロットです。また、マルセイユ・タロットに込められた秘儀を「アルカナ」と呼びます。
◎「アルカナ」という言葉について
「アルカナ」という言葉の語源は、ラテン語の arcānum です。名詞では「秘密」「謎」、形容詞では「隠された」「秘密の」を意味します。
マルセイユ・タロットのカードでは、全78枚のうち22枚を「大アルカナ」、16枚を「小アルカナ(宮廷カード)」、40枚を「小アルカナ(数カード)」と呼びます。ここで使われる「アルカナ」の意味は「秘伝」が一番近いでしょう。
記事更新日:2023/06/09
「秘密結社」という言葉は、正式には initiatory society(参入者結社)といいます。これは、組織に加入した時や、その組織内で新しい階級(位階)へと進む際に、initiation(参入儀礼)と呼ばれる特殊な試練を受けることが義務づけられている結社を意味します。参入儀礼のない結社は、秘密性がどれほど高くても、真の意味での秘密結社ではありません。
参入儀礼は、完全に非公開の場で行われます。儀礼の内容やそこで得られる具体的な体験、そして認識の解釈こそ、秘密の核心であり、この結社が存在する本質の部分となります。この秘密結社の参入儀礼を受けた者を、initiate(密儀参入者)といいます。
フリーメーソン(freemasonry)といった参入者結社は、その組織が存在する国の王権や政権、教権といった体制の側から絶えず疑いの目を向けられ、弾圧や迫害の対象とされてきたことから、組織の存在そのものを秘密にする必要がありました。このような経緯から秘密結社と呼ばれるようになりました。
2.秘密結社と暗号について
暗号は、「象徴としての言語」が、口伝として発せられたり、テキストの中に組み込まれたりするのが一般的な手法です。また、具体的な姿や形をもつ「象徴としての図像」が示されることもあります。
秘密結社の参入儀礼で使われる象徴は、二次元の図像だけではなく、実物やレプリカといった三次元的なものもありますす。例えば、フリーメーソンの参入儀礼では、象徴としての図像として、三次元的な物品(実物やレプリカ)を密儀参入者に見せることにより、言葉では完全に伝えることはできない抽象的な理念や思想をダイレクトに認識させます。このダイレクトに見た象徴と言葉による解説が結びつくことによって、本質的な部分が、密儀参入者のマインドに「永続的な刻印」を残します。
1つの象徴には、無限の情報が内包されています。その象徴を見ることによって、無意識を意識化することにとどまらず、(象徴自体がエネルギーを持つものとして)意識の量子的な飛躍をもたらします。これは、意識的な制限のある肉体としての自己が、無限の存在である神とつながるために、自己の器の容量を拡大するためのものなのです。象徴を効果的に使うことにより、意識を拡大し、神の啓示を受け取れるようになります。
〔参考資料〕
◎ゲリー・ボーネル著「叡智の言葉を知る」
3.秘密結社とマルセイユ・タロット
密儀参入者たちがもつ秘密の教えを暗号として封じ込めたテキストが、古今東西、さまざまな形で存在します。そのひとつがマルセイユ・タロットです。また、マルセイユ・タロットに込められた秘儀を「アルカナ」と呼びます。
「アルカナ」という言葉の語源は、ラテン語の arcānum です。名詞では「秘密」「謎」、形容詞では「隠された」「秘密の」を意味します。
マルセイユ・タロットのカードでは、全78枚のうち22枚を「大アルカナ」、16枚を「小アルカナ(宮廷カード)」、40枚を「小アルカナ(数カード)」と呼びます。ここで使われる「アルカナ」の意味は「秘伝」が一番近いでしょう。